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戦後から復興し経済の高度成長を遂げた現在の私たちは、時に「飽食」と呼ばれるほどの豊かな食生活を送っていますが、その大きな部分は海外からの輸入に依存しています。
そのような事情を表すのに一般的に用いられるのは食料自給率ですが、ここでは「食料の海外依存率」という指標を紹介します。
これは100からカロリーベースの食料自給率の数値を差し引いたもので、日本の場合は62%(2016年度、自給率は38%)となり、輸出国はマイナスとなります。
なお、食料自給率という言葉には、日本は100%自給を目指しているかのように感じられるとする外国人研究者もいます。
図80は、日本を含む主要国の食料の海外依存率の推移を示したものです。
1961年における日本の食料の海外依存率は22%(自給率78%)で、イギリスやドイツよりも低いものでした。
その後、急速に右上がりで上昇し、近年は約60%程度で横ばいとなっています。これは主要先進国のなかで突出して高く、また、この間、イギリス、ドイツ等が海外依存率を低下させているのとは対照的です。
日本の海外依存率の高さは、国土条件の制約等から宿命づけられている訳ではありません(人口は現在の75%程度とはいえ、1960年代は現に2割台にとどまっていたのですから)。
その後、食料の海外依存率が大きく上昇した最大の理由は、私たち自身の食生活の変化(自主的な食の選択の結果)にあるのです。このことについては、稿を改めて取り上げたいと思います。
[参考]
農林水産省「食料需給表」
http://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/zyukyu/#r
ウェブサイト「フード・マイレージ資料室-F.M.豆知識」
http://food-mileage.jp/category/mame/