◆ F.M.豆知識
食や農について、(特に私たち消費者にとって)ちょっと役に立つ、あるいは考えるヒントになるような話題を、毎回こつこつと取り上げていきます。
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今回からは、最近、エンゲル係数(消費支出に占める食料費支出の割合)が上昇しつつある背景について考察していきます。
支出額とは「消費量×価格」。今回は価格に着目します。
総務省『消費者物価指数』によると、食料の消費者物価指数(2010年=100)は、1970年の32.3からほぼ一貫して右肩上がりで推移し、1998年には100.8となりました。
これは、経済が高度成長し所得が増大する中で、他の物価と同様、食料の消費者物価も上昇してきたことを示しています。
その後、2000年に入ることから、いわゆるデフレ経済の下で食料の価格はやや低下し、2005年には96.8となりました。ところが、2000年代後半以降はじりじりと上昇基調に転じています。
これは、総合指数(物価全体)が2013年までデフレ傾向で継続したのと対照的です。
なお、2014年には消費者物価指数が跳ね上がっていますが、これは消費税率の引き上げ(5%→8%)の影響です。ただし、食料品の物価指数(99.6→103.4)はそれ以上に上がっています。
この動きが、グラフにある通り、エンゲル係数が上昇に転じた時期とぴったり合うのです。
エンゲル係数の上昇の一つの要因は、最近の食料品価格の上昇にあることは間違いありません。
ちなみに、エンゲル係数が上昇に転じる前の2005年と2014年について消費者物価指数の上昇率をみると、消費者物価全体では2.4%上昇しているのに対し食料品は6.8%上昇しています。
特に上昇率が大きいのは生鮮野菜(14.0%)、生鮮果実(12.1%)のほか、パン(11.0%)、小麦粉(26.2%)、肉類(10.4%)、マーガリン(49.8%)、マヨネーズ(12.6%)、チョコレート(32.7%)等も大きく上昇しています。
それでは、近年、なぜ食料品の価格が上昇しているのでしょうか。
次回に続きます。
[参考]
総務省『消費者物価指数』(長期時系列データ、品目別、全国、年平均)5. 長期時系列データ(年)、農林漁家世帯を除く結果)
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?bid=000001033700&cycode=0
FM豆知識のページ(ウェブサイト「フード・マイレージ資料室」)
http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/fm-data_mame.html
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