都会と田舎をつなぐ2つのマルシェ

 2013年1月27日(日)は、風はやや冷たいものの、前日に続いて晴天に恵まれた1日。
 2つのマルシェを「はしご」しました。
 JR原宿駅から歩いて10分ほど、代々木公園・けやき並木において、毎月1回、「東京朝市・アースディマーケット」が開催されています。
 単なる直売ではなく、「食と農のつながり」を軸としたライフスタイル発信の場とされており、地域通貨の活用等にも取り組まれているそうです。
 10時のオープンに合わせて行ったのですが、すでに多くの人で賑わっていました。
 道路の両側には、旬の食材や加工品を展示・販売する多くのテントが並んでいます。この日は、農産物と同様、土から生まれる「器」の市も行われていました。
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 週末農業体験イベント等を企画している「週末農風(しゅうまつのうふ)」のブースも出展されています。
 色鮮やかな珍しい野菜を販売されているブースもありました。別々の2軒の若い方に伺ってみると、偶然にも、いずれも静岡県富士宮市で新規就農して農業を営んでおられるそうです。
 辛み大根など少々求めて、次に向かいました。
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 なお、「東京朝市・アースディマーケット」の今後の予定は、年度内は2月24日(日)、3月17日(日)のいずれも10時から16時まで、雨天決行とのことです。
 JR渋谷駅に下って品川へ、さらに京浜急行に乗り換えて青物横丁駅で下車。
 こちらの商店街においても、2ヶ月に1回程度の頻度でマルシェが開催されています。
 その名も、第3回品川マルシェ「全快野菜屋ちゃん」。
 主催しているのは「greensmile」(グリーンスマイル)。
 「都会と田舎をConnect(つなぐ)-都会のニーズと田舎のシーズをつないで日本をにっこり元気にしよう!」を合言葉に、2011年11月から活動しています。
 東京の本土で唯一の村・檜原村においてレンタルファームを開設し体験イベントを実施かるとともに、檜原村で獲れた野菜等をこの青物横丁商店街において、地元商店街の方達の協力を得てマルシェを開催しているのです。
 こちらも単なる直売ではなく、田舎と都会、双方の情報交流とファン作りが狙いです。
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 会場の法人会館前に、スタッフは準備のために朝早くに集合、10時にスタート。私は遅れて11時頃に到着。
 棚やテーブルが設営され、野菜などが並べられています。
 この日は、つくば市からトマトなど野菜生産者の方、江戸川区から八百屋さんもコラボして参加されています。愛知県一宮市の原木シイタケも販売されています。
 前回来た時よりは、商品も豊富で大規模です。
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 グリスマ代表「てーさん」は、出身地の奈良から、伝統野菜「祝大根(いわいだいこん)」と「そうめんふし」を持って来られていました。
 そうめんふしとは、手延べ素麺の棒にかかった曲線部分を切り分けたもので、粘りが強く味がよいとされていますが、一般に広く出回っているものではない貴重なものです。
 試食も用意しました。
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 メンバーが道行く人に声を掛け、値段が安いこともあって、完売となる商品が続出します。
 最初の頃は陽射しがあって暖かかったのですが、日が西に傾くに連れて次第に日陰になり、寒さが応えるようになってきました。
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 15時近くになり、商品もおおむね捌けたところで閉店。
 テント等撤収し綺麗に掃除。
 ここで、つくばの生産者さん、江戸川区の八百屋さんが車で帰られるのをお見送り。
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 そして打ち上げへ。
 この日の反省を兼ねて参加者から一言ずつコメントと、行事の告知等で大いに盛り上がり、お腹いっぱい食べて呑んで、会費は千円ちょっとという安さ。
 それにしても、楽しくてエネルギッシュな皆さんです。
 性別や年齢も様々。職業もIT関係、ライター、証券会社勤務、不動産業、飲食店、整体師など多彩です。ペン字教室を主宰されている方もいらっしゃいます。
 この日、初対面の整体師の方は、人の身体に関わる仕事を続ける内に、身体を内部から健康にする食事や食材に対する関心が強くなり、とうとう月1度、仲間とカフェを始められたとのこと。
 
 旧来のイメージでは、農業や田舎とは遠いところにおられると思われる方達が、冬の日曜日の午後、手をかじかませながら、都会と田舎をつなぐ活動で盛り上がりました。
 先日、「てーさん」が江戸しぐさ「三脱の教え」というのをフェイスブックに投稿されていました。
 すなわち、初対面では、年齢を聞かない。職業は聞かない。地位を聞かない。というものだそうです。
 江戸時代、生産者が野菜等を持ち寄って市場を開いたことに由来するとされる青物横丁において、「三脱の教え」を実践しているようなフラットで心地よいネットワークが、リアルに活動しているのです。
 確実に、世の中は変わりつつあります。
 グリーンスマイルの、今後のさらなる発展に期待したいところです。
【ご参考】
 ◆ ウェブサイト:フード・マイレージ資料室
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