「ふくしまから考える今、描きだす未来」

 2013年9月8日(日)は、朝から雨が降ったり止んだり。
 あんなに夏野菜等が茂っていた市民農園も、すっかり秋の気配です。隣の区画の方も、綺麗に夏の作物を片づけられています。
 私の区画はというと、相変わらず地大豆の「せんごく」(山梨県上野原市さいはら)と借金なし(秩父地方など、野口種苗研究所)は、葉ばかり茂って肝心のサヤがなかなか太りません。
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 伝統大蔵大根はだいぶ伸びてきました。
 「東京ゴマ0→1(ゼロワン)プロジェクト」H市支場のゴマは、檜原村の本場を追いかけるように伸びています。花は少なくなってきており、もうすぐ収穫です。
 落花生は実をつけ始めているようです。
 キュウリは終了。残念ながら相模半白は病気が出て収穫できませんでした。ミニトマトも裂果が多く、そろそろ終わりです。長岡巾着ナスと仙台長ナスは、もう少し。
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 目も楽しませてくれましたオクラも抜きましたが、頑丈に根を張っていることに驚きました。
 「福島ひまわり里親プロジェクト」のひまわりは、花の部分を切って袋へ。すでに種はだいぶ落ちています。
 クワで掘り返し、堆肥を入れて畝を立てるのですが、雨が強くなってきたために昼過ぎでこの日の作業は終了。
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 午後は新宿へ。しっかりと雨が落ちています。
 メトロ丸ノ内線の新宿御苑前駅から徒歩5分ほどのところにダイニングカフェカフェ「結・YUI 」があります。
130908_4_convert_20130912071909.png ここでは毎月1回、「すずめの未来市(みらいち)」という手作りのマルシェが開催されています(この日も午前11時から開催)。
 運営しているのは、国際青年環境NGO「A SEED JAPAN」の若い皆さん達。大都市・東京の中で、東京だからこそできる方法を模索しながら、有機農業を広めていく活動に取り組んでおられます。
 さらにこの日の16時からは、復興支援交流カフェ「ふくしまから考える今、描きだす未来」というイベントが開催されました。
 広いとはいえない店内は、10名少しの参加者でびっしりです。
 福島の支援に取り組む若い人たちの連携を図り、放射能に関する知識を共有しつつ、今後の活動のあり方についてざっくばらんに意見交換しようというもの。
 まず、このカフェのオーナーでもある根本二郎さんから、被災地の現状等について説明がありました。
130908_5_convert_20130912071938.png 新宿区議でもある根本さんは福島・いわき市の出身。
 かねて大久保公園での「農山村ふれあい市場」開催(第9回は9月29日(日)に予定。)など地域興しに熱心に活動しておられる方ですが、震災後は、様々な復興支援に取り組んでおられます。
 その一環として、このカフェを立ち上げられたのが今年の2月です。
 続いて、現地でのボランティア活動に取り組んでおられる方からの報告。
 国際ボランティアNGO「NICE(ナイス)」のAさん(女性)は、外国人ボランティアを含めて川内村で国際ワークキャンプを開催し、植樹や水田の草刈り等を継続的に実施しているそうです。
 外国人のモチベーションは高く、中国の方は四川大地震の時の恩返しと言っておられたそうです。
 また、文教学院大学4年のUさん(女性)は、ゼミとして定期的に郡山市の農家を訪ねて農作業ボランティア等に取り組んでおり、震災後は、大学がある埼玉・ふじみ野市の商店街で野菜を代行販売する等の活動をされているそうです。
130908_6_convert_20130912071959.png この日は原子力資料情報室の方も見えておられ、放射能に関する基礎知識等について改めて分かりやすく説明して下さいました。
 また、国際協力NGOセンター(JANIC)「福島放射線ガイドライン」も紹介されました。
 これによると、放射線に万⼈に適⽤される安全基準などはなく、「⾃分の被ばくを容認するかしないかは⾃分で決める」 のが大原則とのこと。
 後半は、今後の協力や活動についての意見交換。
 ざっくばらんに、ということで料理や飲み物が出されました。
 埼玉・小川町や福島産の有機野菜を使った料理、小川町産米のおむすびとパン、会津の純米酒など、大変美味です。
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 放射能の問題を心配しなくても日常生活が送れてしまう現状。支援に関心のない人も多い。その中で、周りの人たちに伝えていくのは難しい、との意見。
 それに対し、話だけでは説得できない。ツアーに誘うなどして現地を見てもらうのが一番、との意見も。
 二本松の若い女性の新規就農者が立ち上げた「きぼうのたねカンパニー」主催の体験ツアーに参加したが素晴らしかった、と紹介してくれる人も。
 この「福島の今を知り、私たちの未来を考える旅」は10月6日(土)、11月2~3日(土日)にも開催されるそうです。
 最後に根本さんから「今の学生は身銭を切ってボランティア活動をしている。自分が学生の時代とは大違いだ。そのような若い人たちの活動が社会を変えていくことを期待している」との発言がありました。
 19時を過ぎていったんお開き。
 ここでサプライズ、主催者のお一人・Sさん(男性)の誕生日ということで、ケーキが切り分けられました。
 その後も根本さん達と少々雑談し、失礼したのは21時過ぎ。
130908_8_convert_20130912072103.png 折しもこのこの日の未明、2020東京五輪の招致が決定しました。
 世の中は何となくふわふわとした高揚感が続きそうですが、被災地の復興のためには、立場や価値観を乗り越えて一人ひとりが被災地と繋がっていくことが必要です。
 ダイニングカフェ「結・YUI 」は、そのための東京における橋頭堡のひとつです。
 営業時間は月~金の17時から23時まで。「きじ肉」など他では食べられない珍しいものも含め、選りすぐりの食材や飲み物が待っています。
 なお、「A SEED JAPAN」では、首都圏で有機農業を知る・広めるための活動の一環として、9月27日と10月25日(いずれも金)に「丸の内さえずり館」で有機農業関連のセミナーを開催するとのことです。
【ご参考】
◆ ウェブサイト:フード・マイレージ資料室
◆ メルマガ :【F. M. Letter】フード・マイレージ資料室 通信
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