図62 所得と食生活(食品群別摂取量)


◆ F.M.豆知識

食や農に関連して、特に私たち消費者にちょっと役に立つ、あるいは考えるヒントになるような話題を毎回コツコツと紹介していきます。
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−所得と食生活に関する状況−

前回、前々回と最近の経済情勢の悪化(失業率の上昇)と栄養(特にたんばく質)摂取量との間には相関があることを紹介しました。
http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/60_situgyo.pdf

厚生労働省「平成26年国民健康・栄養調査」では、所得と食生活に関する状況についても調査されています。

これは、世帯の所得を200万円未満、200〜600万円、600万円以上に分けて、食品群別の摂取量等を把握しているものです。

例えば、穀類摂取量(男性の世帯員1人当たり)をみると、世帯所得600万円以上(以下「高所得層」)では494gであるのに対し、同200万円未満(以下「低所得層」)では535gと低所得層の方が多くなっています。

一方、野菜類摂取量は高所得層322gに対して低所得層254g、肉類摂取量は高所得層122gに対して低所得層102gと、いずれも低所得層の方が少なくなっています(乳類、油脂類も同様の傾向)。

また、エネルギー摂取量も高所得層が2180kcalであるのに対して低所得層では2053kcalと、やはり低所得層の方が少なくなっているのですが、エネルギーに占める炭水化物の比率は高所得層58.5%に対して低所得層では60.8%と高くなっており、たんばく質エネルギー比率(高所得層14.6%、低所得層14.1%)及び脂肪エネルギー比率(同26.9%、25.1%)と、低所得者層の方が低くなっています(これらは女性の世帯員にも同様の傾向がみられます)。

このように、所得水準によって食生活には統計的にも有意な差があることが明らかとされているのです。

[出典、参考等]
厚生労働省「平成26年国民健康・栄養調査」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000106405.html

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