【ブログ】ぶらり川越史跡めぐり

2019年9月も半ば。不順な天候が続きますが、晴れると秋の青空が広がります。
 9月13日(金)は仲秋。雲を透かして月を望むことができました。

 15日(日)、自宅近くの河川敷の緑道には何故かモンキチョウの群れ(写真はメス)。

翌9月16日(月)は三連休最終日、敬老の日。
 朝からの強い雨は9時頃には小降りになってきたので、かねての計画通り埼玉・川越を訪ねました。

 10時過ぎに西武新宿線・本川越に到着。改札を出てすぐのところにある観光案内所で地図をも らい、バスに乗って裁判所前で下車。
 細かな雨が止みません。

徒歩数分で最初の目的地・東明寺(とうみょうじ)に到着。
 中世から続く時宗の名刹で、河越夜戦の激戦地と伝えられています(ちなみに昔は「川越」は「河越」と表記されていました)。

境内には、河越夜戦跡と刻まれた大きな石碑があります。
  天文十五年(1546)四月二十日の深夜、駿河から駆け付けた北条氏康軍6千は、3 千の籠城兵とともに、城を包囲していた六万余の両上杉、古河公方の連合軍を奇襲し散々に打ち破りました。

扇ガ谷(おおぎがやつ)上杉氏の当主・朝定は多数の重臣とともに討ち死。
 ここは、鎌倉時代から続いた名家・扇ガ谷上杉氏の終焉の地なのです。

  一面の銀杏の黄色が、雨に打たれて鮮やかでした。

東明寺から徒歩数分、新河岸川にかかる橋は道灌橋と名付けられています。
 ここ川越には、各地に太田道灌ゆかりの地名等があります。

 道灌は扇ガ谷上杉氏の家宰で文武両道に秀でていましたが、河越夜戦から59年前、主君・扇ガ谷定正によって謀殺されました。
 悲運の名将として、今も絶大な人気があるようです。

新河岸川を下流へ。気持ちのいい緑道、桜並木が見事です。
 雨はほとんど上がりました。

 昭和十三年(1938)、農業用水の取水のために作られたという田谷堰(たやぜき)。
 ゲートは木製です。

川越氷川神社見えてきました。
 境内はものすごい人です。若い人も多く、どうやら人気アニメの「聖地」 にもなっている模様。

川越市立博物館へ。
 展示も充実、学芸員の方たちも親切です。

 江戸時代の河越の城と街を復元した大きなジオラマは見事です。

扇ガ谷上杉氏や太田道灌に関する展示もありました。
 静勝寺(東京・北区)の道灌坐像のレプリカも。

 有名な『道灌状』の写しは、特に興味深いものでした。

2冊ほど資料を求めた後、ちょうどお昼を過ぎたので館内のレストラン「山吹」へ。
 ここも道灌ゆかりの名前が付けられています。

 生姜焼き定食を頂きました。美味。豚肉は埼玉県の名産の一つです。
 ちなみに前日、秩父地方で豚コレラが確認されたとのニュース がありましたが、豚コレラに感染した豚肉は出荷されることはなく、仮に感染した豚肉を食べても人の健康には影響はありません

 隣接する市立美術館で川越ゆかりの岩崎勝平、小茂田青樹の絵画を鑑賞した後は、その名も「道灌」という和菓子屋さんへ。
 名物の道灌饅頭は玄米粉を使っているそうで、 甘さ控えめで美味でした。

初雁城(川越城)通を渡ります。
 この市中心部を東西に貫く大通りは、かつては河越城の西大手門と本丸を結んでいました。
 
川越城本丸御殿へ。
 嘉永元年(1848)に建てられた本丸御殿の一部が移築・保存されています。

立派な玄関部分と大広間。
 家老詰所では重臣達が会議中でした。働き過ぎかもしれません。家老(過労)だけに。

すぐ向いにある三芳野神社は、大楠が見事(一部は伐採されたそうです)。
 童謡「とおりゃんせ」の発祥の地だそうです。

 富士見櫓跡は小高い丘。
 かつてはここに、富士山を望むこともできた天守閣代わりの櫓があったそうです。石段の一部は立入禁止となっていました。

中ノ門堀跡が整備されていました。なかなかの規模です。
 西大手門から本丸への敵の進入を阻むために配された堀で、二階建ての立派な櫓門もあったそうです。

かつて西大手門があった辺りに、川越市役所があります。
 その前には狩装束姿の道灌の立像。左手には弓矢、右手には山吹の小枝を持っています。
 川越城図の石碑もありました。

菓子屋横丁には、懐かしい飴や芋饅頭のお店が並んでいます。
 蔵造り通りもすごい観光客です。蒸し暑くなってきましたが、建物の中は冷房がよく効いていました(クーラー造りだけに)。

喜多院の門前近くにある雑居ビル。川越歴史博物館という看板がかかっています。
 玄関前に佇んでいた男性に会釈して覗いていると、その男性が入ってきて受け付け。館長さんだったようです。

 事前にチェックしていなかったのですが、ここが大当りでした。

展示は3階にわたっています。
 室町・戦国時代のものを中心とした武具や甲冑。織田信長のものと伝えられる兜も。火縄銃や日本刀を持たせてくれました(特に火縄銃は重い!)。

 手裏剣や鎖鎌、十手、お姫様の輿入れ道具やかんざし、古墳時代の出土品まで、展示内容も充実しています。

 個人営の博物館のようですが、もう一人の若い方とともに、詳しく説明して下さいました。 ここはオススメです(また行こうと思います)。

喜多院は天台宗の寺院で別名は川越大師。

 江戸城から移築された「春日局 化粧の間」等は国の重要文化財に指定されています。 五百羅漢も見学。

17時前に本川越駅前に到着。
 すぐに電車に乗ってもよかったのですが、久 しぶりに歩いたために水分補給が必要です。

ということで、駅前の焼き鳥屋さんでCOEDOという地 ビール。
 仁井田本家(福島・郡山市)の「純米吟醸・田村」で、ぶらり川越史跡めぐりの旅を〆た次第。