図36 肉類に対する支出額(都道府県庁所在地)


◆ F.M.豆知識
 食や農について、(特に私たち消費者にとって)ちょっと役に立つ、あるいは考えるヒントになるような話題を、毎回こつこつと取り上げていきます。
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 前回は、総務省『家計調査』により都道府県庁所在地ごとの「主食」(米、パン、カップめん等)に対する世帯員1人当たり消費額をみたところ、米の消費が一番多いのは静岡でした。
 http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/35_todoufuken.pdf

 私はちょっと意外だったのですが、ある読者の方から「日常茶飯」という言葉どおりとの指摘を頂き、なるほどと思った次第です(お茶に対する支出額も静岡市は全国一です)。

 また、パンに対する支出額は京都、神戸、奈良等の近畿地方が多く、カップめん等については秋田や山形といった東北地方で相対的に多く消費されているなど、主食の消費パターンには地域差が大きいことが明らかになりました。

 今回は、肉類に着目します。
 リンク先の図36は、2014年における世帯員1人当たりの牛肉、豚肉、鶏肉に対する消費支出額を都道府県庁所在地別に示したものです。

 このグラフをみると、肉類の消費パターンは主食以上に地域差が大きいことが分かります。
 まず、牛肉については西日本、特に近畿地方で多く消費されているという特徴がみてとれます。ちなみに消費額上位3都市(1位、2位、3位)は、大津(滋賀)、京都、和歌山で、下位3都市(45位、46位、47位)は福島、盛岡、新潟となっています。

 豚肉への支出額は牛肉ほど大きな地域差はみられませんが、総じて東日本で多く消費されています(上位:札幌、横浜、埼玉。下位:前橋、福井、鳥取)。
 鶏肉については、相対的に近畿や九州など西日本での消費が多くなっています(上位:神戸、京都、静岡。下位:前橋、那覇、新潟)。

 肉類の消費パターンはかなり標準化されてきたと言われていますが、それでも、東日本は豚肉中心、近畿など西日本は牛肉中心など、依然として大きな地域差がみられるのです。

(ちなみに、徳島出身の筆者は30数年前、新採直後に札幌に赴任した経験があるのですが、独身寮のすき焼きが豚肉だったことに驚いたという思い出があります。美味しかったですが。)

[出典等]
 総務省「平成26年家計調査」(都市階級・地方・都道府県庁所在市別1世帯当たり支出金額、購入数量及び平均価格、2人以上の世帯)
  http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001135068

 FM豆知識のページ(ウェブサイト「フード・マイレージ資料室」)
  http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/fm-data_mame.html

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