おおむね好天に恵まれた2018年のゴールデンウィーク。
自宅近くに一画を借りている市民農園には夏野菜(キュウリ、トマト、ナス、インゲン、オクラ、ゴマ、トウガラシ等)を播種・作付け。
玄関先に置いたプランタのスダチは、今年はたくさんの花を付けてくれています。秋が楽しみ。
街ではカキツバタ、キショウブなども目を楽しませてくれます。
5月8日(火)は午後から本降りに。
水不足気味だった畑には有難いことながら、気温も低下(寒!)。
終業後は東京・京橋の中央区立環境情報センターへ。
環境活動の輪を拡げていくための情報発信等を行っている施設。宇宙ロケットもあれば、檜原村の間伐材で作った恐竜(間伐ザウルス)も展示されています。
19時から開催されたのは、銀座農業コミュニティ塾の第3回勉強会。
塾長の高安和夫さん(銀座ミツバチプロジェクト理事)の司会により開会、まずは参加者からの自己紹介。
経営コンサルタント、カメラマン、空港会社、造園業、生協関係、公務員(同OB)など様々な立場の方ですが、いずれも持続可能な農的社会のライフスタイルの実現に関心をお持ちの方ばかり。
CSA(地域支援型農業)や百貨店屋上での体験農園を実践されている方も。
続いて、代表世話人の蔦谷栄一先生(農的社会デザイン研究所)による講演が始まりました。タイトルは「農業で生きがいづくり・地域づくり」(以下、文責は中田にあります)。
資料は事前にメールで送って下さっています。
まずは「近況報告」として、江戸時代の農政家・川崎平右衛門の研究会が発足し、秋には2回目の研究会を開催予定とのこと。
地元(西東京市)の自治会の役員を引き受けられたこと。
さらに、近く出版が予定されている新著の内容(地域農業の重要性、経済学と農業、賀川豊彦と「協働」など)を紹介して下さいました。
続いてレジュメを参照しつつ、農業や食の分野で生きがい・働きがいを持って活動されている方達について紹介がありました。
「O氏は30歳代の山梨・甲州市のブドウ農家。釧路や伊豆でブドウの栽培指導をされているほか、野菜の勉強も重要と高知ではショウガを栽培。自宅をシェアハウスとして新規就農希望者を受け入れている。趣味のサーフィンと仕事を両立させている」
「I氏は長野・伊那市のリンゴ農家。わい化栽培で多品種を生産。受賞歴も多数」
「信州ソバ発祥の地・伊那市にある有名な蕎麦店は昼間だけの営業。冬期は長期休業し海外へ研修旅行等へ。昨年はプラハでソバ打ちも」
「東京・小金井の『物語屋』さんは、自宅のほか様々な場所で昔話や落語等を語ることで、地域づくりに多きな貢献をされている」
さらには地域農業の役割等について、
「農業(特に都市農業)は、交流や農業への理解醸成など多様な機能を有しているが、これらの発揮のためには生産者、消費者双方の努力が必要」
そして、
「現代社会は専門化・分散化が進んでいるが、地域には現代版の『百姓』とも呼べるような方達が増えている。現金収入を確保しつつ地域づくりに取り組むなど、新しい動きが拡がりつつある」
等とまとめられました。
続いて、塾生のお一人・肥沼位昌さん(所沢市職員)による「武蔵野の雑木林と農業」と題する活動発表。
「関東ローム層で土地が痩せていた武蔵野台地では、江戸時代に川越藩、川崎平右衛門らにより新田開発が行われた。屋敷、畑、雑木林からなる約5haの直線的な区画。
戦後は薪に対する需要減、化学肥料への以降により雑木林は使われなくなった。さらに相続税や関越自動車道の整備もあり、産業廃棄物の中間処理施設が集中立地するようになりダイオキシン問題も発生」
「近年は特徴的な循環型農法が見直され、昨年3月には日本農業遺産に認定。映画『武蔵野』も製作された。ジブリ『となりのトトロ』の舞台でもある」
「私自身は伐採技術(アーボリカルチャー)や農業技術の修得と実践、トラスト団体(武蔵野江戸農法基金)や三富ライフファームの設立に参画している。
今後は、さらに農と市民の接点拡大を進め、武蔵野の農業を次代につなげていきたい」
という言葉で締めくくられました。
現役の公務員でありながら、様々な活動をされていることに驚きました。
その後は会場との質疑応答。いつもの餃子屋さんに場所を移して意見交換の続き。
気がつけば時計は22時を回っていました。まだ雨は降り続いています。
なお、次回の銀座農業コミュニティ塾は、7月上旬の開催を予定しています。