図1-3 各国の食料輸入量と平均輸送距離


◆ F.M.豆知識
フード・マイレージを始めとする食や農に関わる話題について、毎回少しずつ取り上げていきます。
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5 フード・マイレージ基礎知識
(3) 輸入食料のフード・マイレージ(輸入量と輸送距離)
前回、前々回と、日本の輸入食料のフード・マイレージ(食料の輸送量×輸送距離)の概要について、米国、韓国等5カ国と比較しつつ紹介しました(2001年)。
すなわち、総量では約9000億トン・キロメートルと、韓国・アメリカの約3倍等と突出しており、1人当たりでも大きくなっていました。

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今回は、日本の輸入食料のフード・マイレージの総量が、なぜここまで突出して大きいのか、その理由について考察します。

繰り返しですが、フード・マイレージとは、食料の輸送量に輸送距離を掛け合わせた数値です。
これを、全ての輸入相手国(2001年の場合は226の国・地域から食料輸入がありました。)について計算し、合計したものが、日本が世界全体から輸入している食料のフード・マイレージとなります(約9001億t・km)。

この数値を食料輸入総量で割り戻すと、平均輸送距離が求められます。

リンク先の図3は、横軸が食料の輸入量、縦軸が平均輸送距離を表しています。
つまり、長方形の面積が、その国の輸入食料のフード・マイレージの大きさを表しています。

確かに日本の輸入食料のフード・マイレージ(長方形の面積)は、他の国に比べて突出して大きくなっています。
しかし横軸をみると、日本の食料の輸入量はそれほど多いわけではありません。人口1人当たり食料輸入量でみると、実はアメリカ以外の国は日本より多いのです。

一方縦軸をみると、比較的傾向が似ている韓国を除き、突出して長くなっています。
つまり、日本は食料の輸入大国としての特色は、輸入量の多さというよりも、むしろ、諸外国に比べて長距離を輸送されているという点にあるのです。
この背景には、極東の島国という地理的な条件もあるものの、自国の国土条件や風土にそぐわない食生活を送っていることに、主たる要因があります。

[参考]
フード・マイレージ関係資料
http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/fm-data.html

「食料の総輸入量・距離(フード・マイレージ)とその環境に及ぼす
負荷に関する考察」[農林水産政策研究 No.5, 2003]

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