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2015年農林業センサスでは、農業生産関連事業を行っている農業経営体数についても把握しています。ここでいう農業生産関連事業とは、農産物の加工、消費者への直接販売、体験農園、観光農園、農家民宿、農家レストラン等のことで、これらいわゆる「六次産業化」は所得の向上と安定化に貢献するものと注目されています。
農産物の加工に取り組んでいる経営体は、全体の2%です。
これを農産物販売金額規模別のグラフに表したものが図77の青い棒グラフで、規模が拡大するにつれて加工に取り組んむ経営体の割合が上昇していることが分かります。
これは、農産物加工に取り組むためには加工施設や機器など設備投資が必要であるため、ある程度規模が大きな経営体でなければ取り組むことが困難であるという事情を反映しているものと思われます。
一方、消費者への直接販売を行っている経営体は全体の19%(緑色の棒グラフ)となっていますが、これを農産物販売金額規模別にみると、販売金額1000万円程度までは上昇しているものの、それ以上の階層では減少しています(1億円以上では再び上昇)。
さらに、赤い折れ線グラフは、出荷先別にみて「消費者への直接販売」が売上げ1位となっている経営体の割合です。これによると、規模の小さな農家ほど消費者に直接出荷しているウェイトが大きい状況がみて取れます。
このように、農産物を消費者に直接販売する取組みは比較的小規模の農家で多く行われています。言い換えれば、消費者と直接つながることについては、比較的規模の小さな経営の方が取り組みやすいことを表しているのかも知れません。
[参考]
農林水産省「2015年農林業センサス
農林業経営体調査報告書-経営形態別経営統計(個別経営)」
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001161744
ウェブサイト「フード・マイレージ資料室-F.M.豆知識」
http://food-mileage.jp/category/mame/
【F.M.Letter No.122, 2017.7/6配信】掲載