小利大安の地域づくり

 8月27日(土)は、神宮前の東京ウィメンズプラザで開催された「VISIONフォーラム」(主催:NPO法人ビーグッドカフェ)へ。
 埼玉県小川町の高橋優子さん(NPO「つばさ・游」)に紹介頂いたもので、大和田順子さん(ロハス・ビジネス・アライアンス)、山本拓己氏((株)OKUTA)との3人によるレクチャー「日本各地で始まっている幸せな地域コミュニティづくり」が行われました。
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 小川町は、金子美登さんをリーダーとする有機農業を始め、食とエネルギーの地域循環に先駆的に取り組んでいる地域です。地元の造り酒屋さんや豆腐屋さんは、地域の食材を全量買い上げ、CSA(Community Supported Agriculture)が実現しています。さいたま市の住宅リフォーム会社OKUTAでは、「こめまめプロジェクト」と称し、小川町の有機米を全量買い上げ、事実上、従業員の給与の一部として現物支給しています。
 現在、有機農業に取り組む生産者、地域食材を使いたい事業者、地場産の食べものを求める消費者が全国各地に増えてきていますが、それぞれの思いが有機的に繋がらないと地域循環は実現しません。繋いでいくためにはコーディネータが不可欠ですが、それぞれ価値観や時間軸が異なり、利害が反することも多く、大変複雑で骨の折れる仕事です。
 もともと四国出身の移住者である高橋さんは、縁のできた小川町を住みよい町にしようと、まずは一住民の立場から街の地図づくり(お豆腐屋さんマップ等)から手を付けられたのが2000年のこと。その後、金子さん達と協働して事業者や消費者との間を橋渡しする役割を果たされるようになります。現在は、地元の生産者や事業者のアンテナショップ的な日替わりシェフのレストラン「ベリカフェ」も開店され、人材育成や新規就農者の支援にも取り組んでおられます。
 エネルギッシュでちょっとお節介な普通のおばさん(失礼)が、小川町の「小利大安」のコミュニティづくりの中心におられるのです。多くの地域で、高橋さんのような方が現れてくることを期待したいと思います。