F. M. Letter -フード・マイレージ資料室 通信- No.059

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◇◆◇ F. M.Letter −フード・マイレージ資料室通信− ◇◆◇

     No.59; 2014.12/22(土)[和暦 霜月朔日]発行

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 いよいよ押し詰まってきました。2014年最後の配信となります。

和暦では霜月に入りました。今日(12/22)は冬至、大寒です。

 

 時の流れを体感して頂くため、和暦の毎月一日(朔日=新月の日)と

十五日(ほぼ満月の日)に配信している本メルマガ、今回は霜月朔日の

配信です。

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  F.M.豆知識

  フード・マイレージを始めとする食や農に関わる話題について、毎

 回少しずつ取り上げていきます。

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6 「食と農」豆知識

(4) お米の値段について (2)他の物価との比較

 前回は、現在のお米の値段(生産者の手取り価格)が、実際に掛かっ

ているコストを下回っている状況等について紹介しました。

 

 今回は、消費者にとってのお米の値段(小売物価)をみます。

 総務省「小売物価統計調査」によると、うるち米の小売価格(東京都

区部、1kg当たり、名目値)は1965(昭和40)年時点では136円でした。

これが85年には479円、95年には522円と上昇してきましたが、2010年に

348円に下落しています。

 

 一方、食パン1斤(約400g)の値段は、この間38円(65年)、150

85年)、163円(95年)、175円(2010年)と一貫して上昇傾向にあり

ます。

 これを米の価格と比べると、1965年の時点では食パン1斤は米0.28kg

相当していたのが、2010年には0.5kgへと上昇しており、パンに対して米

の相対価格が低下していることが分かります。

 

(図18

 http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/18_bukka.pdf

 

 他の物価についても、米に換算してみましょう。

 コーヒー1杯の値段は、1965年時点では米0.53kg相当だったのが2010

には1.18kg。同じ時期にはがき1枚は0.04kgから0.14kgへ、タクシーの初

乗り運賃は0.74kgから2.04kgへ、ワイシャツ(長袖)1着は8.53kgから

9.53kgへと、いずれも上昇しています(ちなみにワイシャツは2000年頃

には米13kg相当だったのが、最近は下がっています)。

 

 これに対して、新聞の購読料(朝夕刊、1ヶ月)は、1965年の4.26kg

2010年には11.29kgへと、ほぼ一貫して上昇傾向で推移しているのです。

 

 このように、お米の値段は、他の様々な物価と比較して相対的に下がっ

てきていることが分かります。

 主食であるお米の値段が安くなること自体は、消費者にとって歓迎すべ

きことでしょう。しかし、その値段が生産者の再生産可能な水準を下回っ

ているようだと、食料の安定供給の面(すなわち、消費者の問題です。)

から問題が大きいと言わざるを得ないのです。

 

[参考]

 総務省ホームページ「小売物価統計調査」

 (主要品目の東京都区部小売価格、昭和25年〜平成22年)

  http://www.stat.go.jp/data/kouri/doukou/3.htm

 

 FM豆知識のページ(ウェブサイト「フード・マイレージ資料室」)

  http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/fm-data_mame.html

 

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  オーシャン・カレント −潮目を変える−

  食や農の閉塞感を打ち破るためのユニークな活動や、それに取り組

 んでおられる方達を紹介するコーナーです。

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 京王線・下北沢駅南口から徒歩12分ほど、お洒落な古着屋等が並ぶ繁

華街を抜けた住宅街の一角に、ふくしまオルガン堂があります。

 

 オルガンとはOrganic(オーガニック=有機)の略。

 同時に対話・交流のハーモニーを奏でる場との思いが託されています。

 

 ここは、福島と東京の人を結ぶ拠点として、福島県の有機農産物や加

工品の販売、食事の提供、交流・体験の窓口、さらには福島から東京に

避難されている方達の集う場として、20133月にオープンしました。

 

 開設・運営しているのは、NPO法人
福島県有機農業ネットワーク。

 福島県内の有機農業のさらなる発展を目指す農業者、事業者、消費者、

研究者・技術者等のネットワークです。

 

 バス通りに面した店舗の前には「んでも元気です、ふくしま」と書か

れた大きな看板と野菜等の陳列棚、それに「本日のふくしま定食」のメ

ニューが貼り出されています。

 

 野菜を中心とした福島の豊かな食材を用いた一日20食限定の定食は、

ボリュームがあり、かつヘルシーで大人気。桑の葉茶や有機ニンジン

ジュース、各種スィーツ、それに地酒や地ビールも揃っています。

 

 オープン以来110ヶ月にわたって店長を務めてこられたのが、阿部

直実さんです。

 

 神奈川・藤沢市にお住まいで、特に福島県との関わりはなかったそう

ですが、東日本大震災と原発事故後、これなら私でもできると「風評被

害」に苦しむ福島県産農産物等の販売をボランティアで手伝ううち、そ

の熱心さが認められ、乞われて店長を務めることとなられたそうです。

 

 「美味しさとともに、美味しさや安全性の背後にある生産者の努力も

きちんと伝えていきたい」と、阿部さんはおっしゃっています。

 

 その阿部さん、ご主人の海外赴任に伴い、201412月半ばで店長を退

任されることとなりました。

 1221 () には、阿部さんの送別も兼ねてオルガン堂で感謝祭が

開かれました。阿部さんの人柄を慕う多くの人達で賑わい、おでんと地

酒を楽しみました。

 阿部はじめ、多くの方たちの尽力により軌道に乗ったふくしまオルガ

ン堂。これからも福島と東京の人達を繋ぐ拠点として、ますます発展し

ていくことを期待したいと思います。

 

[参考]

 ふくしまオルガン堂

  〒155-0032 東京都世田谷区代沢4丁目44-2TEL: 03-3411-7205

  営業時間12:0018:0018時以降は5名様以上ご予約の場合営業)

  定休日 月曜、火曜

  http://fukushima-yuuki.net/organ/

 

 特定非営利活動法人
福島県有機農業ネットワーク

  http://fukushima-yuuki.net/

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  情報ひろば

  食や農に関わるセミナーや勉強会の情報、拙ブログの更新情報、各

 種イベントの開催情報等をお知らせします。

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ブログ「新・伏臥慢録〜フード・マイレージ資料室から〜」更新情報

 望年会2地域をつないでいくこと (12/07)

  http://food-mileage.jp/2014/12/07/

 

 フードマイレージ分科会 Vol.4
(12/04)

  http://food-mileage.jp/2014/12/08/

 

 ふくしまオルガン堂(下北沢)で見えたもの。(12/12)

  http://food-mileage.jp/2014/12/12/

 

 小料理・結(新宿富久町)(12/13)

  http://food-mileage.jp/2014/12/13/

 

 2014年最後の「しごと塾さいはら」 @ 山梨・上野原市(12/16)

  http://food-mileage.jp/2014/12/16/

 

 2014年最後の「共奏キッチン @ シェア奥沢(12/19)

  http://food-mileage.jp/2014/12/19/

 

 筆者が参加予定または関心のあるイベント等を勝手に紹介します。

  なお、既に満席の場合等がありますので、参加を希望される際には

 必ず事前に主催者にお問い合せ下さい。

 

 Chisako ABE初個展 @ 新橋

 日時:128日(月)11:00125日(日)17:00

 場所:元氣計画治療院(新橋駅烏森口より徒歩2分)

 主催:Chisako ABEさん

  https://www.facebook.com/events/1540275989545657/

 

 あるものから始めよう(12/22冬至。自分をほどく、静かなオンラインイベント)

 日時:1222日(月)

 場所:オンライン

 主催:共奏

  https://www.facebook.com/events/516027851873376/

 

 ミシュカの森2014「涙も笑いも力になる」

 日時:1227日(土)14:00 16:30

 場所:日比谷コンベンションホール(日比谷図書文化館)

 主催:ミシュカの森

 (詳細、お問合せ等

  https://www.facebook.com/events/402447126575586/

 

 市民研恒例のクリスマス会

 日時:1227()14:00(実践料理講座)17:30(パーティー)

 場所:アカデミー湯島(文京区湯島2-28-14

 主催:市民科学研究室

 (詳細、お問合せ等

  http://blogs.shiminkagaku.org/shiminkagaku/2014/12/1227.html

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* 本メルマガは個人の立場で配信しているものであり、意見や考え方

 の部分は筆者の個人的なもので、全ての文責は中田個人にあります。

 

* 次号No.60は明年15日(月)[和暦
霜月十五日]の配信予定です。

  今年一年、ご愛読に感謝申し上げます。

 

* 和暦については、高月美樹さん『和暦日々是好日』を参考にさせて

 頂いています(2015年版も発売中)。いつもありがとうございます。

  http://www.lunaworks.jp/

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 F. M. Letter −フード・マイレージ資料室 通信−【ID;0001579997

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  発行者:中田哲也

http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/