「新3K」の共奏ファーム訪問(埼玉・東松山)

海の向こうではリオ五輪たけなわ。

日本人選手の活躍に加え、次は東京開催を控えていることもり盛り上がっているようですが、その東京での五輪開催については、以前、福島で有機農業に取り組んでおられる方が「絶対に反対」とおっしゃっていたのが頭を離れません。

2016年8月14日(日)は、共奏ファーム(埼玉・東松山市)を訪ねてきました。6月5日(日)以来です。

朝9時に東武東上線・高坂駅前に集合したのは10名ほど(うち子ども1人、幼児1人)。

共奏ファーム主宰者のまさひこさんが出迎えて下さいました。
 大手外資系IT企業をリタイアされた後、地元や各地での地域づくり等に関わり、現在は介護関係の専門学校に通われつつ、この地で自然農を実践されているというスゴい方です。

まさひこさんと、お2人の子ども連れのたかったー氏(この日のイベントの呼びかけ人)の車に荷物をお願いし、6名はバスで向かうことに。

バス停(旗立台)で降りてから現地までの沢沿いの道は、何度歩いても快適です。

6月に来たときは、子ども達が体験で田植えしたばかりだった田んぼは、稲が大きく育ち、花がついていました。
 山肌にはウツギの花も。

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10時前、まさひこさんの畑に到着。自家用車で来られたもう一人も合流。

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6月の時点では黄色い花を咲かせ、緑色の実をつけ始めていたトマトでしたが、今は真っ赤な実が鈴なりです。

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6月に草取りをお手伝いした部分に植えられた枝豆(新潟の肴豆だそうです。)は、小さな紫色の花を咲かせていました。9月には収穫祭を計画されているとのこと。お湯を沸かしてから枝豆を採るそうです。

安納芋(種子島産のサツマイモの一種)も葉を茂らせ、ボリジ(不思議な香りのするハーブ)も植えられています。

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この日お手伝いする作業は、まずはトマトの畝の間の除草です。
 農薬を一切使用していないトマト畑は、雑草が繁茂し、一部はジャングル状態です(ちなみに化学肥料や堆肥も一切用いず、水も雨水のみに頼っているとのこと)。

思い思いに畑に散り、手で草をぬいていきます。
 表土は硬く(中は柔らかいのですが)、クズなど根深い草も多いことから、途中から鎌を使って根や茎を切りながらの作業になりました。

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幸い、曇りがちで陽射しはなかったため、比較的楽な作業です。
 1時間半ほどが経過。あまり進んでいませんが、収穫作業に移りました。この間、子ども達はトンボを追っかけたり、土と戯れたり。

普段はIT関係の仕事をされているお父さんも、子ども達の面倒を見つつ農作業を楽しんでいました。

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がくの部分が茶色くなっているものは、茎についたまま完熟しているそうです。口に入れてみると、果物のような驚くばかりの甘さです。
 ちなみにそのまま放っておいても腐ることはなく、自然にドライトマトになるとのこと。

思い思いに、欲しいだけ収穫させて頂きました。
 この間のどさくさに紛れて(?)、今朝、自宅近くに借りている市民農園に寄って収穫してきたナス、オクラ、アマトウ等もお配りしました。ここのところ食べるのが追いつかず、貰って頂いて助かりました。

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畑の脇にある梅の木の下にビニールシートを敷いて、お昼ご飯の時間。
 奥沢ブッククラブでもお世話になっている料理名人・シゲさんが、手料理を準備してきて下さいました。

おむすび、炊き込みご飯、ピーマンとソーセージの妙め物、ポテトサラダなど。そして絶品はオリジナルレシピ・「堕落豆」。茹でた枝豆をオリーブ油とニンニクで和えたもので、堕落するまで酒が進むというのが命名の由来とのこと。

ちなみに今週18日(木)の奥沢ブッククラブ第11回の課題図書は、坂口安吾『堕落論』です。手製の漬物やお菓子、日ごろ愛用のスルメを持ってきた女性も。

陽射しが出てきましたが、木陰は快適です。暦は、とうに立秋を過ぎています。

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食事の後は、ニホンミツバチの巣箱を見学させて頂きました。
 刺されるのが快感と言うまさひこさんですが、防護服を着て、三段になった巣箱を開けて見せてくれます。

びっしりと六角形の巣(ハニカム)。たくさんのハチミツが取れそうです。

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陽射しが出てきて暑くなってきたこともあり、結局、作業は午前中だけで終了。
 多くはバスで高坂駅に向かいました。すぐ隣にある動物園は、多くの家族連れ等で賑わっています。
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平日は学校通いのためなかなか来られないというまさひこさんは、数人を駅まで車で送られた後、作業を続けるために戻られたようです。
 豊かな自然の中にあるまさひこさんの畑は、バッタやトンボなど、生き物の宝庫でもあります。

前回訪問した際、自然農法は「新3K」の農法と感じたものです。
 すなわち「きついけど、気持ちが良く、気づきがある」。

ささやかながらお手伝いすることによって、今回もいくつもの気づきを頂くことができたようです。

ところで去る8月17日(水)、拙メルマガ「F. M. Letter -フード・マイレージ資料室 通信- 」No100を配信させて頂きました。
 登録して下さっている皆さま、いつも有難うございます。

食べものや農業を取り巻く様々な課題の解説、それらを解決しようと実践している方たちの紹介等を通じ、個人的な問題意識等を提起し続けてきた拙メルマガも、節目の第100号を迎えました。

ー方、立派な実践をされている方達の姿を目にするたび、自分自身は何の実践もせず実績も残していないことに暗澹たる思いになります。
 自分自身に何ができるか、果たして社会にわずかでも貢献できることがあるのかどうか、模索は続きます。