2014年最後の「しごと塾さいはら」 @ 山梨・上野原市

 2014年の12月14日 (日)。
 赤穂浪士討入りの日は、第47回衆議院議員総選挙の投開票日でもあります(土曜日に期日前投票済み)。
 朝6時半、ようやく上り始めた朝日のなか自宅を出発、8時過ぎに山梨・上野原に到着。
 寒波到来の予報だったのですが、幸い好天に恵まれました。駅前にはバスを待つ多くの登山客が列をなしています。
 この日は、今年最後の「しごと塾さいはら」。
 山梨・上野原市西原(さいはら)を舞台に、「さいはらの手仕事を学ぶ・手伝う・伝える」活動に取り組んでいます。
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 車で来られたメンバーのMさん(足を怪我されたと聞いていたのですが、順調に回復されているようで安心しました。)に同乗させて頂き、山あいの県道を50分ほどでさいはらへ。
 山の上の青い空には雲が浮かび、清らかな小川が流れています。この日も、さいはらは優しく出迎えてくれました。
 羽置(はおき)の里・ぴりゅう館へ。脇にある水車の回りは凍っています。
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 ここは、直売所、レストラン、体験施設を兼ねた施設で、民芸品や農具、昔の消防ポンプ等も展示されています。
 館内では、郷土出身の洋画家・降矢組人(ふるや・そじん)氏の絵画展も開催されていました。
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 ここで他のメンバーと合流し、歩いて5分ほどのいつもの畑へ。
 毎回、農作業を指導して下さっている畑の先生・もりおさんが出迎えて下さいました。
 この日のメニューは「冬ぶせ」です。
 春作業に向けた土づくりの作業です。冬のうちに乾燥させた野草等を畑にすき込んでいくのですが、うまく土が天地返しされるように鍬を使うのがポイントです。
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 もりお先生が手本を見せて下さいます。最近、さいはらに移住した「たろうさん」も手を取るように教えてくれます。見ていると簡単なようですが、やってみるとなかなかう まくできません。
 土の中から太いミミズが出てきました。ここ何年か続けてきた冬ぷせ作業の成果の一つかも知れません。
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 乾燥した野草や収穫後の大豆 (茎と葉、サヤ) は、押し切り器という道具で長さ10~15cmに切断していきます。簡単な構造の道具ですか、これも力の入れ方など、ちょっとしたコツが必要です。
 指を挟まないようにと、もりお先生が何度も声をかけます。
 草と一緒に真っ二つにしてしまったカマキリの卵は、土に立てておきました。
 なかなか畝は真っ直ぐにならず、文字通り曲がりなりにも、何とか予定の面積を終了。
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 11時半頃、ぴりゅう館に戻っての次のプログラムは「需麦打ち」。
 こちらを指導して下さるのは、ぴリゅう館の書麦打ち名人・まゆみ先生です。
 水車で挽いたばかりの蕎麦には、多くの殻やゴミが混じっています。これを、荒いものから細かいものまで、順番に三段階でふるいにかけていくと、最後には白く細かなそば粉になります。
 子ども達もお手伝い。
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 これを大きな鉢に入れ、3回位に分けて水を加えながら手でこねていきます。力だけではなく技術も必要です。
 十分にこねた塊を打ち粉を敷いたテーブルに置き、手で押して丸く拡げます
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 さらに、麺棒を転がして薄く伸ばしていきます。
 これも、まゆみ先生がされているのを見ると簡単なようですが、いざ、自分でやってみると、なかなか均等な薄さになりません。
 最後に、角を出すようにして四角く延ばした生地を長方形に折り畳んでまな板の上に置き、のし板で押さえながら蕎麦切り包丁で切っていくのですが、これも一定の太さに揃えるのは至難の業。
 結局、素麺からきしめんまで、バラエティのある風味を楽しめることになりました。
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 13時を回り、お待ちかねの昼食の時間。
 打ち立てを茹でて下さった蕎麦に、人参やヤーコンの煮物、野菜の天ぷらなどを出して下さいました。自分たちで打った薔麦の味は格別です。
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 雑穀入りのおむすびも出てきました。
 さいはらでは雑穀もたくさん作られています(これも収穫や調製の手間は大変だそうです)。
 昼食後は、この一年のしごと塾の成果である大豆やジャガイモを分けてくれました。
 もっとも大豆は、自宅に持って帰って「よろげ」(ゴミ等を選別する作業)をしたものを送り返すという宿題つき。春には、これを使って味噌作りをする予定です。
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 ところで、かつてこの地区では炭焼きが盛んに行われてきましたが、近年、エネルギー事象の変化でほとんど生産されなくなっていました。
 それが、最近、使われなくなっていた窯を改修して炭焼きを復活させる動きが始まっており、さらに、新たな窯を作っているのだそうで、その現場を見学させて頂くことにしました。
 細い山道を登り下りした先の山の斜面を切り開いた場所に、地域の皆さんにより窯が作られつつあります。この日は、石を積み、粘土で固める作業が行われていました。
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 粘土を混ぜ合わせ、ボールのようにして石の間に投げつけるようにして、杭で突き固めています。
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 見学をしているうちに16時を回って、かなり冷え込んできました。山あいにあるさいはらでは、早い時間に太陽が山陰に入ってしまいます。
 車に戻り、駅に向かう途中にあるFさん宅へ。
 しごと塾の活動の最初の頃から大変お世話になっている方で、ご好意に甘えて大勢で立ち寄らせて頂きました。
 ログハウス風の広いリビングの壁際には薪ストーブ。中央には大きなこたつ。
 奥様が餅入りのぜんざい、肉じゃが、お漬け物等を出して下さいました。いつも有り難うございます。ご馳走さまでした。
 Fさん宅のイルミネーションは地域でも有名です。お土産の辛味大根まで頂いて後にしました。
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 JR上野原駅に着いたのは、とっぷりと暗くなった18時過ぎ。
 ホームに降りると、17時59分発の電車が発車を待っているのに乗車。先行の特急が小動物と衝突し安全確認したとのこと。このあたり、鳥獣害の被害も増加しているようです。
 19時過ぎに帰宅、風呂を浴びて開票速報の特番。20時を回ると同時に与党圧勝とのテロップは、新聞等の事前予想通りの結果です。なお、 投票率は戦後最低を更新したとのこと(最終的に52.66%)。
 【ご参考】
◆ ウェブサイト:フード・マイレージ資料室
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