【豆知識】米の配給量と戦後の米消費の推移


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戦時経済体制の一環として、1941年4月、米穀の割当通帳制が六大都市(東京、大阪、名古屋、京都、神戸、横浜)において初めて実施され、その後、全国に拡大されました。
 この時の米穀配給の基準割当量は、一般人(11~60歳の重労働ではない者)の場合、1人1日当たり330グラム(2合3勺、1,158キロカロリー)でした。これを1年間に換算すると120.4キログラムとなります。

 これは、どの程度の量でしょうか。リンク先の図79は、その後の米消費量(1年間の供給純食料)の推移と比較して図示したものです。
 http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2017/08/79_haikyu.pdf

1960年度における米の1人当り年間消費量は114.9キログラムでしたが、その後、米消費量は一貫して減少し、現在(2015年度概算)は54.6キログラムとなっています。
 これはピーク時(1963年度の118.3キログラム)に比べると半分以下(46%)であり、食糧難とされた戦時下の基準配給量と比較すると45%に過ぎません。

これはやや意外な感じがするかも知れませんが、戦後、日本人の食生活は多様化・欧米化し、畜産物、油脂、小麦等の消費量が大幅に増え、カロリー摂取量に占める米の地位は大きく低下しているのです。
 このような米の消費量からも、戦中・戦後が遠い時代となったことが実感されます。

なお、当時の「2合3勺」がとても十分な量ではなかったことは、「ほんのさわり」欄でも紹介します。

[参考]
 法政大学大原社会問題研究所「日本労働年鑑・主要食糧の配給と消費」
  http://oohara.mt.tama.hosei.ac.jp/rn/senji1/rnsenji1-134.html
 農林水産省「食料需給表」
  http://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/zyukyu/#r
 ウェブサイト「フード・マイレージ資料室-F.M.豆知識」
  http://food-mileage.jp/category/mame/
F.M.Letter No.124, 2017.8/6配信】掲載