農林水産省は去る8月9日、2016年度の食料自給率(概算値)を公表しました。
カロリーベースの総合食料自給率は、2010年度から5年連続で39%で横ばいでしたが、2016年度には1ポイント低下して38%となりました。これは、小麦及びてんさい等が、北海道の豪雨など天候不順により生産量が減少したためです。
一方、生産額ベースについては、近年、60%で推移しており、2016年度には前年度から2ポイント上昇し68%となりました。これは、野菜及び果実の輸入額が減少する中で国内生産額が増加したこと等によるものです。
また、昨年からは、日本の食料の潜在生産能力の動向を把握する「食料自給力指標」も公表されています。
これは、国内生産でどれだけの食料を最大限生産することが可能かを試算した指標で、2016年度は農地面積の減少や単収の伸び悩み等により、全体として昨年度から微減となっているものの、いも類中心型の食生活パターンとした場合は必要なエネルギー必要量の水準を上回っています。
食料自給率は天候等によって変動するものであり、1ポイント程度の低下は直ちに懸念する必要はないかも知れませんが、自給力指標からは、わが国の食料生産のポテンシャルが低下傾向を続けていることが読み取れます。
[参考]
農林水産省プレスリリース「平成28年度食料自給率等について」
http://www.maff.go.jp/j/press/kanbo/anpo/170809.html
ウェブサイト「フード・マイレージ資料室-オーシャン・カレント」
http://food-mileage.jp/category/pr/