ぬちぐすい

 8月27日(金)から2日にわたり、東京ウィメンズプラザ(渋谷区神宮前)で開催されたVISIONフォーラムは幅広いプログラムが組まれていましたが、27日は「幸せな地域コミュニティづくり」に引き続き「災害エコビレッジと脱経済成長社会への道」というレクチャーとパネルディスカッションに参加しました。
 前半は、20年近く飯舘村のむらづくりに関わってこられた日本大学の糸長浩司先生(飯舘村後方支援チーム代表)と、民族研究家で「地元学」を提唱されている結城登美雄さん、くりこま高原自然学校代表でRQ市民災害救援センター現地本部長の佐々木豊志さんによる講演。
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 結城さんによると、3.11以降、今問われているのは食とエネルギー。
 これまで日本人はこれらの問題に正面から向き合ってこなかった。沖縄のおばあに食とは何かと問われ答えられなかったが、それは「ぬちぐすい(命の薬)」と教えてもらった。今後は、消費者、生産者がともに食とエネルギーの安定を自覚的に追求していく必要がある、等の話がありました。
 引き続いてのパネルディスカッションでは、佐藤健太氏(負げねど飯館)、林良樹氏(NPOうず)、林悦子氏(JEPP)、松下修氏(NPOパーマカルチャーネットワーク九州)が登壇。ちなみに松下さんは熊本時代から旧知の方、東京での再会を懐かしく喜びました。
 飯舘村商工会議所青年部副部長でもある佐藤健太さんからは、村民有志による「負げねど飯舘」のメンバーとして健康手帳の作成等に取り組んでおられる現地の状況について報告がありました。
 正に被災は「まっただ中」です。
 多くの人が生まれた土地から避難され、帰郷の見込みさえ立っていない現実を、私たちは日々の暮らしを過ごしす中で、腹の底にしっかりと落とし込んでおかなければならないと感じた次第です。
 ところで、H市にある自宅近くの猫の額ほどの市民農園の一画は、夏は終わりの風情です。
 枝豆、トウモロコシ、キュウリは完全に終わりトマトもほぼ終了、ピーマンと茄子はまだ獲れています。今年初めて作った「青茄子」は今が盛り。多摩地方や埼玉県では古くから作られているそうで、やや苦み、えぐみが強い野菜です。
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 原発事故で、恐らく東京の土壌も汚染されてしまったのでしょうが、自然は、このささやかな畑にも、この夏も多くの恵みをもたらしてくれました。有難いことです。