【ブログ】熊本地震報告会~115日の益城生活で感じたこと~

2017年1月15日(日)。
大学センター試験が行われたこの週末は北日本・日本海側だけではなく西日本や東海地方でも積雪があり、試験開始時間の繰り下げ等が行われたそうです。
幸い東京地方は晴天続きでしたが、身を刺すような寒さです。
東京・三鷹市の「スペースあい」へ。
ビルの空き区画を活用した商店街の活性化・まちづくり推進の拠点だそうです。
170115_1_convert_20170119004751.jpg
ここのイベントスペースで14時から開催されたのは、「熊本地震報告会~115日の益城生活で感じたこと~」と題するイベント。昨年8~12月の間、熊本・益城町に駐在して復興支援の活動にあたられた芳賀大輝さん(危機管理教育研究所)の報告会です。
主催者のIさん(熊本・産山村出身で三鷹市在住)の開会挨拶に続き、スライドを映写しながら芳賀さんの話が始まりました。
「震災後、初めて熊本を訪ねたのは7月中旬。地震から3ヶ月が過ぎ東京では報道等も少なくなっていたが、現地はブルーシートだらけで驚いた。予定していた転職を前倒しして8月末から益城町に駐在することになった」
「目的は2つ。1つは地震の記録を残すことで、軒下避難されている方達に不便なこと、望 むこと等のアンケートを取り、インタビューした。近所にいた人が今どこにいるかみんな知っていて、地方の強みを感じた」
「2つめは、日本財団の助成を得て7月末から被災者向けの無料宿泊施設として無償提供していたトレーラーハウス(益城ハウス)の管理・運営。ベッド、バス・トイレ、冷蔵庫付きの4室で3連泊まで可。回りを気にせずゆっくりと話もできる、風呂にも入れる等と利用者には喜ばれた」
「10月までに仮設住宅が建て終わり、避難所は全て閉鎖された。地元の飲食店等も再開されて役場職員にも笑顔が見られるようになって、ようやく一段落したと感じた」
170115_2_convert_20170119004825.jpg
「ビデオインタビュー等の記録は災害対策の検証に役立たせ、今後の各地での地域防災計画策定等の参考資料にも活かしてもらいたい」
「熊本に地震が来るとは思っていなかったという人が多かった。しかし現実には120年前にはM6.3の地震が発生している。
日本に住んでいる限り、どこであれ大きな地震に会わないことはない。個人個人でも防災に取り組み、自宅でも水など備蓄し家具を固定して欲しい。益城町の話を他人事とは思わないで欲 しい」
「滞在中、阿蘇地方等もめぐり被害の大きさを目の当たりにした。
しかし、熊本は本当に良いところで東京生まれの自分には故郷のように感じている。ぜひ皆さんも足を運んで、思い切り楽しんで下さい」
と締めくくられました。
後半は、参加者との間で意見交換。
「被災地の現状をどうやって伝えていけばいいか。いま、必要な支援とは」という質問には、「その気になれば情報を得ることはできる。自分も報告会等を続けて生きたい。物資の支援はもはや不要だか、ふるさと納税等の支援は必要」との回答。
170115_3_convert_20170119004843.jpg
市内の町会で防災対策に取り組んでおられる女性からは「防災対策はご近所で話しあうことが大事。防災をきっかけに地域や世代を繋いでいくことにもなる」等の紹介。
地域で防災ボランティアの活動をされている方からは、マンションの中には子どもの安全のために挨拶が禁止されているケースがあるとの話。
その一方で「東日本大震災の時には小学生の子ども達が自主的に独居老人等の部屋を回っていた。聞くと、日頃から学校で指導されていたらしい。ランドセルの中には懐中電灯や電池が入っている」との話も。
170115_4_convert_20170119004900.jpg 「農村部の伝統的なコミュニティだけではなく、SNS等も活用した都会型のネットワークづくりも重要では」との意見も出されました。
また、「三鷹には多くの農地が残っている。農家の方との繋がりもあり、いざとなれば井戸もある農地に逃げ込めば、何とか生き残ることはできるのではないか」等の意見も。
なお三鷹市では、昨年12月には農地の防災機能に関するイベントも行われています。
実体験を踏まえた分かりやすい話でした。
地域として、また個人としても、防災について考え備えていくことの重要性が十分に伝わってくる意義深いイベントでした。
【ご参考】
◆ ウェブサイト:フード・マイレージ資料室
(プロバイダ側の都合で昨年1月以降更新できず、今月一杯で閲覧もできなくなるため、現在、鋭意、移行作業中です。)
◆ メルマガ :【F. M. Letter】フード・マイレージ資料室 通信
(↓ランキング参加中)

人気ブログランキングへ