F. M. Letter -フード・マイレージ資料室 通信- No.004

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 ◇◆◇ F. M. Letter −フード・マイレージ資料室 通信− ◇◆◇

     No.4 ; 2012.11/21(旧暦 神無月八日)発行

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 フード・マイレージや伝統野菜等について様々な情報を発信しつつ、

読者の皆様からのご意見や投稿も積極的にお受けし、食と農の未来につ

いて、ともに考えていきたいと考えています。

 


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  F.M.豆知識 (4)輸入食料の輸送距離について

 

  フード・マイレージを始めとする食や農に関わる話題について、毎

 回少しずつ取り上げていきます。

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 フード・マイレージとは、輸送量に輸送距離を掛け合わせた数値です。

輸入食料の量については、前回述べたように、定義(食料の範囲)さえ

決めれば財務省「貿易統計」から集計することができます。

 

 難問は、輸入相手国(輸出国)からの輸送距離でした。

 輸送距離が輸入相手国によって異なるのは当然ですが、さらに品目毎

にみても、輸送経路と距離は千差万別です。輸送手段(船舶か航空機か

等)が異なれば、経路と距離も異なります(輸送手段の違いは、後に、

環境負荷を求める上で決定的に重要であることが明らかになります)。

 

 このため、厳密に輸入食料のフード・マイレージを計測しようとすれ

ば、全ての品目について、産地からの輸送距離を把握し、品目毎の輸入

量に掛け合わせて累積するという作業が必要になります。

 

 しかし、あまり時間はかけられない事情がありました。

 実は私が着任した20014月の時点で、農林水産政策研究所は旧農業

総合研究所から組織変更され、タイムリーに成果を出していくことに

なっていたのです。

 

 そのため、輸送距離については思い切って簡便な方法を採用すること

としました。つまり、輸出国の首都から輸入国の首都までの間の直線距

離を輸送距離と仮定としたのです。

 

 実際には食料は直線的に運ばれるわけではないので、この輸送距離は、

現実の距離に比べて相当、短いものとなっています(このため、後に海

上輸送距離によって計算し直すことになります)。

 

 このように割り切ったことによって、日本の輸入食料のフード・マイ

レージを試算できるようになったのですが、日本の数値だけでは、それ

が大きいのか小さいのか、何とも解釈できません。

 

 そこで、アメリカと韓国についても、同様の方法で試算して比較する

こととしました。海外の貿易統計については、この時点では研究所で所

有していなかったため、外郭団体の図書館にあったデータベースを活用

させて頂きました。

 

 以上のような経緯の後、日本、アメリカ、韓国の輸入食料のフード・

マイレージの数値が、初めて試算されたのです。

 その結果は、ある程度予想していたとはいえ、驚くべきものでした。

(次号に続く。)

 

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  オーシャン・カレント −潮目を変える−

 

  食や農の閉塞状況を打ち破るためのユニークな活動や、それに取り

 組んでおられる方達を紹介します。

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 埼玉県南部にある新座(にいざ)市は、都心への交通の便も良く、同

時に農地や平地林も多く残されている地域です。

 

 JR武蔵野線の新座駅から、名刹・平林寺脇の野火止用水に沿った緑道

を進むと、蛍の飼育施設に隣接した西分集会所が見えてきます。ここで

2回ほど、「わいがや勉強・交流会」という集いが開催されています。

 

 前半は講師を招いての講演会、後半は地元の食材をふんだんに使った

手づくりの料理で交流するという、ためになって美味しいイベントです。

 

 主催は「環境教育支援ネットワーク・きづき」。

 代表は荻原洋志さん(埼玉県の環境アドバイザー、動物愛護推進員等)

です。

 

 この団体の特色は、地域の様々な関係者とネットワークを構築しつつ、

環境に関わる幅広い活動を展開されていることです。

 

 例えば、小学生等を対象として「夏休み子どもエコ学び隊〜『食』を

学ぼう!地産地消」という講座や、簡易環境計測ソフトを用いたエネル

ギーの「見える化」を体験する環境出前講座等を実施するとともに、小

中学校にゴーヤのグリーンカーテン導入を呼びかけています。

 

 また、子ども会や町内会と連携しての道路や街並みの美化活動、マル

チパック(缶ビール等の容器を束ねている紙)やアルミ付き紙パック

(内側にアルミがコーティングされているもの)の回収とリサイクルの

推進等も行っています。

 

 さらに、新座市に立地する3つの大学(跡見学園女子大、十文字学園

女子大、立教大)とも緊密に連携し、大学の教員や学生達が、小学生に

対する環境教育等の活動に実際に参加しているのです。

 

 なお、今年冬の「わいがや勉強・交流会」は、122日(日)の10時半

から、西分集会所で開催されます。今回は、私から地産地消やフード・

マイレージの説明をさせて頂く予定となっています。

 

「わいがや勉強・交流会」(122日)

  http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/121202_waigaya_tirasi.pdf

 

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  情報ひろば

 

  食や農に関わるセミナーや勉強会の情報、拙ウェブサイトやブログ

 の更新情報、読者の方からの投稿(告知等)をお知らせします。

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 ウェブサイト「フード・マイレージ資料室」

・管理者の当面の予定です。

  http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/fm-profile.html

 

  12 2日(日)10:30〜、埼玉県新座市西分集会所

   「わいがや勉強&交流会」

  http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/121202_waigaya_tirasi.pdf

 

 ブログ「伏臥慢録〜フード・マイレージ資料室から〜」更新情報

 

1116日付け「美味の宴2題−共奏キッチンと呑みマス!ニッポン−」

  食を仲立ちにした新しいコミュニティづくりの取組と、被災地の

 蔵の日本酒を飲んで支援する取組。お腹も心も満足です。

  http://food-mileage.jp/2012/11/11/yomi/

 

1119日付け「研究会2題−FCPと持続可能な未来」

  雨の17日(土)は、学会をハシゴして勉強の一日。日本フードシス

 テム学会・フードコミュニケーションの研究会とエントロピー学会・

 持続可能性の研究会です。

  http://food-mileage.jp/2012/11/11/edo/

 

 管理者が参加予定または関心のあるイベント等の情報

  アドボカシーカフェ

   「有機農業の力と市民の力で新しい共生を考える」

  日時:20121121日(水)18:3020:40

  登壇者:菅野正寿氏(福島県有機農業ネットワーク理事長)

      黒田かをり氏(SJF 副運営委員長)

  場所:東京麻布台セミナーハウス 港区麻布台1-11-5

    (日比谷線神谷町駅徒歩3 分)

  主催:ソーシャル・ジャスティス基金(認定NPOまちぽっと)

  (詳細、お問合せ等http://socialjustice.jp/p/20121121/

 

 「第3回低炭素まちづくりフォーラム in 埼玉」

  日時:20121125日(日)10:0016:30

  場所:跡見学園女子大学 新座キャンパス

    (JR武蔵野線新座駅北口から学校バスを運行)

  基調講演:鈴木基之氏(東京大名誉教授、中央環境審議会会長)

    「日本のエネルギー政策と今後の温暖化対策」

  分科会:エネルギー、暮らしのエコ、子ども大学等

  主催:第3回低炭素まちづくりフォーラム in 埼玉実行委員会

  (詳細、お問合せ等

   http://www.kannet-sai.org/121125teitanso.pdf

 

  研究会「有機野菜の生産・販売の強みとマーケティング

       〜久松農園の具体的事例から〜」

  日時:1128日(水)19:0020:50

    講師:久松達央氏(野菜農家、茨城県土浦市)

  場所:ちよだプラットフォームスクウェア501会議室

    (メトロ東西線竹橋駅徒歩5分)

  主催:農業情報総合研究所/農業ビジネス研究会

  (詳細、お問合せ等

   http://www.facebook.com/?ref=logo#!/events/371804979571444/

 

  秋そばづくり第5弾「地大豆の脱穀、冬伏せ」

  日時:121日(土)〜2日(日)(日帰り参加も可)

  場所:山梨県上野原市西原地区(10:10 JR中央線上野原駅集合)

  主催:しごと塾さいはら

  (詳細、お問合せ等

  http://shigotojyuku-saihara.jimdo.com/

 

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 F. M. Letter −フード・マイレージ資料室 通信−【ID;0001579997】 

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  発行者:中田哲也(フード・マイレージ資料室 管理者)