堀内ゼミ(2) コミュニケーション環境デザイン

 2016年7月21日(木)の終業後は、東京・自由が丘のシェア奥沢へ。
 先週(14日のブッククラブ)来た時は雨粒の大爆撃状態でしたが、この日は緑道のベンチで憩う人達の姿も。自由が丘は、本当に素敵なデザインの街です。
 それにしても、暗くなるのが早くなりました。立秋が近づいています。
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 19時前に到着した時は、参加者の皆さんは食事中。
 この日のメニューはボルシチなど。
 キッチンマスターのTさんは体調不良で味付けが良く分からなかったとのことですが、大変、美味しく頂きました。ご馳走様でした。
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 さて、この日開催されたのは「堀内ゼミ(2) コミュニケーション環境デザイン」。
 堀内正弘先生(多摩美術大学教授)は、ご自宅の一部を改装してコミュニケーションの場「シェア奥沢」として開放され、様々なイベント等が開催されています。
 その堀内正弘先生ご自身が初めて講師を務められているのが「堀内ゼミ」。私はこの日が初めての参加です。
 19時40分頃から、スライドを映写しつつ、先生の講義が始まりました。
 (なお、先生の話の全てを正確に再現することはできません。誤解もあるかもしれません。文責は全て中田にあります)
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 「前回(第1回)は、デザインには目的があるという話をした。
 自分はコミュニケーションと環境 デザインということをずっと考えてきた。コミュニケーションは環境の中で起このだから、コミュニケーションが起こり易いような環境をどのように創っていくかという視点が重要」
 「コミュニケーションとは話すことだけではない。黙っていて行われるコミュニケーションもある。
 時間の要素もあれば、音や香りなど、色んな情報が環境から人間に伝わってくる。 居心地が良いと感じられるような空間をデザインしていくことが重要」
 「しかし現実には、多くの都市計画は個人が住むという観点からデザインされていない。
 ピープルではなくペルソナ(個人)を前提にしなければならない。そして、普通の人同士が(弱者を含め)いかに元気で、 都市の中で繋がって暮らしていけるかという観点が大事」
 
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 堀内先生が実際に訪ね、撮影された外国の写真も映されました。
 「ローマやニューヨークは、年齢を重ねても一人でも楽しく暮らしていける。都市の中で、人がどのように快適に時間を過ごせるかという視点が重要。
 イタリアにはマルシェやコミュニティガーデンがある。キッチンの戸を開けるとサラダ用の畑があることも」
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 具体的な地域におけるまちづくりのチャート図が映し出されます。
 「まちづくりのテーマは、人が集まり、フェイス・トゥ・フェイスで交流できる場づくり。多くの個別プログラムから構成される。
 一般に地権者の意向のみが重視されがちだか、それ以外の市民、地域外からの来街者等への目配りも不可欠」
 「都市が持つたくさんの要素-歴史や文化、芸術など。
 それらをマネジメントしてアメニティ(快適空間)を創り出していくことが環境デザイ ンの仕事」
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 そして、シェア奥沢の話に移ります。
 「この建物にはもともと親戚が住んでいたが、2000年頃に引っ越した後、ずっと空き家になっていた。
 それを多くの人の協力で床の張替えも含めリニューアルして、2013年7月にシェア奥沢としてプレオープン。耐震補強工事を行い、2014.4に正式オープンした」
 「母屋は隣接する別棟になっているので、いわゆる『住み開き』ではないことも、シェア奥沢の特徴の一つ」
 続いて先生が映されたのは、現在、シェア奥沢で行われている様々な活動を図に表したもの。
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 「シェア奥沢では、これまで様々な活動が行われてきた。ある活動から派生・発展した会もある。
 全体像はまだまだ整理できていない。この図も足らないところがある」
 さらに、活動の企画・運営については、
 「4つ位のパターンに整理できる。オーナー/シェアマネージャーによる企画、持ち込み企画のサポート、単なる場所貸し、それに『常連さん』による企画」
 「いずれも、参加者それぞれが顔の見える個人として関わり、その交流の中で多くの化学反応が起こっている」
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 そして最後に、「このように、シェア奥沢の実践から見えてきたものがたくさんある。
 しかし自分としては、これらを『シェア奥沢だからできる』というものにはしたくない。これをモデルにして、他の地域にも広がっていくことを期待している」と結ばれました。
 21時を回っていったん休憩。
 後半は車座になっての意見交換です。
 「シェ ア奥沢での別の会で知 り合った方が、実は親子ということもあって驚いた。様々な人と知り合いになれるのがシェア奥沢の魅力」
 「ここでの会合に参加して失望したという経験がない」等の意見。
 また、堀内先生に促されたMさんからは、10月23日(日)からシリーズで計画している「グループワークの楽しさを体験してみませんか?」と題するイベントについて紹介がありました。
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 その後も参加者からは積極的に様々な意見が出され、自由な意見交換が続きます。
 しかし22時30分を回ったところで中座させて頂きました。
 近くに住んでおられる方が、本当に義ましい。
 地理的・時間的な距離の近接性の重要さを、シ ェア奥沢に来る度に実感させられます。
 なお、次回(第3回)の「堀内ゼミ」は、8月11日(木)に予定されているようです。
 【ご参考】
◆ ウェブサイト:フード・マイレージ資料室
 (プロバイダ側の都合で1月12日以降更新できなくなっていることから、現在、移行作業を検討中です。)
◆ メルマガ :【F. M. Letter】フード・マイレージ資料室 通信
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