「農家のこせがれネットワーク」交流会 & 忘年会

 天皇誕生日とクリスマスの3連休が明け、いよいよ今年も残り少なくなってきました。
 週の前半、東京地方は気温は低いものの冬晴れの日が続きました。
 日比谷公園の大噴水も鶴の噴水も、眩しい日の光を反映して水滴を輝かせています。
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 年末になって政権が交代しました。
 食料や農業が待ったなしの課題の一つであることには、変わりはありません。
 2012年における農業の担い手の数(基幹的農業従事者数)は178万人と、2000年に比べて4分の3に減少しています。しかもこの間、平均年齢は62.2歳から65.9歳へと上昇しており、日本農業の担い手は、高齢化しつつ大幅に減少しる現状にあります。
 一方、2011年における新規就農者は5万8千人。前年に比べて6.5%増加したのですが、その54%は60歳以上。つまり、会社等に勤めていた方が退職、Uターンする等して農業を始められた方が過半なのです(農林水産省統計部『平成23年新規就農者調査』)。
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 近年、農業を職業(あるいは生き方)として積極的に選択して新規に就農される若い方も各地におられますが、全体としてみれば、将来の農業を担っていく若い方達の数は、全く十分とは言えません
miyaji_convert_20121229132910.png このような「危機的状況」を何とかしようと立ち上がった農業後継者の方たちのグループがあります。
 その名はNPO法人「農家のこせがれネットワーク」(2009年設立)。
 マスコミ等で取り上げられることも多く、名前を聞かれた方も多いかと思います。
 発起人代表で現在は代表理事でもある宮治勇輔さん((株)みやじ豚)によると、その活動目的は、一次産業を「かっこよくて」「感動があって」「稼げる」3K産業にし、地域を元気にして、日本人が豊かな生活を送れるようにすること。
 具体的な活動として、農業実験レストラン「六本木農園」の運営、六本木アークヒルズでのマルシェの開催(毎週土曜日)、農家と生活者との「顔の見える関係」を育むためのポータルサイト「マイファーマー」の開設等に、積極的に取り組んでおられます。
 また、こせがれ同志、あるいは生産者と消費者を交えての交流会も頻繁に開催されています。
 その今年の最終回「食と農でつながる交流会 Vol.8~忘年会編~」が、12月27日(木)夕方、東京・六本木のオフィスのセミナー室で開催されました。
 メトロ南北線・六本木1丁目駅近くの会場には、スタッフを含めて約30人が集まりました。
 宮治代表の挨拶と乾杯の発声で、立食パーティーが始まりました。
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 この日の食材の多くは、このイベントのために農家・こせがれの方から提供されたものです。
 ホワイトボードには本日のメニューが書かれ、傍らのテーブルには、生産者の皆さんたちから提供されたチラシやパンフレット等が置かれています。
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 まず、宮治代表の実家からは「みやじ豚」のしゃぶしゃぶ。爽やかな食感の豚肉です。
 加藤ファーム(埼玉県入間市)の加藤秀樹さんから、味噌や青大豆、黒胡麻など。
 大分県かぼす振興協会からは、かぼすと、かぼすリキュール。
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 私もお世話になっている熊本の「ひご之すけ」からは、「ひご野菜コロッケ」も提供されました。
 この日、提供頂いたのは「赤なすの麻婆コロッケ」と「芋の芽とご飯のコロッケ」です。いずれも熊本の伝統野菜・ひご野菜を使ったユニークな食感のコロッケで、参加者の皆さんにも好評だったようです。
 「銀座熊本館」でも販売されているとのこと。
 埼玉県入間市の貫井園・貫井香織さん(2008年4月就農)からは、原木椎茸とお茶・ハーブティー。
 パリでの見本市に出展し、輸出が決まるなど、積極的な展開をされています。
 商品開発中らしい玄米リゾットの食べ比べ(コシヒカリと「彩のかがやき」)もありました。
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 毎月、ヒルズマルシェに出店されている九十九里町の農家のお米による炊き込みご飯も。
 
 これらの他にも、多くの方が食材を提供して下さいました。
 参加者には「こせがれ」の方たちに加え、近く山梨県や淡路島で新規就農される方も。実家が福島の果樹農家という「温泉ソムリエ」の方、大手広告会社の方もおられました。
 皆さん、食や農に強い関心のある方ばかりです。
 予定の時間はあっという間に超過し、宮治代表により、業界で有名らしい「養豚一本締め」で中締め。
 あっと驚くようなユニークな方法は、・・・ネタばれになるので、ここでの紹介は控えさせていただきます。
 「農家のこせがれネットワーク」の10年後の目標は、小学生の希望職種ランキング1位に「農業」がくることだそうです。全国各地に支部もでき、活動が拡がっているとのこと。
 都会の象徴のような東京・六本木において「こせがれ」の皆さんの熱い思いを聞いていると、不釣り合いであるような不思議な感覚と、将来への明るい希望の光が見えたような気がしました。
 「農家のこせがれネットワーク」と、メンバーの皆さまの、ますますの発展を期待したいと思います。
【ご参考】
 ◆ ウェブサイト:フード・マイレージ資料室
 ◆ メルマガ :【F. M. Letter】フード・マイレージ資料室 通信
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