5月12日(土)ノ東京地方ハ、天気晴朗ナレド風強シ。
小金井市において、新たな取組が旗揚げされた記念すべき日となりました。
ちなみに舞台となった小金井市の地名は「黄金に値する豊富な水が出る」こと(黄金井)に由来するとのこと。現在も豊富な湧水があり都市農業も盛んで、「江戸東京野菜によるまちづくり」に取り組んでいる地域です。
「こきんちゃん」(宮崎駿監督の制作)の幟も、強い風にはためいていました。
この日、スタートしたのは「江戸東京野菜コンシェルジュ育成講座」です。
江戸東京野菜コンシェルジュ育成協議会の主催により、関連するNPO、JA、大学生、自治体等が連携して、江戸東京野菜の普及促進のための人材を育成しようというものです。
民官協働の「東京都新しい公共支援事業」(第2回モデル事業)の助成対象として選定されています。
地元のNPO法人ミュゼダグリの納所氏の司会で始まった開講式、協議会会長の大竹道茂氏(江戸東京・伝統野菜研究会)から、「様々な活動をされている方たちの情報交換の場にもして、活動を広げていってほしい」等の挨拶がありました。
スタッフ(小金井市、出版社関係、大学生等)の紹介に続き、約30名の参加者から一人ずつ自己紹介がありました。
生産者(農家)、小学校の栄養教諭の先生たち、市場や種苗会社・飲食店の方、料理研究家やフード・コーディネータ、マスコミ関係、行政など、それぞれの立場で、食と農に関する様々な活動をされている方たちです。
短い自己紹介から、その熱意と本講座への期待が伺えます。
休憩後の第1回の講座は、大竹会長から「江戸東京野菜コンシェルジュとは」「江戸東京野菜とは」。
徳川時代の参勤交代等によって江戸東京野菜が全国にも広まっていった様子、現在の東京において江戸東京野菜の知名度が高まりを見せている様子等について、具体的な取組の写真など豊富なスライドを使って説明して頂きました。
いつもながら熱のこもったお話が、この日は一気呵成に2時間近く。江戸東京野菜の取組が高まっている中核に大竹さんの情熱ある活動があることは、間違いありません。
伝統野菜の復活・普及の取組は、地産地消(新鮮で安心できる食材の入手、地域農業の活性化、輸送に伴う環境負荷の低減等)の典型であるだけではなく、地域の風土と歴史、食文化とも密接に結びついたものです。
やや大げさにいえば、誰にも身近な「食」を通じて、地域のコミュニティの再生、さらには将来の循環型社会への転換にも貢献していくことが期待されるのです。
日本の食料とそれを支えるべき農業の現状は、危機的な状況にあると言わざるを得ません。私たち日本人自身が、どのような食生活を選択していくのか、そもそも日本に産業としての農業が必要なのかどうか、が問われているのです。
社会を変えていく(いける)のは、政治や行政、大企業ではありません。社会の構成員である一人ひとりの意識と行動が、少しずつでも着実に変わっていくしかないのです。
その意味で「江戸東京野菜コンシェルジュ育成講座」の開催は、社会の潮目を変えて行くために、強風の中に高々と掲げられた一旒の大きな旗であることは間違いありません。そして、その旗に下に集まった方たちこそ、これからの地域と社会を変えていく原動力になることが期待されるのです。
などと、身勝手な思い込みを書き連ねてしまいましたが、この日の講座自体の雰囲気は温かいもので、6月にかけての全7回の講座も、料理、畑の訪問、大学生有志による町づくりの取組など、楽しいプログラムが予定されているようです。
また今回は、すでに様々な活動をされている専門家や実務者の方達が対象ですが、次回以降は、一般消費者の方達を対象としての開催も計画されているとのこと。
ご関心のある方は、協議会事務局(月・水・金10~17時、電話/FAX 042-403-7994、メールedocon831★jcom.home.ne.jp:★を@に変更)またはNPO法人ミュゼダグリまでお問い合わせ下さい。
“小金井に掲げられた一旒の旗 -「江戸東京野菜コンシェルジュ育成講座」スタート-” への1件の返信
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昨日は、おいでいただきありがとうございました。
また、ブログご紹介いただき、ありがとうございます。
エールを送っていただき、身が引き締まる思いです。
コンシェルジュの件では、身を削って頑張っています。
(その割には、ちっとも見た目は変わりませんが:笑)
今後とも、よろしくお願いいたします。
追伸:ちなみに今日は、畑に夏野菜を植え、
ジャガイモの土寄せ作業に、汗を流しました。
2~3日後の、身体の痛みが心配です。
(最近は、すぐにでないです。○○ですね。)
酒井文子