岩手県山田町 S様
前略。
ゴールデンウィークの最終日は、茨城や群馬で大荒れの天候になり、大きな被害が出てしまいました。犠牲になられた方とそのご家族の皆さま、被災された方には、言葉もみつかりません。
どうも、自然が荒々しくなってきているような気がします。
その休みが終わるのを待っていたかのように、当地は一気に初夏の気配、日比谷公園の噴水の鶴も、緑風が心地良さそうです。
ところで本日は、山菜をたくさん送って頂き、ありがとうございました。
さっそく料理をして美味しく頂きました。
ウド、ウルイ、タラノメ、(天然の!)シイタケは天ぷらにしました。
また、ワラビは白和えと卵とじにし、シドケはお浸しにして頂きました。
大震災から1年と2か月、大変な日々を過ごされてきたとお察し申し上げます。
詳しくは聞いていませんでしたが、ネットの支援サイトを通じて、妻が若干の日用品等をご支援させて頂いていたそうですね。それに対し、山菜を送って下さると電話でおっしゃって頂いた時には(あいにく妻は不在でした。)、却って申し訳ないという気持ちが先に立って、正直、うろたえました。
それでも、ようやく山菜を採りに行く余裕もできた、とのお言葉をお聞きし、本当に胸のつかえが下りるような、安堵した気持ちになった次第です。
山菜は、食べやすく品種改良された野菜と違って癖も個性もありますが、それが何とも言えない風味ですね。
なかんずく今日の山菜は、春を迎えつつある東北の自然の恵みのお裾分けを頂いたようで、しみじみと味わわせて頂きました。自然は厳しくも、有難いものです。
Sさん、ご家族におかれては、まだしばらくは仮設住宅での不自由な生活を余儀なくされることと存じます。
それは私たちには想像もし切れないことですが、どうか東北の春の山菜のように、ぐんぐんと復興の芽が大きく伸びて行くことを、心から祈念しております(どうも言葉にすると軽くなってしまって、表現力の不足を痛感します)。
皆様、どうぞご自愛ください。今回は本当に有難うございました。ごちそうさまでした。 草々