2014年3月30日(日)の第1回、4月27日(日)の第2回と開催された「食と農の会」(於シェア奥沢)では、様々な意見交換が行われました。
この会は引き続き幅広いテーマを対象に開催していくことになっていますが、特にフード・マイレージ、食の安心、食料自給率や食品ロス等の問題に焦点化し、実践に向けて議論を深めていくための分科会が設けられました。
その第1回が、8月9日(土)に開催されたのです。
69回目の「長崎被爆の日」の東京地方は曇り空、断続的に雨が落ちてくるという空模様です。
接近する台風11号の影響で、ここ数日、四国を始め全国各地に大き被害が出ています。
東京・自由が丘の閑静な住宅街の中にあるシェア奥沢では、たくさんの木槿(ムクゲ)と、一日限りのハイビスカスの花が迎えてくれました。
この日の参加者は、シェア奥沢のオーナー・堀内正弘先生、コーディネータのまこちゃんさん始め6名。
最初は少し寂しいかなと思ったのですが、かえって濃密な、地に足の着いた議論ができました。
冒頭、まこちゃんさんから、話し合うなかで色んなことが生まれてくると思う、最終的には何らかの具体的な実践につないでいきたい、との会の趣旨説明。
続いて、それぞれ参加した理由、興味のあるテーマを含めて自己紹介(チェックイン)。
世界の食料は本当は足らないのか、それとも過剰なのかということについて知りたい、という男性の方。
「いのちの種を抱きしめて」という映画をみて、小規模農家に優位性があることに興味を持ったという初参加の男性。有機農業の研修を受け、自ら群馬や山梨での作業に携わっておられる方です。
フリーのライター・編集者の女性は、生協の広報に携わった経験からイベント的な交流活動に限界を感じたこと、アンチエイジングなど健康と農業との関係に関心があるそうです。
コミュニケーションが専門のまこちゃんさんは、この会を通じて食や農に対する自分自身の心がどう動くかに、関心があるとのこと。
堀内先生からは、過去2回の会では多くの問題が提起され、一つでも次のステップに繋いでいきたいので、そのための場は提供する、との言葉がありました。
続いて、疑問点や課題等を一つ一つ洗い出していく作業。幅広い問題が提起されます。
なお、事前に参加者(参加できなかった人の分も含めて)から出されていた疑問点や意見も、まこちゃんさんがペーパーに整理して紹介してくれました。
長期的な時間軸の中で、エネルギー問題を視野に入れた議論が必要ではないか。輸送面だけではなく、ライフサイクル全体を捉える必要があるのではないか。
食品ロスの問題は分かりやすく、多くの人が共有できる切り口になるのではないか。
一人ひとりの意識や行動だけで問題が解決するのだろうか。ローカルな流通と経済効率性とのバランスをどう考えるか。
「賢い消費者」ではなく「やさしい消費者」を目指すべきではないか。
堀内先生からは、環境関係の広告の例を映写しつつ、
「正しいことを大きな声で言っても人に伝わるとは限らない。一目見てドキッとするようなものが大事。時間はかかっても、世の中を変えていけるようなものを創っていきたい」との発言がありました。
最後に本日の感想を述べ合い、次回(1ヶ月後位を目途)は各自「気になること」を持ち寄ることになりました。時間をかけても、最終的には何らかのかたちにしていこう、というのがこの日の結論です。
ちなみに「食と農の会」本体の方は、様々なゲストを呼んで勉強を続けて行くことになっており、その一環として、食や農に関わる映画の上映会も企画しています。
3時間ほどの会は、あっという間に終了。気が付くと外は暗くなっています。時折、強い雨が落ちてきます。
テーブルの資料を片づけ、みんなで調理を手伝いつつ、まこちゃんさん手製の料理が並べられました。
前菜的にスモークサーモンとオニオンスライス、ツナとポテトのサラダ、酸味の嬉しい夏野菜のカポナータ風。バゲットも添えられています。
切干大根と高野豆腐の煮物。そして素麺。最後にデザートのスイカまで。
(ちなみに私は新潟在住の知人から頂いた枝豆を持参。)
まこちゃんさん、この日の会本体の準備だげはなく、懇親会の料理まで心配りして頂いたとは。この後、この日の議論の概要を整理してグループページに投稿するという仕事も残っています。
まこちゃんさんの献身的な取り組みが無ければ、この会は成立し得ないでしょう。有難うございます。
この分科会の最終目標である実践の具体的な「かたち」は、まだ見えません。
中吊り広告のようなものか、絵本や紙芝居か、電子書籍か、映像か、はたまた創作落語か。ビールも片手に、様々なアイディアが出されました。
「ドキッ」とするものを、メンバーみんなで目指していきたいと思います。
もっとも私の年齢になれば、ドキッとした時は「ときめき」ではなく不整脈かもしれませんが(汗)。
【ご参考】
◆ ウェブサイト:フード・マイレージ資料室
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