図6 ケーススタディ:小松菜2(地産地消の効果)


◆ F.M.豆知識
  フード・マイレージを始めとする食や農に関わる話題について、毎回少しずつ取り上げていきます。
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5 フード・マイレージ基礎知識
(9) 地産地消の効果測定-2
 フード・マイレージ指標(食料の輸送量×輸送距離)を用いると、地産地消の取組の効果(輸送に伴う二酸化炭素排出量の削減量)を簡単に試算することができます。

 前回、「江戸東京野菜でまちづくり」)に取り組んでいる東京・小金井市を舞台に、小松菜を題材にしたケーススタディを紹介しました。
 この中では、市内産(地産地消)の小松菜を用いた場合に比べ、仮に輸入品(中国産)を用いた場合のフード・マイレージは1000倍以上、輸送に伴う二酸化炭素排出量は約200倍となることを明らかにしました。
 二酸化炭素排出量は、約36g削減されることとなります。
 http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/5_komatuna.pdf

 この削減量は、どの程度の大きさでしょうか。
 No.40(2014/03/15発行)では、家庭における取組として、「冷房の温度を1℃高く、暖房の温度を1℃低く設定する」ことにより1世帯当たり年間で約33kgが、「テレビ番組を選び、1日1時間テレビ利用を減らす」ことにより約14kgを削減できることを紹介しました。
 http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2-2_CO2_2.pdf

 これを単純に1日当たりに換算すると、「冷房の温度を1℃高く暖房の温度を1℃低く設定」することで1世帯当たり1日で約90gが、「1日1時間テレビ利用を減らす」ことで約38gが削減されることになります。

 これらに比べると、先ほどの試算における地元産小松菜を使用することによる二酸化炭素の削減量(約36g)は、それなりの量であることが分かります。

 「エコな生活」実現のためには、一般的には、暑さや寒さに耐えたり、見たいテレビをあきらめるなど、「我慢」することが求められます。
 確かにこれらの取組も重要ですが、一方で、食材の産地を意識し、なるべく地元の食材を選択する(地産地消)だけで、これら「我慢」することと比べても相当量の二酸化炭素の削減効果が認められるのです。

[参考]
 フード・マイレージ関係資料(F.M.豆知識)
 http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/fm-data.html

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