10月の「なみへい」は愛媛・西予市の特集

 今年(2013年)、10月に入ってから相次いで台風が接近。
 九州等では大雨、関東から西日本では気温が上昇しています。ここ数日、夏が戻ってきたかのようです。
 10月9日(水)は、久しぶりに神田「なみへい」へ。
 10月1日付けで異動された同僚(隣席の新旧班長さん)の歓送迎会です。
 「東京からふるさと起こし」がコンセプトのこのお店、月替わりで各地の特産品コースが頂けますが、10月は愛媛県・西予(せいよ)市の特集です。
131009_1_convert_20131010234303.png 西予市は四国の西南部に位置し、標高差1,400mに及ぶ変化に富んだ自然環境の下(「日本ジオパーク」に認定されています。)、豊かな農林水産資源(米、高原野菜、みかん等の果樹、酪農や畜産、ヒラメや真珠等)に恵まれた地域とのこと。
 また、重要伝統的建造物群のある卯之町は、幕末、シーボルトの娘・イネが暮らした町としても有名だそうです。
 ちなみに私は同じ四国・徳島の出身ですが、松山から西へは行ったことがありません。
 四国は面積は狭いながら、それなりに広く、多様性も豊かです。
 19時頃に行くと、ほぼ全てのテーブルが埋まっています。
 この日は、女性のグループが多く、何と偶然、コットン・ボラバスでご一緒している方も。
 この店はアンテナショップの役割も果たしており、店内では、西予市のほか、先月までの特産地域、福岡・筑後地方等の特産物も並べられています。
131009_2_convert_20131010234335.png
 開会の挨拶をと指名されたので、(勝手に)東北楽天イーグルス優勝の祝賀も兼ねて乾杯。
 さて、西予市からの特産品コースは、まずは旬の前菜の5点盛。
 西予産のおぼろ豆腐や塩漬け豚。豆腐は「豆道楽」(新城生産者組合)というところのものだそうです。
 西予市ではありませんが、千葉・匝瑳産のジャンボ落花生「おおまさり」も出して下さいました。
 次の野菜料理は、みがらしで食べる大野ヶ原大根
 標高1200メートルを越す四国カルスト高原にある大野ヶ原は真夏でも涼しく、夏大根とは思えない柔らかさと甘みがあります。
 これに、麦味噌をベースにした辛子味噌「みがらし」をつけて頂くのですが、歯触りもよく、さっぱりとした味です。
131009_3_convert_20131010234357.png
 魚料理は太刀魚です。バルサミコソースが添えられています。
 リアス式海岸と黒潮の影響で、宇和海産の魚は身が締まって味もいいという評判通りです。
 肉料理は「はなが牛」を使った和風牛煮込みです。
 「はなが牛」とは、飼料用米の稲ワラを与えて育てている交雑種(雌のホルスタインに雄和牛を掛け合わせる)のブランド牛とのこと。和牛より安価で品質もいいそうです。
 柔らかく、和風ですが、赤ワインとも相性が良さそうです。
 コースには入っていないのですが、サービスでクラッカーを出して下さいました。
 無茶々園のマーマレードがのせられています。この有名な有機生産者も、西予市にあるそうです。
 さらに、鍋料理として「いもたき」が出されました。
 西予地域では、夏から秋にかけて河原等で里芋を中心にした鍋を頂く習慣があるそうです。山形の芋煮のような風習が四国にもあるとは、知りませんでした。
131009_4_convert_20131010234420.png
 〆には、宇和島産釜揚げちりめん丼。
131009_5_convert_20131010234443.png イワシの幼魚を釜揚げにして天日で乾燥させた「ちりめん」が、たっぷりとご飯に乗せられています。
 デザートとして、早生温州みかんを頂きました。これは、西予市からのサービスだそうです。
 今回も、味も量も十分以上に満足。
 帰り際に、無茶々園の切干大根とひじきを求めさせて頂きました。
 箸袋ももらって帰りました。西予市の観光スポットの写真と説明が印刷されています。ちなみに割り箸は、西予市の間伐材が用いられているそうです。
131009_6_convert_20131010234518.png 地域の方達の思いと、それを伝えようとされる料理長の方、オーナーの川野さんはじめスタッフの皆さんが気持ちをこめて出して頂く料理は、いつも丁寧で優しく、心がほっこりとします。
 ここ「なみへい」に来れば、全国各地の美味しい特産品を頂けるだけではなく、地域興しに取り組んでいる、あるいは各地の地域興しに関心のある方達と会うことができ、川野さんも交えて、「顔の見える関係」で意見・情報交換できることも大きな魅力です。
 最近、都市(特に東京)と地方との間の「分断」について考えることがあります。
 食料やエネルギーの生産地である地方と、一方的な消費地である東京。東京で(私も今は一東京都民ですが)豊かで便利な生活を送っていると、その食べ物やエネルギーがどこから来ているのか、どのような人が作っているのかが見えなくなってしまいます。
 介在するのが「お金」(経済性)だけなら、より安い輸入品等が増えるのも当然です。
 原発や沖縄基地問題をも含む様々な問題の背景には、都会人の地方に対する無知・無関心があるのではないかと、自省を込めて思います。
 東京に居ながらにして、地方のことを肌で(胃袋でも)感じることができる貴重な場所が「なみへい」です。
 まだ行かれたことのない方は、ぜひ、一度、足を運んでみて下さい。
【ご参考】
◆ ウェブサイト:フード・マイレージ資料室
◆ メルマガ :【F. M. Letter】フード・マイレージ資料室 通信
(↓ランキングに参加しています。よろしかったらクリックして下さい。)

人気ブログランキングへ