F. M. Letter -フード・マイレージ資料室 通信- No.001

================================================================

◇◆◇ F.M.Letter−フード・マイレージ資料室通信− ◇◆◇

     No.1 ; 2012.10/30(旧暦 長月十五日)発行

================================================================

 創刊のごあいさつ

 このたび、メ−ルマガジンを発行することになりました。

 現在、私たちの食と、それを支える農林漁業は、様々な意味で危機的

な状況にあると言わざるを得ません。

 その一方で、食と農の閉塞状況を打破しようとする様々なユニークな

取組が、多くの地域で拡がりつつあります。

 

 本メルマガでは、フード・マイレージや伝統野菜等について様々な

情報を発信しつつ、読者の皆様からのご意見や投稿も積極的にお受けし、

食と農の未来について、ともに考えていければと考えています。

 どうぞよろしくお願いします。

 

 本メルマガの構成・内容は、以下のように考えています

(発行しながら、見直していきます)。

 

 F.M.豆知識

 フード・マイレージを始めとする食や農に関わる事柄について、毎回

少しずつ取り上げて説明していきます。

 

 オーシャン・カレント −潮目が変わる−

 食や農の閉塞状況を打ち破るためのユニークな取組や、取り組んでお

られる方達を紹介していきます。

 今は小さな「さざ波」かも知れませんが、これが拡がり合流していけ

ば、大洋(オーシャン)の潮流までも変えていく予感があります。

 

 情報ひろば

 食や農に関わるセミナーや勉強会の情報、拙ウェブサイトやブログの

更新情報等について、お知らせしていきます。

 読者の方からの投稿(告知等)も掲載します。

 

 それでは、創刊号(No.1)のコンテンツをお届けします。

 

—————————————————————-

  F.M.豆知識 (1)「フード・マイレージ」事始め

—————————————————————-

 1990年代半ばのイギリスにおいて、NGOの主導により「フードマイル

ズ運動」というのが始まりました。

 これは、自分たちの食と環境問題との関わりを意識し、なるべく近く

で取れた食料を選択することにより、輸送に伴う環境負荷を削減してい

くことを目指すという市民運動です。

 

 筆者は20014月から23ヶ月、農林水産省の農林水産政策研究所に

研究員として在籍した際、「フードマイルズ運動」を含め環境問題に対

する造詣が深かった篠原孝所長(当時。現・衆議院議員)からの指示・

指導を受け、フード・マイレージの研究に携わることになったのです。

 これが私とフード・マイレージとの「出会い」でした。

 

 ちなみにフード・マイレージとは、食料の輸送量に輸送距離を掛け合

わせた指標です。

 例えば20トンの小麦を50km離れたところから運んできた場合のフード

・マイレージは、20トン×50km1,000tkm(トン・キロメートル)と

なります。

 

 この考え方と計算方法(輸送量×輸送距離)は、イギリスのフードマ

イルズと全く同じなのですが、本家に敬意を払いつつ、独自の計算方法

を用いたこと等から、「フード・マイレージ」という別の用語を用いる

こととしました。篠原所長(当時)の造語です。

 

 そして、まず、輸入食料全体のフード・マイレージの計測に取りかか

ったのですが、何しろ初めてのことでしたので、色々と頭を悩ませるこ

とになりました。(以下、次号に続きます。)

 

—————————————————————-

  オーシャン・カレント −潮目を変える−

—————————————————————-

 食や農の閉塞状況を打ち破る様々な取組を紹介するこのコーナー、

1回目に取り上げるのは「共奏キッチン」という集まりです。

 

 月に1回程度、JR山手線・田町駅近くの「三田の家」(慶応大と地元

商店街が運営する古民家を活用したコミュニティスペース)を中心に開

催されているこのイベント、その内容を一言で表せば「みんなで集まっ

て料理を作り、一緒に食べて語り合いましょう」というもの。

 

 毎回、様々な年齢層の男女3040名ほどが参加。

 健康や食べもの、農業に強い関心を持っておられる方ばかりで、貴重

な情報交換の場にもなります。

 

 大都会の繁華街の真ん中に根を下ろしつつある「食」を仲立ちにした

新しいタイプのコミュニティ。「食」には、人と人を結びつけていく力

があることが、ここにくると実感されます。

 

 ちなみに、人類学者の山極寿一先生によると、人類が猿から分かれて

進化できたのは、「共食」の習慣があったからとのこと。

 

 次回は1114日(水)に開催予定です。

 毎回3割位は初参加の方で、関心を持たれた方は気軽に顔を出されて

みてはいかがでしょうか。

 

「共奏キッチン」FBページ http://www.facebook.com/kyosokitchen

 

—————————————————————-

  情報ひろば

—————————————————————-

 ウェブサイト「フード・マイレージ資料室」更新情報

・管理者の当面の予定を追加しました。

   http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/fm-profile.html

 

  1110日(土)13:30〜、小金井市

   「江戸東京野菜コンシェルジュ育成講座(2)」(受講者限定)

    主催:江戸東京野菜コンシェルジュ育成協議会

   http://edocon831.seesaa.net/article/282053730.html

 

  12 2日(日)10:30〜、埼玉県新座市西分集会所

   「わいがや勉強&交流会」

      http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/121202_waigaya_tirasi.pdf

 

 ブログ「伏臥慢録〜フード・マイレージ資料室から〜」更新情報

1021日付け「江戸コン・第2期がスタートしています。」

  江戸東京野菜コンシェルジュ育成講座(第2期)第2回(1019日、

 小金井市)の模様です。生産者の思いと伝統野菜の価値を伝えていく

 料理研究家の方や学生たちの活動により、ネットワークが拡がりつつ

 あります。

  http://food-mileage.jp/2012/10/21/

 

1028日付け「未来に向けて種をまく」

  東京家政大学では、将来の管理栄養士等を目指す学生さん達により

 伝統野菜が栽培されています。

  一方、野口勲さん(野口種苗研究所)の講演では、F1が主流になっ

 ている種の現状について警鐘を鳴らされています。

  http://food-mileage.jp/2012/10/28/

 

 管理者が参加予定または関心のあるイベント等の情報

・農業体験会総仕上げ「収穫祭」

  日時:2012113日(土)

  場所:埼玉県小川町(午前 10時に東武東上線小川町駅前に集合)

  主催:US Peace ファーム

  (詳細、お問合せ等http://uspeace.jp/user_data/event.php

 

・秋季研究会「フード・コミュニケーションの未来」 

  日時:1117日(土)13:0017:50

  場所:東京大学弥生講堂

  主催:日本フードシステム学会

  (詳細、お問合せ等

http://www.fsraj.org/?action=common_download_main&upload_id=289

 

================================================================ 

 F.M.Letter −フード・マイレージ資料室 通信−【ID;0001579997】 

================================================================

  発行者:中田哲也(フード・マイレージ資料室 管理者)