江戸落語を聴いて江戸東京野菜を食べよう @高円寺・うおこう

 2016年2月14日(日)。
 前夜から明け方にかけて凄い雨音。朝には雨は上がりましたが、強い風です。気温も上昇。「春一番」を記録したそうです。
 自宅近くに借りている市民農園も、だいぶ様相が変わってきました。
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 何度かの降雪も経ましたが、ホウレン草や伝統小松菜は引き続き青い葉。大蔵大根や東京長カブも引き続き収穫時。白菜は、外皮は雪にさらされ腐ってしまったようですが、中はどうでしょうか。ブロッコリは花を咲かせそうです。
 そろそろ春作業に取りかからないと。
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 さて、この日の午後は東京・高円寺へ。
 この日は、恒例(6回目)になった「高円寺演芸まつり」の最終日。たくさんの人が行き交う庚申通りにあるのが鮮魚居酒屋・うおこうです。
 街じゅうを図書館にするWEBサービス・リプライズの幟も。
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 うおこうで14時から開催されたのは、「江戸落語を聴いて江戸東京野菜を食べよう」。
 出演は立川流の若き鬼才・立川吉笑(きっしょう)さんと、江戸東京・伝統野菜研究会の大竹道茂さん
 これも恒例の、落語と江戸東京野菜のお話(プラス食事会)とのコラボ企画です。
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 主催者である松井つるみさんから開会の挨拶。
 うおこうの女将にして江戸東京野菜コンシェルジュでもある松井さん、様々な活動に積極的に取り組んでおられます。
 そして吉笑さんの一席目。
 まず、マクラで昨年末に出版された『現在落語論』をネタに笑わせてくれました。
 師匠(談笑)の師匠・談志の『現代落語論』からちょうど半世紀、当時の家元と同じく30歳前後で本を出版されたそうです。
 その吉笑さんは2010年に落語家になって6年目とのこと。
 6歳の子供どもと同じように毎年発展していると本人もおっしゃっていましたが、確かに入門から1年4カ月で二ツ目にスピード昇進後、昨年あたりからテレビにレギュラー出演されたり、全国ツアーを始められたり。
 見た目も語り口も、貫禄がついてきた印象です。
 ネタは「桜の男の子」。
 伝聞と夢が入れ子細工になっているような、テンポの速い話で楽しませてくれました。
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 続いて大竹道茂さんが登壇。
 この日も江戸東京野菜の実物を掲げながら、それぞれにまつわる物語を説明して下さいました。
 最初に手に取られたのが滝野川ゴボウと滝野川ニンジン。いずれも現在の北区滝野川地区で栽培されていたものだそうです。
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 葉までが美味しいとう汐入ダイコン(荒川区)と、茎まで真っ白いことが特徴の小振りな亀戸大根。
 千住一本ネギは、「千寿ネギ」と称して売られているものとは違う固定種で、浅草神社にも奉納されているものとのこと。
 熊手ネギは、拝島ネギの先端を曲げるように栽培したものだそうです。
 他にも早稲田ミョウガタケ、伝統小松菜、金町小カブ等も紹介して下さいました。
 これだけの種類を揃えるのも大変だったと思われます。
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 そして、最近、関わっておられるという鎌倉での取組についても紹介して下さいました。
 地元の方から、鎌倉の伝統野菜の捜索に力を貸してほしいと頼まれたとのこと。そして発見したのが、材木座海岸に自生していたという「浜大根」だそうです。
 この日は、鎌倉の大根料理「福来鳥(ふくどり)」の方も見えられており、休憩時間には大根のポタージュをご馳走して下さいました。
 熱くて優しく、しかもコクのある洋風の味です。
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 休憩を挟んで吉笑さんの二席目は、ご自身の創作による『カレンダー』。
 ある島の商工会が製作・配布した今年のカレンダーのに印刷ミスがあることが発覚したことをきっかけに、暦にまつわる様々な問題がどんどん広がっていくという噺。
 先日、和暦の話を伺い、機械的な西洋のカレンダーに縛られて季節感等を失いつつあるのでは、と思っていた気持ちと何となくシンクロして楽しめました。
 終了後、『現在落語論』を求め、その場でサインも頂きました(名前を覚えて下さっていて嬉しかったです)。 
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 そして、江戸東京野菜の試食を兼ねた懇親会。
 冒頭、成田重行さんから「内藤とうがらし」を使った新宿の街おこしの取組を紹介して下さいました。
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 テーブルには江戸東京野菜の亀戸ダイコンと汐入ダイコン。そしてこの日は鎌倉浜ダイコンも。それぞれ、しっかりと独特の風味と食感を主張しています。
 福来鳥の女将さんは、鰤大根も作ってきて下さいました。
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 千住ネギ、滝野川ニンジン、滝野川ゴボウのチップ等も。
 もちろん、鮮魚居酒屋・うおこう定番の船盛りと大きな鰤カマ。それにこの日はアンコウ鍋とリンゴ鍋も。
 ちなみにお酒は、私の地元・豊島屋酒造の「十右衛門」などです。
 今回のイベントも、落語と江戸東京野菜の話で楽しんだ後は、美味しいお料理とお酒で大満足。
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 吉笑さんは、中座されて次の舞台に向かわれました。
 ますますの発展が楽しみですが、うおこうで間近かに聞ける機会が無くなるかも知れないと思うと寂しさも(本人は、高円寺に住んでいるから、そんなことはないと本人は仰って下さいましたが)。
 大竹さんの伝統野菜普及の取組もますます拡がって、ついに鎌倉にも「飛び火」。金沢や熊本など、大竹さんも全国を飛び回っておられるようです。
160214_12_convert_20160216225028.jpg 松井さん、今回も素敵な企画を有難うございました。 
 帰宅すると、テーブルの上にJIM-NET(日本イラク医療支援ネットワーク)のチョコレートが。
 忘れていましたが、翌日はバレンタインデーでした。有難いことです。
 【ご参考】
◆ ウェブサイト:フード・マイレージ資料室
 (プロバイダ側の都合で1月12日以降更新できなくなったことから、現在、移行作業中です。)
◆ メルマガ :【F. M. Letter】フード・マイレージ資料室 通信
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