浸透する江戸東京野菜

 2014年11月2日(日)。
 (お仕事の方もおられたでしょうが)三連休の中日、昨日の冷たい雨は上がりました。
 自宅近くの市民農園へ。綿は、まだまだコットンボールがたわわ。
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 こぼれ落ちていた蕎麦の芽が出てていたのを、畝に植え替えてみました。この季節、育つのは望めないのでしょうが。
 温海カブと雲仙コブ高菜は成長が遅く、寒冷紗をベタ掛けしてみました。
 トンネルの中の大根、キャベツ、白菜等は順調。
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 もう冬が目の前ですが、卵を抱いたクモ、小さなコガネムシなど。土を掘り返すとハサミムシも。生き物は賑やかです。
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 翌11月3日(月)・文化の日は、抜けるような青空に恵まれました。午前中から明治神宮へ。
 JR代々木駅から北参道。鳥居をくぐって紅葉が始まった森の中の道を進んでいくと、池の向こうにテントがいくつも見えます。
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 宝物殿前で昨日から開催されているのは、第43回東京都農業祭
 東京の農業を広く都民に紹介するとともに、農業者の生産技術の向上を目的として、東京都やJA東京中央会等が毎年、開催されているイベントです。
 好天にも恵まれ、すごい人出です。
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 収穫祭にはお約束の野菜の宝船。ステージでは子ども達により郷土芸能(お囃子)が披露されています。JAの皆さんによる餅つき。小動物と触れ合うコーナーもあります。
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 各ブースでは、東京農業の紹介や農林水産物等の販売も。農業高校の皆さん、JA新ふくしまも出展されています。
 花のコーナーには綺麗な花壇も。
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 ひときわ大きなテントの前に、江戸東京野菜の一つ、寺島茄子がたわわに実ったオブジェがありました。
 看板には「ナオハル・コレクション」とあります。東京・三鷹市のナス専作農家、星野直治さんが、ナスを台木にして様々なナス科作物を接ぎ木して作られたものとのこと。
 寺島茄子の旬は一般に過ぎていますが、見事に管理され目を楽しませてくれています。
 星野さんのほ場には、2年ほど前、江戸東京野菜コンシェルジュ育成協議会の講座の一環で、現地見学に伺ったことがあります。
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 テントに入ると、ここが品評会の会場でした。東京都内の生産者の皆さんが、手塩にかけた野菜等が並んでいます。
 中央のステージには、特別賞(農林水産大臣賞、東京都知事賞、明治神宮宮司賞など)を受賞された野菜や花が展示されています。素人目にも、いずれも見事な作品であることが分かります。
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 その反対側に、この日のお目当ての江戸東京野菜の特別展示コーナーがありました。
 江戸東京野菜とは、展示されていたパネルによると、「江戸期から始まる東京の野菜文化を継承するとともに、種苗の大半が自給または近隣の種苗商により確保されていた昭和中期(40年代)までの野菜、いわゆる在来種または在来の栽培法等に由来する野菜」のこと。
 2014年9月末現在で40品目が承認されています。
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 この日は、多くの生産者の皆さんの協力により20品目ほどが展示されていました。
 一度にこれだけの品目が展示されるのは、珍しいことです。
 写真に写っているのは、寺島茄子、伝統小松菜(後関晩成)、芽株(めかぶ、「足立のつまもの」の1種)、滝野川牛蒡、青茎三河島菜、金町小蕪。
 内藤唐辛子。東京長蕪(品川蕪)。
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 谷中生姜と禅寺丸柿。内藤南瓜、早稲田茗荷、馬込大太三寸人参。亀戸大根。
 多くに東京の地名がついていて、楽しくなります。
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 この江戸東京野菜の展示コーナーは人気で、見学者が引きも切らず訪れています。
 江戸東京野菜コンシェルジュ育成講座の事務局の方が説明に当たられていましたが、熱心な見学者達の質問攻めにあっていました。
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 その土地の風土や歴史と密接に結びついている伝統野菜が普及していくことは、身の回りの地域やコミュニティを見直し、大事に思う気持にもつながっていきます。
 その意味で、この日は着実に江戸東京野菜の存在が「浸透」しつつある様子が伺え、心強く感じた次第です。
 特に今回は明治神宮での展示だっただけに、浸透(神道)するのもなおさらかも。
 なお、江戸東京野菜コンシェルジュ育成講座は第4期の総合コースが開講中です。
 テントを出ると、眩しいばかりの晩秋の陽に照らされ、「五穀豊穣」と「天下泰平」の幟がはためいていました。
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追伸:
 東京都農業祭の模様は、江戸東京野菜普及の立役者・大竹道茂さんも、ご自身のブログ「江戸東京野菜通信」で詳しく紹介されています。楽しいステージもあったようてす。
 【ご参考】
◆ ウェブサイト:フード・マイレージ資料室
◆ メルマガ :【F. M. Letter】フード・マイレージ資料室 通信
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