【ブログ】江戸東京の旬を味わう(豊島屋酒造×オギプロファーム)

品川蕪品評会からいったん自宅に戻った後は、地元の東京・東村山市にある豊島屋(としまや)酒造へ。

この日15時から開催されたのは、「江戸東京の旬を味わう-豊島屋酒造×オギプロファーム」と題するイベント。

1年ほど前に新設されたイベントスペース(兼直売所)は、多摩産の木材が多様された快適な空間。20名ほどの参加者が集まりました。

江戸東京野菜の関係で顔見知りの方も多く、午前中の品川から移動してこられた方も。
 他の仕事に直行されたS代さんから預かった品川カブ(立派!)を持参し、私のもの(今イチ!)とともに、参加者の皆さんにお配りしました。

オギプロファームの福島秀史さん(多摩八王子江戸東京野菜研究会代表、江戸東京野菜コンシェルジュ協会理事)から、この日の企画の説明。
 江戸時代から続く東京の食文化を、旬の江戸東京野菜と地酒で味わうというスペシャルコラボイベントとのこと。

ちなみに福島さんの本業は広告代理業、デザインの企画・立案等。江戸東京野菜の活動に関わるうち、とうとうご自身で農業を始められたという方です。
 この日も、ご自身の畑で収穫された高倉ダイコンと滝野川大長ニンジンを持ってきて下さっていました。いずれも貴重な江戸東京野菜で、この日の料理にもふんだんに使われていました。

続いて豊島屋酒造の高橋さんから蔵の概要をお聞きしながら、酒蔵見学へ。
 創業は慶長元年(1596)という老舗で、様々な文献や小説、ドラマにも登場しているとのこと。昭和初期に蔵はこの地に移転してきたそうです。

工程に沿って、蔵を見学させて下さいました。
 最初は原料米を洗うことから。洗米の後は蒸し器で蒸します。

続いて、蒸し米に麹菌を植えて麹を造る工程です。
 麹米を試食させて頂きました。パラパラとした食感、ほのかに優しい甘味。

次に見学したのは、最後の方の搾りの工程。ここで圧搾機にかけられ、酒と酒粕に分けられるとのこと。

狭くて急な階段を2階に昇ると、ずらりと仕込みタンクが並んでいました。蓋を開けて中を覗かせてくれました。微生物の力でお酒が醸されている気配を感じます。
 品質を安定させるため、三段階に分けて仕込みをするとのこと(三段仕込み)。
 

木組みの建物も見事です。
 蔵が移転してきた昭和初期の建築物で、解体される小学校の廃材も活用されているとのこと。

30分ほどで蔵見学は終了し、イベント会場に戻りました。
 高橋さんが、この日の地酒のラインナップを紹介して下さいます。

写真右から十右衛門のおりがらみと中取り生原酒、純米吟醸ひやおろし、貴醸酒、金婚の冬季限定にごり酒としぼりたて生酒。
 他にラベルのない山廃純米の一升瓶も出して下さいました。

いよいよ食事会がスタート。テーマは「東京の伝統野菜と地酒のマリアージュ」です。

最初は渡辺早生ゴボウと鶏レバーのコンフィ。貴醸酒と合わせます。長期間熟成させた貴重なお酒で、見た目も甘味もカラメルのようです。
 渡辺早生ゴボウは練馬区の渡戸ファーム産。生産者の渡戸さんも参加されていました。

料理を担当して下さった上原恭子さん(野菜ソムリエ、江戸東京野菜コンシェルジュ)が1品ずつ、説明して下さいました(ちなみに午前中は品川神社で江戸東京野菜コーナーを担当されていたはず。スーパーウーマンです)。

旬の江戸東京野菜を使って工夫された料理と、それに合う日本酒が順番に供されます。何とも贅沢な食事会です。

焼き高倉ダイコン・煎り酒おろし添えには、しぼりたて生酒。
 さっと煮た滝野川大長ニンジンのフライには、純米吟醸ひやおろし。
 高倉ダイコンとTOKYO-X(東京のブランド豚肉)の炒めものには、十右衛門の中取り生原酒。
 

牡蠣・高倉ダイコン・砂村一本ネギのうま煮には、十右衛門のおりがらみ。

後半は懇親会になり、さらにどんどん料理が運ばれてきます。
 砂村一本ネギの蒸し煮、滝野川大長ニンジンと秋川牛の炒めもの、高倉ダイコンの巻き寿司2種類(皮のかんぴょう風、葉)、高倉ダイコンのお漬物、干し高倉ダイコンと鱈の粕汁、高倉ダイコンのデザートまで。

お酒はお好みで。その間も高橋さんがテーブルを回り、お酒の説明をして下さいます。
 飲み比べてみると、同じ蔵の日本酒でも、製法や原料によって様々な香りと味があることがよく分かります。

本当に美味しい料理とお酒でした。江戸東京の伝統と地産地消を堪能。

豊島屋酒造の高橋さん、オギプロファームの福島さん。それに料理を担当して下さった上原さん、八幡名子さん、木村えり子さん、河原井靖子さん。楽しくて美味しくて贅沢な時間を有難うございました。

18時前に終了(その後は別の蔵見学が予定されていたようです)。このコラボイベント、今から第2弾が楽しみです。