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◇◆◇ F. M.Letter −フード・マイレージ資料室通信− ◇◆◇
No.66; 2015.4/3(金)[和暦 如月十五日]発行
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カレンダーは新年度に入りました。
読者の皆様の中にも、新たな道を歩み始めた方も多くいらっしゃるこ
とと思います。ご活躍をお祈りします。
もちろん(私のように)あまり変化のなかった方も頑張りましょう。
時の流れを体感するため、和暦の毎月一日(朔日=新月の日)と十五
日(ほぼ満月の日)に配信している本メルマガ、今回は如月十五日の配
信です。
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◆ F.M.豆知識
食や農について、(特に私たち消費者にとって)ちょっと役に立つ、
あるいは考えるヒントになるような話題を、毎回こつこつと取り上げて
いきます。
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今回からは、最近、エンゲル係数(消費支出に占める食料費支出の割
合)が上昇しつつある背景について考察していきます。
支出額とは「消費量×価格」。今回は価格に着目します。
総務省『消費者物価指数』によると、食料の消費者物価指数(2010年
=100)は、1970年の32.3からほぼ一貫して右肩上がりで推移し、1998年
には100.8となりました。
これは、経済が高度成長し所得が増大する中で、他の物価と同様、食
料の消費者物価も上昇してきたことを示しています。
http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/24_CPI.pdf
その後、2000年に入ることから、いわゆるデフレ経済の下で食料の価
格はやや低下し、2005年には96.8となりました。ところが、2000年代後
半以降はじりじりと上昇基調に転じています。
これは、総合指数(物価全体)が2013年までデフレ傾向で継続したの
と対照的です。
なお、2014年には消費者物価指数が跳ね上がっていますが、これは消
費税率の引き上げ(5%→8%)の影響です。ただし、食料品の物価指数
(99.6→103.4)はそれ以上に上がっています。
この動きが、グラフにある通り、エンゲル係数が上昇に転じた時期と
ぴったり合うのです。
エンゲル係数の上昇の一つの要因は、最近の食料品価格の上昇にある
ことは間違いありません。
ちなみに、エンゲル係数が上昇に転じる前の2005年と2014年について
消費者物価指数の上昇率をみると、消費者物価全体では2.4%上昇してい
るのに対し食料品は6.8%上昇しています。
特に上昇率が大きいのは生鮮野菜(14.0%)、生鮮果実(12.1%)の
ほか、パン(11.0%)、小麦粉(26.2%)、肉類(10.4%)、マーガリ
ン(49.8%)、マヨネーズ(12.6%)、チョコレート(32.7%)等も大
きく上昇しています。
それでは、近年、なぜ食料品の価格が上昇しているのでしょうか。
次回に続きます。
[参考]
総務省『消費者物価指数』(長期時系列データ、品目別、全国、年平
均)5. 長期時系列データ(年)、農林漁家世帯を除く結果)
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?bid=000001033700&cycode=0
FM豆知識のページ(ウェブサイト「フード・マイレージ資料室」)
http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/fm-data_mame.html
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◆ オーシャン・カレント −潮目を変える−
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さる3月31日(火)、新たな「食料・農業・農村計画」が閣議決定され
ました。
この計画は、「食料・農業・農村基本法」(注:1999年、旧「農業基
本法」に代わる法律として施行)に基づき、食料や農業、農村に関する
施策を総合的・計画的に推進するため、5年ごとに策定されているもので
す。
2014年1月以降、各分野の有識者から構成される食料・農業・農村審
議会企画部会が17回開催され、現地調査や地方意見交換会も経て策定さ
れました。
今回の新たな基本計画は、日本の農業・農村が、経済社会の構造的な
変化に的確に対応し、その潜在力を最大限発揮しながら、将来にわたっ
てその役割を担っていけるようにするための指針として位置づけられて
います。
そして、農業や食品産業の成長産業化を進める産業政策と、農業・農
村の多面的機能の発揮を進める地域政策とを、いわば「車の両輪」とし
て推進していくことが基本とされています(巷間、言われるように、農
業政策の方向は規模拡大一辺倒、という訳ではありません)。
食料自給率の目標(2025年)については、実現可能性を考慮して、カ
ロリーベースで45%(2013年39%)、生産額ベースで73%(同65%)と
定められました(これも巷間、言われるように、カロリーベースばかり
偏重している訳ではなく、従来同様、自給率目標は生産額ベースとの二
本立てとなっています)。
また、初めて食料自給力指標(潜在生産能力)が示されました。
これは、食料自給力の現状や過去からの動向について認識を共有する
ことにより、食料安全保障について国民的議論を深めることがねらいで
す。
さらに計画では、食料自給率目標を達成していくために必要な施策と
して、食品の安全と消費者の信頼確保、食育や地産地消の推進、6次産業
化、担い手の育成・確保、農村への移住・定住の促進等を掲げています。
ところで、この計画を的確に推進していくためには、農業関係者の努
力だけでは不可能です。
計画においても、「国民全体で改革の必要性や施策の方向について認
識を共有し」「広く国民が農業・農村の価値を認め、それぞれの役割に
応じて適切に行動し、国民共有の財産として次世代に引き継いでいくこ
とが重要」とされているところです。
言うまでもなく、食料は生命を維持するため一日も欠かすことのでき
ない基礎的な物資であり、それを供給する農業・農村は、私たちの社会
を支える多面的な役割を果たしています。
政治や行政、生産者だけではなく、消費者も、より豊かな食の実現に
向けて、自ら主体的に考え取り組んでいくことが求められているものと
考えます。
(参考)
食料・農業・農村計画について(概要)
http://www.maff.go.jp/j/keikaku/k_aratana/pdf/2_keikaku_gaiyou.pdf
食料・農業・農村計画(閣議決定本体)
http://www.maff.go.jp/j/keikaku/k_aratana/pdf/1_27keikaku.pdf
食料・農業・農村審議会 委員名簿
http://www.maff.go.jp/j/council/seisaku/29/pdf/150316_honshin_meibo.pdf
同・企画部会 委員名簿
http://www.maff.go.jp/j/council/seisaku/29/pdf/150321_kikaku_meibo.pdf
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◆ 情報ひろば
拙ウェブサイトやブログの更新情報、食や農に関わる各種イベント
の開催情報等をお届します。
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▼ブログ「新・伏臥慢録〜フード・マイレージ資料室から〜」更新情報
○ 脱成長ミーティング「置賜自給圏構想」 (03/22)
http://food-mileage.jp/2015/03/22/
○ 春がまた来るたび (03/30)
http://food-mileage.jp/2015/03/30/
▼ 筆者が参加予定または関心のあるイベント等を勝手に紹介します。
なお、既に満席の場合等がありますので、参加を希望される際には
必ず事前に主催者にお問い合せ下さい。
○ 夏野菜の種まきと土寄せ、溝づくり
日時:4月11日(土)10:00 東武東上線小川町駅集合
場所:埼玉・小川町
主催:US.Peace ファーム
(詳細、お問合せ等↓)
http://uspeace.jp/user_data/event.php
○ いざ!開墾!檜原村の東京ゴマ01畑へ行こう!
日時:4月11日(土)10:30
場所:東京ひのはら村ゲストハウス
へんぼり堂(西多摩郡檜原村人里1839)
主催:グリーンスマイル
(詳細、お問合せ等↓)
https://www.facebook.com/events/320627281462714/
○ POCO A
POCO 農園さんで種まき&ヨモギ摘み
日時:4月11日(土)10:49 JR水郡線静駅
場所:POCO A POCO 農園(和知さん、茨城・那珂市)
主催:週末農風
(詳細、お問合せ等↓)
https://www.facebook.com/events/1598824487000155/
○ 新宿と福島を結ぶカフェイベント「結イレブン」
−ふくしま×ワカモノ×みらい in アースデイ東京2015 事前交流会−
日時:4月11日(土)16:00〜19:00
場所:ふくしまオルガン堂下北沢(世田谷区代沢4丁目44−2)
主催:すずめの未来市
(詳細、お問合せ等↓)
https://www.facebook.com/events/467455276741047/
○ ジャーナリズムとヒューマニズム
−報道被害から考える「世田谷事件」報道をきっかけとして
日時:4月25日(土)14:00〜16:30
場所:上智大学(千代田区紀尾井町7-1)
主催:入江杏さん(ミシュカの森)
(詳細、お問合せ等↓)
https://www.facebook.com/events/936351003049928/
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* 「桜の季節になると、お餅を食べたくなるね」
「えっ、なんで?」
「『そのきさらぎの餅好き(望月)のころ』だもの」
* 次号No.67は、4月19日(日)[弥生朔日]の配信予定です。
* 和暦については、高月美樹さん『和暦日々是好日』を参考にさせて
頂いています。いつもありがとうございます。
* 本メルマガは個人の立場で配信しているものであり、意見や考え方
の部分は筆者の個人的なもので、全ての文責は中田個人にあります。
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F. M. Letter −フード・マイレージ資料室 通信−【ID;0001579997】
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◆ 発行者:中田哲也
http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/