Rio+20、寺島茄子、うごく七夕、「福島に寄り添う」

 6月末から7月にかけての出来事。
 まず6月28日(木)の夕方は、日比谷の世界銀行情報センター(PIC東京)で開催された「リオ+20」報告会を傍聴しました。
 実際に会議に参加された国学院大・古沢広祐先生から、帰国ほやほやのご報告。
 今回は金融危機等で首脳の参加も少なく、20年前、10年前の盛り上がりに比べると成果も今一つだったと言われていますが、持続的な開発に向けてのグリーン経済の重視等が合意されました。
 強制力のある条約ではない合意文書だからこそ、市民社会として取り組んでいく必要があると、古沢先生が強調されていたのが印象的でした。
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 また、今回の会合では、国家や企業の会計に自然資本への負荷を盛り込む取組が報告されたり、FAO(国連食糧農業機関)からは世界の食糧システムにおけるエネルギー使用の改善の重要性が報告されるなど、持続可能性を探る世界の潮流がますます大きくなっていることは間違いありません。
 週末の6月30日(土)は曇りがち。
 5月から開催されていた江戸東京野菜コンシェルジュ育成講座第1期の第7回(最終回)は、三鷹の農家・星野直治さん宅の現地見学です。東京の農家のリーダーの1人である星野さんは、住宅地に囲まれた畑で野菜を中心に経営をされています。
 最近は寺島茄子も本格的に手がけておられ、今や本家である寺島(墨田区向島)での商店街活性化や食育向けにも、星野さん宅の寺島茄子(苗木も含め)が届けられているとのこと。
 今は他にも需要が多く、供給が追いつかないそうで、それだけ江戸東京野菜や伝統品種に対する関心が高まっているようです。
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 現地見学後、歩いて修了式の会場に向かいました。
 星野さん宅には大きな屋敷林もあって、風が涼しかったのですが、20分ほど歩いたアスファルトの道の蒸し暑かったこと。都会の中にある農林地等のオープンスペースの、農業生産面だけではない重要さが改めて実感されました。
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 修了式の会場となったのはJA東京むさし「三鷹緑化センター」です。農業公園の一画にある直売所も兼ねたセンターで、野菜や植木を求める多くの客で賑わっています。
 その2階の会議室で、江戸東京野菜コンシェルジュ育成講座第1期の修了式が行われました。
 大竹道茂会長から、参加者の皆さんの熱心さに勇気づけられ、今後の食育等を通じた普及の上で大きな力になっていただける方々だと確信した等の挨拶があり、続いて全講座に参加した受講生の皆さんに修了証が手渡されました。
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 引き続いて懇親会。小金井の「くりやぶね」のお弁当には、もちろん寺島茄子や半白胡瓜も。
 最後に、主催者・事務局の酒井文子さん(NPOミュゼダグリ理事長)から締めくくりの挨拶。秋には2期講座も予定されているそうです。
 翌7月 1日(日)は、朝から時折小雨が落ちてくる一日。
 この日、新宿の大久保公園では東北支援のための青空市が開かれていました。ここではミサンガイカたわしを求めさせて頂きました。
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 そしてこの日、新宿の繁華街を、きらびやかな山車が巡行しました。
 津波で流されてしまった陸前高田市の「うごく七夕」の山車の1台を、熊本のNPO「祭りくまもと・東日本応援隊」が復元し、陸前高田市に寄贈することとしたものだそうです。
 色とりどりの和紙で飾り付けられた豪華な山車とともに、多くの人たちが歌舞伎町を練り歩きました。
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 その後、青山に向かいました。
 国連大学前では、毎週末、全国の農家等が青果物や加工品を持ち寄って開催されているファーマーズマーケット。この日はあいにくの小雨模様でしたが、多くの人で賑わっています。
 13時から青山ブックセンターでは、WEBRONZA、SYNODOSとの共同企画「『復興アリーナ』ローンチ・シンポジウム-被災の経験を悲劇で終わらせないために」が開催されました。
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 まず第一部「被災者中心型の支援のかたちとは」では、評論家・荻上チキ氏の司会、関西大学准教授(公共政策学)の永松伸吾氏と病児保育のNPO法人フローレンス代表・駒崎弘樹氏による討論。
 永松氏からは、被災者に雇用機会を確保し地域経済の自立的な復興を支援する「キャッシュ・フォー・ワーク」の提案、駒崎氏からは福島でのインドアパーク開設の様子等について報告がありました。
 第二部は「一次産業の復興について」。
 駒澤大学准教授・飯田泰之氏の司会、三重大学生物資源学部准教授の勝川俊雄氏と月刊『農業経営者』副編集長の浅川芳裕氏。
 消費者は牡蠣の原価(生産者の手取)を、生産者は消費者にいくらで売られているかを知らない現状にあり、生産者と消費者が結びついていくことの重要性等が強調されました。
 第三部は「福島に寄り添うとは何か」。
 作家・大野更紗氏の司会で、福島大学特任教授・開沼博氏、ジャーナリスト藍原寛子氏、龍谷大教授でNPO法人日本ボランティアコーディネーター協会代表理事の筒井のり子氏、福島でLIFEKU等の活動に携わっておられる遠藤知絵氏による討論。
 藍原氏は東京と福島との間にある大きなギャップを埋めるためには双方向のコミュニケーションが重要であること、筒井氏からは「ボラセン通信」を毎週発行することから始めたこと、遠藤氏は放射能対策住宅の取組等について報告がなされました。+oono_convert_20120704071111.png
 開沼氏からは、事故からまだ1年4ヶ月しかたっていないこと、会津に避難したお年寄りは冬の雪下ろしが大変で浜通りに戻る人もおられ、とすれば、必要な支援は雪かきかも知れない、等の発言がありました。
 ところで司会をされた大野更紗さんのベストセラー「困っている人」が文庫になりました。しょこたん同様、私も絶対お勧めです。
 2012年7月1日は、日本のエネルギー史において記憶されるべき日となるかも知れません。
 この日、再生可能エネルギー固定価格買取制度がスタート。そして福井県大飯では、事故後初の原発再稼働。原発ゼロの状態は2ヶ月足らずで「解消」。

“Rio+20、寺島茄子、うごく七夕、「福島に寄り添う」” への1件の返信

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     6月末から7月にかけての出来事。 まず6月28日(木)の夕方は、日比谷の世界銀行情報センター(PIC東京)で開催された「リオ 20」報告会を傍聴しました。 実際に会議に参加された

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