都市と農村の絆-しごと塾さいはら

 「しごと塾 さいはら」の皆様
 夏祭り以来、無沙汰をしていています。
 先日は、素敵な蕎麦の写真を有難うございました。今年も、こんなに綺麗に咲き揃ったのですね。ぜひ、近い内に伺いたいと思っています。
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 さいはら(山梨県上野原市西原)とのご縁を頂いたのは、昨年の7月、池袋で「しごと塾」に参加したのがきっかけでした。
 偶然、同じテーブルに熱心な「さいはらファン」の人達がおられて、その場で「しごと塾 さいはら」が立ち上がり、翌8月の末に初めて訪ね、みんなで秋蕎麦の種を植えたのでしたね。
 それから収穫、脱穀、蕎麦打ちなど、一連の楽しい活動に参加させて頂きました。
 有難うございました。
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(写真は「しごと塾さいはら」HP写真館等から。)
 ところで昨年、さいはらで頂いてきた蕎麦の種を、自宅近くに借りている猫の額ほどの市民農園の片隅に蒔きました。綺麗に花を咲かせ目を楽しませてくれたのですが、残念ながら実の収穫はできませんでした。
 ところが、蕎麦はちゃんと種を落としてくれていたようで、今年の春には芽を出し、夏の終わりには、昨年より多くの花を咲かせてくれました。
 その花を見るたび、東京都下にいながら、さいはらの風の匂いを思い出します。
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 さいはらの風とは、単なる自然現象を意味しているわけではありません。
 いつも暖かく受け入れて下さる地元の「NPOさいはら」や活動拠点びりゅう館の皆さん、蕎麦やジャガイモの栽培を指導して下さる農家の方たち、お母さん達の手作りの料理の数々(紫蘇ジュースは絶品です)、それに祭りや神楽等の伝統芸能などなど。
 これらの「宝物」は、かつては日本の他の地域にも同じようにあったはずです。
 ところが、人口と経済の都市への集中、その裏返しとしての農村の過疎化・高齢化が進む中で、多くの地域で忘れられ、失われてしまいました。
 この地で宝物が輝き続けているのは、何といっても地元の方たちの地道な地域づくりの取組の賜物ですが、一方で、都会の中にも、その価値を見出して積極的に関わろうとする人たちの存在も欠かせません。「しごと塾さいはら」の中心メンバーの、職種や立場も様々な若い皆さんには、いつも力を頂いています。
 都会と地方の絆を築きなおすことが、これからの社会にとって大事だと思っています。
 都会に住んでいると、食べものもエネルギーも、それを作りだしてくれている人たちのことを忘れがちです。それを思い出し直して絆を取り戻すためには、普通の市民・生活者どうしの、お互いに顔の見える関係を築きなおしていくことこそが、大事なのではないでしょうか。
 大企業や行政のように規模の大きなことはできませんが、手作りの絆は、逆に大企業等には作ることはできません。
 ところで、市民農園の蕎麦の花の隣には、季節外れの向日葵の苗が育ちつつあります。
 これは「福島ひまわり里親プロジェクト」から頂いたものです。さすがに9月に入ってから植えたので、果たして花を咲かせてくれるかどうか心許ありませんが、この苗を見るたびに改めて思い出させてくれる大事なこともあります。
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 「しごと塾さいはら」の活動は、これからも収穫や蕎麦打ち等が予定されているようで、もっと多くの人達が参加してくれると嬉しいですね。
 長文になってしまいましたが、さいはらで皆様と再会できる日を楽しみにしつつ。
 季節の変わり目、どうぞご自愛ください