つながろう!くまもと座談会-食べ通オープンミーティング

 2016年7月4日(月)は所用があって休みを頂き、合間に自宅近くに借りている市民農園の一画へ。
 数日、晴れの日が続いたのを見計らってジャガイモ掘り。
 キタアカリ、インカルージュに、山梨・上野原市さいはらで頂いてきたネガタの3種類。 キタアカリは大豊作です。
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 ジャガイモの後に晩生の丹波黒大豆を播いたところ、午後からものすごい雷雨に。恵みの雨です。160704_1_convert_20160711004347.jpg ジャガイモは、夕飯に塩バター肉じゃがにして頂きました。美味。
 それに先立つ7月2日(土)は、有楽町の東京交通会館へ。
 1階と地下1階にある各道府県のアンテナショップは多くの人で賑わっています。猛暑のせいもあってか、北海道どさんこプラザのソフトクリームには長蛇の列。
 エレベータで6階へ。
 ここには認定NPO法人 ふるさと回帰支援センターもあり、多くの人が訪れています。
 覗いてみると、二地域居住に関するセミナーを開催中でした。
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 その反対側にあるのが、銀座ファーマーズラボ
 「食」と「農」をキーワードに、日本各地の農業者や食品関係者が情報交換等を行うためのコワーキングスペースとのこと。木材をふんだんに使った快適な空間です。オープンから1年以上になるそうですが、初めて来ました。
 この日15時から開催されたのは、「つながろう!くまもと座談会【食べ通オープンミーティング】」
 50名ほどが集まっています。
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 (一社)日本食べる通信リーグのゼネラルマネージャー・江守敦史さんの進行により開会。
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 「日本食べる通信リーグは、食べもの付き情報誌「食べる通信」の普及・多地域展開の促進を目的としている。
160702_4_convert_20160707071244.jpg 2013年7月に「東北食べる通信」が創刊されてから2年が経過し、現在は全国34地域で発行されている。各通信は独自の運営をしており、地域の範囲、運営主体・編集者、デザインや判型も様々。生産者のことを知ることで、より美味しく頂け、コミュニティづくりにもつながる。食べる人と生産者をつなげるという共通の目標を掲げ、フランチャイズ制ではなくリーグ制として連携している」
 そして、「くまもと食べる通信(くま食ベ)」の林信吾さんが紹介された後、まずは「くま食べ」創刊時のムービーを上映。
 その後、林さんがマイクを取られました。
 「ムービーに出てきた事務所も2度目の地震で使えなくなった。メンバーも事情があって当時と変わり、現在は森賢太、池田親生と3人で運営している。懐かしい思い出がこみ上げてきた」
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 「自分は6年間、エネルギーや環境分野でのコンサルタントに従事していたが、学生時代からNP0の活動に関わっており、いつか熊本に戻りたいという気持ちがずっとあった。また、やはり熊本は食、との思いが強くなり、昨年11月『くまもと食べる通信』を創刊した」
160702_5_convert_20160707071304.jpg 「熊本には仕事が少ないために都会に出ざるを得ない状況もある。そのような人たちがいつかは戻れるように、熊本での仕事を作りたいという思いもある」
 「熊本には素晴らしい生産者の方達がいる。例えば、天草ですり身を作っている漁師さんも強い思いを持っておられるが、売り方や見せ方は我流。次第にそのような生産者の方達に対する思い入れが強くなってきて、自分も仲間に加わ りたいと思った」
 「くまもと食べる通信のテーマは『100年後に伝えたい食の風景』。熊本には有明の豊かな海、天草の温暖な気候、阿蘇の千年守られてきた草原、豊かな地下水など、すばらしい風景がある。つくる人と食べる人、お互いにお互いを考えられる関係をつくることで、また、生産者の方達の思いやストーリーをしっかりと伝えていくことで、美しい食の風景を次の世代に伝えていきたい」
 「生産者の方の哲学やストーリーをしっかりと伝えていきたい。創刊号で取り上げた産山 村の井さんはレストランも経営しているが、地震以降、観光客が減っている。一方、あか 牛は人気があって引き合いも多いが、草作りなどこだわりを理解してくれない人には売り たくないとも言っている」
 「くまもと食べる通信の事務所は、2度目の4月16日(土)の「本震」で完全に使えなくなった。
 一方、熊本支援チームを立ち上げSNSで発信したところ、1日100トンもの支援物資が届くようになった。当初、行政が把握していた避難所は2~300箇所だったが、ボランティア100人で一軒一軒回り、ヒヤリングして、これを個人宅を含む1200箇所の避難所を把握し、本当に必要としている人に支援物資が行き渡るようにした。自分たちが作成したリストは、国の支援にも活用されたと聞いている」
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 「一方、農業支援が不十分だったという反省点がある。
 熊本の農家は、なかなか自分で手を挙げない。もともと台風など天災が多い土地柄で、これまでも自分たちで乗り越えてきた。消防団等の活動もあり、自分の経営どころではなかったという農家も多い。南阿蘇ではアスパラやイチゴの最盛期だったが、道路の途絶もあり出荷できなかった。一番困っている時期にサポートできなかったという思いがある」
 「熊本市内から南阿蘇への幹線道路は、現在、2本とも通行止め。辛うじて山越えの道が通れるものの、冬は凍結する。今後5年間、やめる農家をどれだけ減らせるかが勝負と考えている」
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 「地震後、年間の発刊スケジュールも見直した。次号は被害の大きかった南阿蘇の生産者の特集を組む予定。痛々しい被害状況だけではなく、きれいな景色、生産者の方思いなど、プラスの要素や魅力も発信していきたい。『食べて応援しよう』という取組も有り難いが、支援のために買ってもらうだけではなく、買いたくなるような魅力や価値を発信していくことに重点を置きたい」
 会場におられた数名の方も、指名されて発言されました。
 本年2月に熊本に戻って農産物販売の会社を設立した男性は、ボランティアを組織して西原村、南阿蘇村の農業支援のために延べ1000名以上のボランティアを派遣されたとのこと。
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 実家が南阿蘇で蓄麦屋を経営しているという女性。かなりの被害を受けたが、毎日ではないが営業を再開しているとのこと。兄嫁の実家は崩壊して犠牲者が出た学生アパートを 経営していたそうです。
 長野出身で大学を休学中という男性。東北食べる通信のインターンをしていたが、はくまもと食べる通信の発刊業務のく支援のため、7月の1ヶ月間、熊本に滞在することになったとのこと。
 会場との質疑応答では、仮説住宅の建設状況や地域コミュニティの様子等について質問がありました。
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 引き続き、3つのグループに分かれてのセッションで話し合い。 
 観光客が大きく減少しているといった現地からの悲鳴の声も。
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 最後は懇親会に。
 素材にこだわるキッチン わたりがらす(東京・渋谷区東)の方が、各地の「たべる通信」ゆかりの食材も使って料理を提供して下さいました。
 熊本の日本酒も。
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 林さん始め、3人の方が着ておられるのは「肥後の農業応援チャリ Tシャツ」。熊本の農家さんが前を向いて頑張れるようにと、企画されたTシャツとのこと。
 なかなか素敵なデザインです。私も1着、注文させて頂きました。
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 この日は懇親会まで盛り上がりしましたが、「食べる通信」は総じて読者数の拡大には苦慮されているとのこと。
 「くまもと食べる通信」には、この日は林さんのお話を直接伺えたこともあり、10名ほどの新規購読申し込みがあったそうです。
 経済の高度成長に伴って食品流通の高度化・広域化が進んだことにより、離れてしまった食(消費者の食卓)と農(生産者、生産地)との間の距離を、再び縮めていこうというのが「食ベる通信」の取組です。
 生産者や産地のことを、いかに「自分ごと」として意識できるか。そのきっかけを作ってくれる「食べる通信」の発展に期待したいと思います。
 なお、8月28日(日)には新潟の2つの「食べる通信」(稲香、魚沼)の2人の編集者を招いてのセッションが予定されているとのこと。他にも各地の「食べる通信」関係のイベントが都内でも予定されているようです。
 例えば、7月10日(日)には「日本サービス大賞 受賞報告会~公開編集長座談会~」が東京・銀座の「お取り寄せダイニング 十勝屋」(北海道食べる通信)で開催(ブログ掲載が遅くてすみません)、7月15日(金)には「高千穂郷が好きなワケモンと語る車座座談会」が東京・中央区立産業会館(東日本橋)で開催されます。
 【ご参考】
◆ ウェブサイト:フード・マイレージ資料室
 (プロバイダ側の都合で1月12日以降更新できなくなっていることから、現在、移行作業を検討中です。)
◆ メルマガ :【F. M. Letter】フード・マイレージ資料室 通信
(↓ランキング参加中)

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