【オーシャン・カレント】かんちゃんファーム体験農園

池袋から約1時間半という通勤圏ながら、丘陵に囲まれた緑豊かな地である埼玉・鳩山町に「かんちゃんファーム体験農園」はあります。
 農園主の閑野智道(かんの・ともみち)さんは埼玉・北本市のご出身。農業を志して公務員を退職、北海道や埼玉・小川町、地元の鳩山町での農業研修を経て2013年1月にこの地で新規就農されました。
 「自然の恵みから生まれた旬の農産物を通じて幸せの輪を広げたい」というモットーの下、約1.3haの農地で少量多品種の野菜等を有機栽培されています。近隣の天然原料(乗馬クラブの馬糞、豆腐屋のおから等)を用いた堆肥作り・土作りにも取り組んでおられます。
 生産された野菜等は、飲食店や個人への直売(宅配)のほか、毎週日曜日には仲間と開設した直売所(ときのこや)でも販売されています。

そのかんちゃんファームが、体験農園としての活動を本格化しつつあります。
 来る7月17日(月・海の日)には、「体験農園微完成」と銘打ったバーベキューパーティーを、11月5日(日)には正式なオープニングパーティーを計画されているとのこと。
 かんちゃんファーム体験農園の特徴は、サポーター制度をとっていることです。活動に関心のある方はウェブサイトから誰でも申し込むことができます。年会費も作業ノルマもありませんが、サポーター制度をとることでイベントを一過性なものに終わらせず、「顔の見える関係」が継続することが期待されるのです。

上記のイベント等を主に企画・主催されているのは、閑野さんのほか、東京・葛飾区在住の2人の女性。
 そのお一人、横山知代さんは週一回開催している「立石マルシェ」でかんちゃんファームの野菜を販売しているほか、「消費者の皆さんに畑に来て農作物の成長する様子を見て、収穫して楽しんでもらいたい」との閑野さんの思いを受け、閑野さんと協働して様々なイベントに関わっておられるのです。
 個人どうしの「顔の見える関係」に基づく取組みは、小規模ですが強靭です。このような取組みが各地に広がっていけば、現在の農業や食べものが抱える多くの問題点を解決(担い手の確保、耕作放棄地の再生、自給率の向上、食の安心の確保等)していく糸口になることが期待されます。

[参考]
 かんちゃんファーム体験農園(ウェブサイト)
  http://taiken-farm.com/
 かんちゃんファーム体験農園(フェイスブック)
  https://www.facebook.com/eventkanchanfarm/
 有機農家の直売所・ときのこや
  https://tokinokoya.jimdo.com/
 立石マルシェ
  https://www.facebook.com/立石マルシェ-872852929515857/
 ウェブサイト「フード・マイレージ資料室-オーシャン・カレント」
  http://food-mileage.jp/category/pr/

F.M.Letter No.122, 2017.7/6配信】掲載