【豆知識】「中堅人口」の増加が著しい市区町村

前号では、直近5年間の「中堅人口」の増減率(2019年1月1日現在における30~49歳人口の、2014年1月1日時点における25~45歳人口(同コホート)との比較)を都道府県別に行いました。
 その結果、東京圏(東京、埼玉、千葉)及び地方中核県(石川、香川、福岡)で増加しているほか、沖縄、島根、長野では「田園回帰」の動きがみられることが明らかとなりました。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2019/10/178_cohort.pdf

 今号では、同様のコホート分析を市区町村別に行いました。すると、中堅人口の増加が著しい市区町村があることが明らかになりました。
 リンク先の図179は、その上位20市区町村です。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2019/10/179_cohort2.pdf

 これによると、千代田区や中央区といった東京都心、福岡・福津市や千葉・印西市等の都市近郊のほか、地方の島しょ部や山間部において、著しく増加している町村があることが分かります。
 これら町村はもともと人口が少ないために増加率としては大きく現れる傾向はありますが、例えば1位の島根・知夫村(ちぶむら)では、5年前の67人から113人へと、50名近い純転入者がいるのです。

 これら町村において中堅人口が大きく増加している理由については明らかにはできていませんが、これら町村のホームページを拝見すると、総じて移住希望者向けのコンテンツが充実しているなど、移住者受入れの施策を積極的に行っている状況が伺えます。
 さらには、美味しい食があること(例えば島根・知夫村のアワビ、和歌山・北川村のじゃばら(柑橘の一種)等)も、中堅人口増加の背景にあるものと思われます。

[出典等]
 総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査」
 http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/daityo/jinkou_jinkoudoutai-setaisuu.html

出所:  F. M. Letter -フード・マイレージ資料室 通信-No.179
 https://www.mag2.com/m/0001579997.html
 (過去の記事はこちらにも掲載)
 https://food-mileage.jp/category/mame/