「さいはらプロジェクト2013」スタート!

 週末ごとに天候不順だったこの春、4月13日(土)は、ようやく好天に恵まれました。
 久しぶりに山梨県上野原市の西原(さいはら)地区に伺いました。
 地元のNPOさいはらと東京のNPO等が連携した交流・地域おこし活動「しごと塾さいはら」のプロジェクトが今年も始まったのです。
 活動は4年目に入りました。
 しごと塾さいはら2013」の第1弾は、この日から翌14日にかけての「「ジャガイモの種植え&雑穀まんじゅうづくり・販売お手伝い」です。
 10時過ぎにJR上野原に着。
 バスもあるのですが、この日は参加者の車に分乗して、さいはらに向かいました。
 中国の詩に「春山淡冶にして笑うが如く、」とあるように、芽吹きはじめた春の山は、あわあわとなまめかしく、笑っているようかのようです。
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 途中、寄り道して炭焼き窯を見せてもらいました。
 以前は地元の森林組合等が盛んに炭焼きを行っていたのが廃れていたのを、最近、補修して地元の方が炭焼きを再開されたとのことです。
 農山村は、地産地消できるエネルギー源も豊富です。
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 今回の参加者は10名ほど。
 地元NPOがコミュニティハウスとして利用していた古民家(ハープの演奏会もありました。)前に集合。
 今、ここには、たろうさんが住んでいます。
 雑穀を生産する農家など、この地に魅せられ、東京でのサラリーマン生活に別れを告げて、この春から移住した27歳の男性。びりゅう館(後出)や地元NPOによる交流活動等を手伝っています。
 荒れ地だった古民家の庭先も耕され、畑に変わっていました。
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 着替え等を済ませ、「しごと塾」で借りている近くの畑に降ります(文字通り、山裾にある古民家から斜面を下っていきます)。
 この畑、活動を始めた頃には土が硬く、大きな石がごろごろしていたのですが、昨年12月(イルミネーションの頃です。)、芝やススキをすき込んでおいた畑の土は、だいぶ柔らかくなっていました。
 今日の最初の作業はジャガイモの植え付けです。
 地元のもりお先生、あきお先生からクワの使い方を教しえてもらいながら、まずは、畝立て(ここでは「サクる」と言います。)作業から始めました。
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 この日植え付けるジャガイモは、地元の在来種である「ネガタ」、メークイン、それに伯爵の3品種です。
 特にネガタの種イモから伸びた根は、言葉では言い表せられない美しい淡い紫色をしています。とても人の力では出せない色です。
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 この日は、参加者の方のお一人が、5歳と3歳の可愛い娘さんを連れて来て下さいました。
 大人の真似をして、重い鍬をで地面を削ります。堆肥や肥料蒔きでも積極的に手伝ってくれ、もりおさんからは、助手としてさいはらに残らないかとの(半ば本気の?)オファーが出されていました
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 イモを並べ、間に堆肥と肥料を施し、土をかぶせて植え付け作業は終了。
 みんなで歩いて、高台にある昼食会場に向かいます。
 東京よりは季節が遅いようで、途中、しだれ桜が満開です。
 清流の流れる沢を見下ろすと、ワサビの花が咲いていました。坂道を登るにつれ、山間の集落が美しい景観が姿が望まれます。
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 地元のお母さん・みちよさんご夫妻の「縁側カフェ」にお願いして、縁側の先にテーブルをしつらえ、食事を出して頂きました。
 キャラブキやズイキ、すいとん汁、大根とイカの煮付けなど。
 昼食も付き合って下さったもりおさんは、ワラビの煮物を持参して下さいました。
 山村の風景を眺めながらの昼食は、格別です。
 この日は、在来種を扱っている種屋さんの方も初参加され、種の話等で盛り上がりました。
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 お腹いっぱい、満足して畑に戻ります。
 花桃のピンク色が青空に映えます。早くも鯉のぼりが揚げられている家がありました。この地では、子どもの名前が染め出した幟が共に掲げられています。
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 午後の作業はヤーコンの植え付け。種屋さんがもってきて下さったトウモロコシも植えてみました。
 これで初日の作業は終了、地元の交流施設である「びりゅう館」に立ち寄ることに。
 久しぶりの好天の週末、ハイキングの拠点にもなっているびりゅう館は、大変な混雑だったようです。
 「せいだのたまじ」の大きな幟が立てられていました。小ぶりのジャガイモを甘辛く煮付けた郷土料理です。
 館内の直売スペースには、春らしく、コゴミ、ワラビなどの山菜も。
 玄関脇には、さまざまな雑穀が展示されています。
 それに「しごと塾さいはら通信」を掲示したコーナーも。しごと塾の参加者が、活動の内容等について分担して執筆・作成し、地元の方たちに回覧板等で読んで頂いているものです。 
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 帰る時間まで、周辺を散策しました。
 びりゅう館前の広場を始め、集落内のあちこちに、黄色や白の水仙が植えられています。
 山道に入ると、カタクリも咲いていました。
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 17時頃、宿泊組に別れを告げて車に分乗して上野原駅へ向かいました。
 宿泊組は、翌日の「じょいそーらんフェスティバル」に出店するNPOさいはらの手伝い(雑穀まんじゅう作りと販売)をする予定です。
 夜は、くまだ霜が降りるそうです。
 この日も、地元の方たちの温かいおもてなし、主催者の皆さんの手配により、楽しい時間を過ごすことができました。
 たまに都会から来る人間には桃源郷のような地ですが、典型的な中山間地、住んでいる方たちにとっては決して楽しいばかりの地ではありません。
 就業機会は乏しく、最近出産したお母さんは保育に上野原市街まで通っているというそうで、鳥獣害も深刻化しているとのこと。
 そのような中山間地と、都会の若い人たち(私のような若くないのもいますが)をつなぐ取組が、「しごと塾さいはら」です。
 2013年におけるスケジュール(予定)は以下の通りです。
  5月18日(土)~19(日) 坪山ハイキングとジャガイモの土寄せ
  6月 大豆の種まき、苗植え、土寄せ
  7月27日(土)~28日(日) ジャガイモ収穫
  8月17日(土) そばの耕起、種まき
 スケジュールは、しごと塾さいはらのウェブサイトまたはフェイスブックページにおいて、随時、掲載されています。ご関心のある方は、ぜひ一度、足を運んでみて下さい。
 懐かしい日本のふるさとに、そして貴方自身の内面にある何モノかに、出会えるはずです。
【ご参考】
 ◆ ウェブサイト:フード・マイレージ資料室
 ◆ メルマガ :【F. M. Letter】フード・マイレージ資料室 通信
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