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◇◆◇ F. M.Letter −フード・マイレージ資料室通信− ◇◆◇
No.61; 2015.1/20(火)[和暦 師走朔日]発行
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2015年1月も半ば。もっとも、和暦ではようやく師走です。
今日は二十四節気の「大寒」。1年で最も寒い季節、全国的にインフル
エンザも流行しています。皆さま、どうぞご自愛ください。私もちょっ
と風邪気味です。
時の流れを体感して頂くため、和暦の毎月一日(朔日=新月の日)と
十五日(ほぼ満月の日)に配信している本メルマガ、今回は師走朔日の
配信です。
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◆ F.M.豆知識
食や農について、(特に消費者にとって)ちょっと役に立つ、あるいは
考えるヒントになるような話題を、毎回こつこつと取り上げています。
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今回は、趣向を変えてクイズです。
以下にあげたものの、共通点は何でしょうか。
○ ご飯 一膳
○ 食パン(4つ切り) 3分の2枚
○ カップ麺 4分の1個
○ いちご 1個
○ ミニトマト 1個と半分
○ みかん 4分の3個
○ チョコレート菓子(ポ○キー)7本
○ ガム 3枚
○ 缶コーヒー 3分の1本
○ ビール 8分の1本
○ タバコ 3本
○ 携帯電話で、 1分半通話
○ 居酒屋さんで、 2分だけバイト
答えは、↓
http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/19_kuizu.pdf
はい。これらの値段は、みんな約30円です。
ご飯一膳分のお米は約65g。5kgで2000円のお米なら約26円。炊飯のエ
ネルギーや手間を考えると、約30円といったところ。
他の商品等も私が近所のスーパー等で購入したもの等なので、品物や
店舗によって違いがあると思います。
ちなみにビールは見栄を張ってエ○スの写真ですが、普段は発泡酒を
美味しく頂いていることを申し添えます(この場合は4分の1本くらい)。
高いか安いか、どう感じるかは、もちろん、それぞれの人の価値観に
よります。
ただ、注目したいのはバイト代との関係。
かつて米は主食で、米価格の動向は庶民にとって死活問題でした。
現に大正時代には、米価格が急騰したために各地で暴動(米騒動)さえ
起こっています。
ところが、現在は米の消費量が大きく減ったことと相まって、1年間で
消費する米(56kg)の代金は、約25時間(1日8時間なら4日とちょっと)
バイトすれば稼げる計算となっています。
今の非正規雇用の賃金が十分な水準にあるはずはないのですが、それ
と比べても、相対的に米の値段は安いと言えるのではないでしょうか。
[参考]
農林水産省「米をめぐる関係資料」(p.24に「茶わん1杯のお米の値段」)
http://www.maff.go.jp/j/seisan/kikaku/pdf/sankou_siryo4.pdf
FM豆知識のページ(ウェブサイト「フード・マイレージ資料室」)
http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/fm-data_mame.html
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◆ オーシャン・カレント −潮目を変える−
食や農の分野について、先進的かつユニークな活動に取り組んでおら
れる方達を紹介させて頂きます。
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菅野瑞穂(すげの・みずほ)さんは1988年福島県の生まれ。
東京の日本女子体育大学を卒業後、故郷の二本松市東和地区に戻り、
お父様(福島県有機農業ネットワーク・菅野正寿理事長)のもとで就農
されました。
その翌年3月に東日本大震災と東電福島第一原発の事故が発生。
東和地区は原発から45kmほど離れ、間に標高1000メートル近い山地も
あって、深刻な放射能汚染を蒙ることはありませんでした。
しかし、事故後の消費者の不安感は大きく、福島県産農産物の売上げ
は大きく減少し、いわゆる風評被害に悩まされることとなりました。
事故直後は、情報不足等から瑞穂さん自身も不安感が強く、3月下旬に
は10日間ほど東京等に避難されたそうです。しかし、今、自分は何がで
きるかと自問した末に覚悟を決め、家に戻ってご両親や地域の人たちと
話し合い、ともに「種を播く」ことを決意されたのでした。
この時、地域では、独自に放射能検査機を導入するとともに、大学の
研究者等と連携して地区内の全ての農地や水路の線量を測定して「放射
能汚染マップ」を作成する等の活動にも取り組むこととなりました。
(結果として、ほとんど全ての農作物でセシウムは検出限界以下でした。
長年、有機農業に取り組んできた東和地区の粘土質の土壌は、セシウム
を吸着し、作物への移行を抑制するメカニズムがあることも明らかに
なったのです。)
そのようななか、もともと就農当初から「地域と都市のつながり」を
広げていきたいと考えていた瑞穂さんは、原発事故に怖いイメージを抱
いている都会の消費者等に、東和地区の実態を正しく伝えたいという思
いがますます強くなっていったそうです。
そして2013年3月、「きぼうのたねカンパニー株式会社」を自ら設立・
起業されました。
その事業の柱の一つが、「人と自然をつなぐ体験」と題するワーク
ショップです。
福島や被災地を訪ねることは、都会の消費者等にとってハードルが高
くなりがちです。しかし、実際に自分の目で見て、農業を体験し地元の
方達と交流することによって、地域の実態を本当に理解してもらえると、
瑞穂さんは考えておられるようです。
現在は、大手旅行代理店ともタイアップし、年に何度もツアーを開催
していますが、毎回、若い女性を中心に満員になるほどの人気だそうで
す。
去る1月11日に新宿で開催された「結イレブン」に、お母様とともにゲ
ストとして参加された時には、参加人数を増やすよりも、より満足して
もらえるように、質を充実させていきたい」と話されていました。
また、地域の農産物や加工品(放射能検査済み)の直売や農家民宿等
にも取り組んでおられます。
「種をまくことにより、人が集まり、人と自然がつながる。そんな空
間を創っていきます。」
きぼうのたねカンパニーのホームページには、このように瑞穂さんの
決意が記されています。
参考
きぼうのたねカンパニー株式会社
菅野瑞穂さんブログ
「農家娘の日々。〜福島の大地にきぼうのたねをまく〜」
http://ameblo.jp/yunosato-farm/
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◆ 情報ひろば
拙ウェブサイトやブログの更新情報、食や農に関わる各種イベント
の開催情報等をお届します。
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▼ブログ「新・伏臥慢録〜フード・マイレージ資料室から〜」更新情報
○ 平穏に2015年が明けました。
(01/04)
http://food-mileage.jp/2015/01/04/
○ 脱成長ミーティング・公開研究会「TPPと平和経済学」
(01/14)
http://food-mileage.jp/2015/01/14/
○ 結イレブン「ふくしま、しんじゅく つぎの一歩」(01/17)
http://food-mileage.jp/2015/01/17/
▼ 筆者が参加予定または関心のあるイベント等を勝手に紹介します。
なお、既に満席の場合等がありますので、参加を希望される際には
必ず事前に主催者にお問い合せ下さい。
○ Chisako ABE初個展 @ 新橋
日時:12月8日(月)11:00〜1月25日(日)17:00
場所:元氣計画治療院(新橋駅烏森口より徒歩2分)
主催:Chisako ABEさん
https://www.facebook.com/events/1540275989545657/
○ 銀座農業政策塾/第4期/プレ講座
「食と農に興味のある人のためのTPP、農協改革、企業参入」
日時:1月21日(水)19:00〜21:30
講師:蔦谷栄一さん
(農林中金総研客員研究員、農的社会デザイン研究所代表)
場所:銀座会議室三丁目(中央区銀座3-7-10 松屋アネックスビル)
主催:NPO法人農業情報総合研究所、NPO法人銀座農業環境イニシアティブ
(詳細、お問合せ等↓)
http://kansyokunouken.seesaa.net/article/410821907.html
○ 小学生と大学生がお米について一緒に考えるワークショップ第3回
日時:1月24日(土)13:00〜14:30
参加対象:小学3〜6年生(保護者の方も見学可)
場所:東京農業大学「食と農」の博物館(世田谷区上用賀2-4-28)
主催:NPO法人農業情報総合研究所
(詳細、お問合せ等↓)
http://kansyokunouken.seesaa.net/article/410622385.html
○ 吉田俊道さん講演会 in 国立
日時:1月31日(土)15:30〜18:30
参加対象:小学3〜6年生(保護者の方も見学可)
場所:やまもりカフェ(国立市谷保5119)
主催:母めし健康食堂(株)、東京NEO-FARMERSやまもりゼミ
(詳細、お問合せ等→株式会社やまもり・広報)
○ 第一回『落語&ジャズ』の会
日時:2月1日(日)13:00〜15:00
参加対象:小学3〜6年生(保護者の方も見学可)
場所:SOL BIANCA(渋谷区桜丘町8-17 シャレー渋谷)
主催:SOL BIANCA
(詳細、お問合せ等↓)
https://www.facebook.com/events/817113955015705/
○ 第13回も・の・が・た・り展−テーマ「ビ————-ム」
日時:2月11日(水)〜15日(日)
場所:目黒区美術館
区民ギャラリー(JR目黒駅から徒歩10分)
主催:NPO法人
子ども未来研究所
(詳細、お問合せ等↓)
http://www.cof.or.jp/event.html
○ 南相馬EXPO×首都圏学生ツアー
日時:2月14日(土)7:00〜15日(日)19:00、東京発着
場所:福島県南相馬市
(大学生であれば、どなたでも参加できます。)
主催:ランドブレイン株式会社(南相馬市事業受託者)
(詳細、お問合せ等↓)
https://www.facebook.com/events/1401358606827678/
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* この季節のOL二人の会話。
「肌がカサカサだわ」
「まるで、デビュー作を出版したばかりの新人作家の気分みたいね」
「えっ、なんで」
「感想(乾燥)が気になるもの」
* 次号No.62は、2月3日(火)[和暦
師走十五日]の配信予定です。
* 和暦については、高月美樹さん『和暦日々是好日』を参考にさせて
頂いています。いつもありがとうございます。
* 本メルマガは個人の立場で配信しているものであり、意見や考え方
の部分は筆者の個人的なもので、全ての文責は中田個人にあります。
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F. M. Letter −フード・マイレージ資料室 通信−【ID;0001579997】
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◆ 発行者:中田哲也
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