早稲田と漱石と熊本、経済統計研究会

 三連休初日の2016年7月16日(土)は曇り空。
 午後から東京・早稲田へ。
 少し時間があったので夏目漱石の史跡めぐり。早稲田には何度も来ているのですが、史跡めぐりは初めてです。
 メトロ東西線・早稲田駅から地上に上がってすぐのところに、「夏目漱石誕生の地」の碑。
 新宿区教育委員会が設置した説明板によると、漱石は1867年、五男三女の末子としてこの地に生まれましたす。夏目家は、この周辺十一カ町をまとめる名主だったそうで、当時の当主が道路を夏目坂と名づけ、喜久井町という名称は夏目家の家紋(井桁に菊)にちなんでいるとのこと。
 漱石は、都会のお金持ちのお坊ちゃんだったようです。
 私は漱石の作品を読むたび、貧しい人や地方に対する「上から目線」を感じるのですが(お金持ちではなく、かつ地方出身の私のひがみも入っていますが)、それは、生い立ちに背景があるようです。
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 少し東に歩くと、「漱石山房通り」と書かれた標柱。漱石が晩年を過ごした家があった地とのこと。
 道路脇にはフェンスが立てられ、覗くとショベルカー等が働いています。
 漱石山房の跡地は、「漱石公園」として整備されています。
 漱石の胸像の脇には「則天去私」の銘。
 園内には「夏目漱石終焉の地」との説明板と「猫塚」と呼ばれている石塔。漱石没後、家族が買っていた犬や猫、小鳥の供養のために建てたものだそうです。
 「道草庵」と呼ぶ小さな建物の中には、関連資料やパネル等が展示されています。『坊ちゃん』ゆかりの松山市の投句箱も。
 その隣接する敷地(さきほどの工事現場)では、2017年9月の開館に向けて(仮称)「漱石山房」記念館の建設が進められているとのこと。
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 ところで下の写真は、地震から1ヵ月後の本年5月15日(日)に熊本を訪ねたときのもの。
 漱石は1896年4月、第五高等学校(現在の熊本大学)の教師として熊本に赴任。その後、4年3か月熊本に滞在する間、最も長く暮らした内坪井の旧居(新婚だったそうです。)が記念館として整備されていまるのですが、外壁に損傷がみられ、閉館中となっていました。
 現在も、再開には到っていないようです。
 実は、今年は漱石の来熊(「らいゆう」と読みます。)120周年として、多くの記念行事等が予定されていたのですが。
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 ちょっと時間がなくなってきたので、急いで早稲田へ。
 厳しい顔つきの大隈重信像に近い3号館は、伝統的な外観は残しつつ、内部は開放的な吹き抜けにエスカレータが配置されるなど、現代的な空間です。 
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 ここで14時から開催されたのが、経済統計研究会(2016年第3回)。
 政府及び民間の統計作成について実務家や研究者が議論する研究会(30年以上の歴史があるそうです。)、職場の以前の上司の勧めで参加させて頂くことに。
 事務局の西郷浩先生(早稲田大・政治経済学術院)の司会でスタートしたこの日の研究会のテーマは、産業連関表
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 総務省の担当の方から、産業連関表の概要、理論、作成方法、最新の2011年表からみてわかる日本経済の姿、次回(2015)表作成の課題等について、包括的かつ分かりやすく説明され、質疑応答。
160716_5_convert_20160723013727.jpg 続いて私からは、産業連関表をさらに加工した統計として、農林水産省「農林漁業及び関連産業を中心とした産業連関表」の概要について説明。
 特に「飲食費のフロー」は、国内に供給(国内生産又は輸入)された食用の農林水産物が、食品製造業、食品関連流通業、外食産業を経由して、最終消費されるまでの流れを金額で示したもので、フードシステム全体の構造を把握できる他に例のない統計であること等について、説明させて頂きました(説明資料はこちら)。
 説明は30分ほどで終ってしまったのですが、熱心な質問や意見を頂きました。
 西郷先生始め、参加頂いた皆さんに感謝申し上げます。
 さて、以降は備忘的に畑作業の記録。
 3連休最終日の7月18日(月・海の日)は、久しぶりに、じっくりと自宅近くに一画を借りている市民農園で土いじり。
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 夏の畑は、1週間みないと雑草だらけ。
 高温多湿の日本の風土が、いかに植物生産力に優れているかの証左です。
 にも拘わらず日本農業は生産性が低い、国際競争力に乏しいと言われるのは、おカネを物差しにするから。経済性も重要ですが、他に大事なものがいくらもあります。
 福島・広野町由来のコットン。背丈は今イチですが、雑草の中でたくましく育っています。
 東京・檜原村由来のゴマも背丈は今イチながら、花がつき始めました。
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 近所のJAで苗を購入してきたミニトマト(アイコ)は、まだまだ多くの実をつけてくれています。これは大成功でした。
 スイートコーン(味来)も収穫の時期に。
 枝豆(茶豆)は今年も実が太らないと心配していたのですが、ここに来て一気に充実。収穫が始まりました。豊作です。
 丹波黒大豆も芽が出揃い、伸び始めました。
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 一方、1個だけ残ったマクワウリは成長がとまってしまったようです。
 昨年のリベンジのゴボウは3本だけに減ってしまい、なかなか大きくなりません。ペットボトルを切って覆ってみましたが、効果があるかどうか(あるいは逆効果かも)。
 【ご参考】
◆ ウェブサイト:フード・マイレージ資料室
 (プロバイダ側の都合で1月12日以降更新できなくなっていることから、現在、移行作業を検討中です。)
◆ メルマガ :【F. M. Letter】フード・マイレージ資料室 通信
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