東京・千代田区九段南にある昭和館は、戦中・戦後に国民が経験した労苦についての歴史的資料を収集、保存、展示し、後世代の人々に伝えていくことを目的として、1999(平成11)年に開館した国立の施設です。
食に関しても様々な展示があります。
例えば「統制下の暮らし」のコーナーには、食料不足が深刻化するなかで実施された配給制度に関する実物資料(配給切符等)、「節米運動」を奨励するポスター(「兵隊さんのことを思えば、銃後の国民が米のゴハンで満腹するなどバチが当たる」)等が展示されています。
また、防空壕に避難するときの携帯食料(乾パン等)や、戦後の闇市の「残飯鍋」、援助物資により再開された学校給食を再現した展示等もあります。「体験コーナー」では一升瓶に入れた玄米を棒でつく(簡易精米)体験もできます。
展示物の多くが「実物資料」だけに、その時代を証言する力には迫力があります。
なお、現在、漫画『この世界の片隅に』の特別展が開催中(9月9日(日)まで)、漫画の各シーンと関連する実物資料等をみることができます。
昭和館については、戦争責任に触れていない等の批判もありますが、戦中・戦後の身近な「暮らし」に触れることのできる貴重な場です。ぜひ一度、足を運ばれることをお勧めします。
[参考]昭和館
http://www.showakan.go.jp/
【掲載】F. M. Letter -フード・マイレージ資料室 通信-【ID;0001579997】
https://archives.mag2.com/0001579997/