【豆知識】震災関連死の死者数の推移

震災関連死とは、建物の倒壊や津波など直接的な理由ではなく、震災による負傷の悪化や避難生活における身体的負担(疾病等)による死亡のことです。

 リンク先の図176は、東日本大震災における震災関連死の死者数を、死亡の時期別、都道府県別に示したものです。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2019/09/176_kanren.pdf

 2019年3月31日現在における死者数は、1都9県で計3,723人。
 都道府県別にみると、福島県が2,272人と全体の61%を占めており、次いで宮城県(25%)、岩手県(13%)となっています。
 死亡の時期別にみると、9割以上は発災から3年以内(2014年3月10日まで)に集中していますが、福島県においては4年目以降もゆるやかに増加しています。

 また、東日本大震災における死者・行方不明者数は全国で18,479人(2019年9月10日現在、警察庁)となっており、関連死者数の約5倍となっていますが、福島県においては、逆に関連死による死者数が直接の死者・行方不明者数(1,810人)を上回っています。

 福島県において関連死者数が多いのは、東京電力原子力発電所事故に伴う避難等の影響によるものです。多くの方が長時間の移動を重ね、避難後も十分な医療提供を受けらないという事態が多発しました。
 本来、動かしてはならない要介護病弱高齢者の方達も、病院や施設からの避難を余儀なくされ、そのために多くの方が亡くなられました。

 このように東日本大震災においては、福島県を中心として、「助かった、助けられたはずなのに亡くなった」多くの方がおられるのです。
 この重い教訓は、果たして十分に活かしされているでしょうか。

[出典等]
 復興庁「東日本大震災における震災関連死の死者数」(2019年6月)
  http://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat2/sub-cat2-6/20190628_kanrenshi.pdf

出所:
 F. M. Letter -フード・マイレージ資料室 通信-No.176
  https://www.mag2.com/m/0001579997.html
 (過去の記事はこちらにも掲載)
  https://food-mileage.jp/category/mame/