2015日4月4日(土)。
1週間前の天気予報は雨模様で気を揉んでいましたが、当日は曇り空。何とか保ちそうです。
多摩湖自転車道を東へ向かいます。
ソメイヨシノは満開を過ぎて散り初め。
名残を惜しむ多くの人たちが歩いて、あるいは自転車で、はたまたローラースケートで過ぎていきます。
13時30分ころ、西東京市新町の住宅街にある「和のいえ 櫻井」です。
コミュニティ再生のため古民家を改修し、イベント等への貸し出しのほか、高齢者のデイサービスや学童保育に使われている施設とのこと。
旗がめぐらされた門柱には、手書きの「タカ ♥ ゆいこ おひろめ会」の看板。
タカさんとゆいこさんから、「4月4日、わたしたちふたりのオヒロメ会をつくってください ~和歌山ゆきとケッコンの報告を古民家で~」への招待を頂いていたのです。
ちなみにこの日の会費は「お気持ち制」。額は設定せず、そのひとの思う額(気持ち)を会場の「ポスト」に入れて下さい、とのこと。
そして「恩返し」ではなく「恩送り」。頂いたお金は、また別の誰かへ恩送りさせていただきます、とあります。
この辺りにも、お2人のこだわりがあります。
敷地に入ると広い庭。小さな畑もあります。
正面にどっしりとした母屋。左手には蔵もあります。その奥には、ツリーハウス(?)まであります。
庭には色とりどりの草花。
シラユキゲシ、ハナニラ、スミレ、ムラサキケマンなどが咲き誇っています。
新郎新婦と交流のあった人達による手作りのパーティーは、15時のスタートに向け、庭のあちらこちらで準備が始まっています。
雑貨屋さん、ベーグル、ハンガリーの蜂蜜、苔玉等も出店されています。
タカさんが企画・運営されていたスローマーケットの常連さんもおられます。
新婦・ゆいこさんは、山梨・上野原市の西原(さいはら)地区を舞台にした「しごと塾さいはら」(農作業、蕎麦打ち、竹かご作り等の手仕事を学び伝えるプロジェクト)を献身的に運営してこられた方。
この日は、しごと塾のメンバーも10名ほど参加しています(私もその一人)。
お祝いに餅つきを企画しました。杵や臼は、会場近くのお米屋さんが貸して下さったものです。
羽釜で餅米を蒸し、2臼分ほどついて、きな粉や小豆餡をまぶします。残る一臼分は、後のイベント用とのこと。
国分寺のカフェスローからお料理も届きました。
「しごと塾」メンバーが持参した料理も並べました。
熱いけんちん汁を準備して下さったグループもあります(この日は肌寒かっただけに、いっそう美味しかったです)。
そうこうしている内、母屋で開かれていた親族の皆さんによる披露宴は終了したようです。
ご一同、庭に出て来られて記念撮影。
新郎新婦の輝くような、少しはにかんだような笑顔が印象的です。
そして15時過ぎ、いよいよ手作りパーティーのオープニング。
まずは主賓であり、おヒロメ会の主催者でもあるお2人からの挨拶。
そして新郎新婦の最初の共同作業は、餅つきです。農業に関心の深いお2人にお似合いです。
続いて母屋では、2人が移住する和歌山の紹介。
その後、庭では懇談の時間。順次、参加者からお2人に贈る言葉など。
「しごと塾さいはら」を代表してMさんから、お祝いの言葉と、毎月、Mさんが中心になって作成している「さいはら通信」特別号(お2人へのメッセージ特集)を贈呈。
お借りした母屋の一室では、「しごと塾さいはら」の活動内容の写真とともに、さいはらで教えてもらって作った竹かごやわらじの展示。
そして、手作りの「さいはらカルタ」(文句はメンバー全員で考え、Mさんが写真を元に札を作って下さいました。)を実演。子ども達に好評でした。
この間、蔵では物々交換会が行われていました。
「おカネとの交換」以外の関係性も考えたい、というタカさんの発案です。
参加者は「おうちで眠っているもの」を持ち寄り、ちょっとしたエピソードを書いたカードを添えて並べ、それぞれ、気に入ったものと交換し持ち帰りました。
壁には、2人へのメッセージカードも貼られています。
また、母屋ではヤマザキヤマトさんのライブが開催されていました。
鍋をひっくり返したような不思議な楽器が、何とも暖かい、優しい澄んだ音色を奏でていました(後日、調べるとハングという楽器だそうです)。
パーティーも終わりに近づいてきました。
庭では、「はなこりあ」による「よさこいアリラン」と韓国舞踊のパフォーマンス。
Sさんもメンバーとして活動されていたそうで、この日も飛び入り。最後は仲間に囲まれて祝福されていました。
そしてプログラムの最後は、「幸せハッピー」をみんなで歌い、輪になって踊りました。
盛りだくさんで楽しかったパーティーも、とうとうエンディング。
タカさんからの最後の挨拶は、「ありがとう、しかありません」と感極まった一言だけ。
18時を回って暗くなり、肌寒さが身に染みるなか、お2人は最後まで参加者を見送り、一人ひとりに小さな「引き出物」(手作りの小箱)を渡してくれました。
準備を含めて大変だったと思いますが、最後まで2人らしい笑顔が途切れることはありませんでした。
お疲れさまでした。
夜桜の下を自転車で帰宅。
手作りの小箱を開けてみると、中身は「蒔いてよし、食べてよしの紅白お豆」。
添えられているメッセージカードによると、小豆も大豆も、さいはらの在来種。特に小ぶりの大豆「せんごく」は、地元の77歳の農家の方が毎年、つないできた在来種とのこと。育て方や食べ方の説明もあります。
ちなみに「しごと塾さいはら」では、今年もせんごくを育て、味噌づくりを行う予定です。
ところで2人は、5月頃に和歌山に移住する予定とのこと。
この日、頂いたパンフレットには、その理由や経緯が書かれていました。
もっと身近に「木」を活用できないかと2人で考えていた時、ひらめいたのが「木桶」。ところが調べてみると職人さんは全国で数えるほど。和歌山の山間部に80歳を超えてなお現役の方がおられることが分かり、早速会いに行ったそうです。
そして、真摯に木桶に向かう姿勢とお人柄に魅了され、また、出逢った初対面の方達の親切に感激し、さらには棚田や森の風景にも心動かされて、ついに移住する決心をされたとのこと。
移住後は自然あふれる環境の中で、木桶づくりを学びつつ、農業に携わる「自給自足」の生活をされるとのこと。
ゆいこさんには、おむすび屋さんを開くという夢もあります。すぐ近くを世界遺産にもなった熊野古道が通じているそうです。
限界集落という嫌な言葉があります。
また、少子高齢化の進行により、地方の中山間地を始めとする多くの自治体が「消滅」するという予測さえあります。
その一方で、かつてのような経済の高度成長が望めず、逆に成長の負の部分が明らかになり、東日本大震災等も経験して、地方や農山村、あるいは農林漁業に対して新しい価値を見出す人が増えています。
タカさんとゆいこさんは、正にその先がけ。
お2人が地方に移住して「丁寧な暮らしを作り」(タカさん)、ご家族も増えていけば(私の期待)、歪んでしまったこの国のかたちを是正することに、多少なりとも貢献することは間違いありません。
もっとも日本の将来はともかく、お2人には新天地で、ぜひ楽しく暮らして頂ければと祈念しています。
もちろん、お2人のお人柄ですので心配はしていませんが。
ところでこの日、花嫁が手にしていたブーケには、さいはらの稲穂があしらわれていました。
これも友人の手作りだそうです。お2人の門出にふさわしい花束でした。
タカさん・ゆいこさんの未来に幸多かれと、祈ります。
【ご参考】
◆ ウェブサイト:フード・マイレージ資料室
◆ メルマガ :【F. M. Letter】フード・マイレージ資料室 通信
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“タカさん♥ユイコさん「和歌山ゆきとケッコンのおヒロメ会」” への1件の返信
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なんだかファンになっちゃいました(^∀^)
わたしですね…このところついてなくて(汗)
すべり台を滑っても滑ってもゴールが無い感じなんて言えば少しは伝わりますか?
ものすごい急降下中なんです。。
そんなこんなで色んなブログ読み漁ってたらここで足が止まりました(人´∀`)不思議と心惹かれたんです。
中田哲也さんも色んな時間を過ごされてるんですよね。きっと。。
急なお願いで戸惑わせてしまうかもしれませんが
話し込んでみたいというか話しを聞いてもらえたらって気持ちを持たずにはいられなかったんです(`▽´)
連絡してくれたら有難いです。
もしも迷惑であればコメントごと私のこと消してください。