【ブログ】車座座談会 vol.687

2019年12月3日(火)は久しぶりの朝活。
 ようやく東の空が白み始めた6時過ぎに自宅発、1時間強で渋谷着。開発が続き、来るたびに街の姿が変わります。

 何とか迷わず、ヒカリエを抜けた先にあるビルに着くことができました。
 2階にあるポケマル本社で開催されるのは、車座座談会 vol.687

朝食を作ってきて下さった方も。
 水害を受けた福島・いわき市のお米のおむすび、茨城の農家さんの漬け物など。いずれもポケマルの生産者の方とのこと(ご馳走様でした!)。

 定刻の7時半を回り、主催者の高橋博之さん(ポケマル代表)を含めて約20名がぐるりと円になって座り、車座座談会がスタート(文責・中田)。
 なお、朝の車座は、先週に続いて2回目とのことです。

 高橋さん
 「車座とは江戸時代の一揆の連判状と同じ。むのたけじさんから、地べたからの学び直しの場をたくさん作ることが必要と教えられた。それから15年間、今日が687回目になる。
 岩手の山間部の10軒ほどしかない高齢者ばかりの集落から、東京での20~50歳代の消費者まで。何とか地方と東京を何とかつなぎたいという思いで続けている」

 「先日、新井さんと共著で出した『共感社会を生きる』(ダイヤモンド社)は、幸せとは何かを語り合った本。
 この近くに尾崎豊の聖地があるが、大好きな『クッキー』の歌詞には『急ぎすぎた世界の過ち を取り戻そう』とある。時代は全く変わっていない」

「28歳の時に屋久島に行き、4日間、焼酎を飲みながら民宿のご主人の話を伺ったことがある。東京の大学を中退して島に戻り、森林の保護活動に尽力されてきた方」


 「この方と出会ったことが、岩手に戻る決心をさせた。
 昨日まで屋久島にいて再会でき、ご高齢になっておられたが、幸せな時間を過ごすことができた。
 人との偶然の出会いが人生を変えることがある」

共著者の新井和宏さんも、少し遅れて到着されました。
 「人間は競争し順位をつけたがる動物。資本主義は他よりましなだけで、多くの人が今のままではまずいと模索している状況。
 若くて優秀でも、効率しか頭にないような人もいる。効率の名の下、軟骨、緩衝材、コミュニティが軽視され擦り減っている」

 「金融に関わって25年になるが、なぜ人はおカネにとらわれるのか。コミュニティ通貨『eumo(ユーモ)』の実証実験を始めた。使ってみて一番いいものを選んでいけばいい。
 違う生き方、社会システムを考えるべき時期が来ている。楽しいわくわくした社会を作っていきたい」

8時20分頃からは、高橋さんの進行の下で他の参加者も順番に発言。
 お互いはほとんど初対面です。

 例えば、阪神淡路大震災の3時間前に神戸で生まれ、東北の被災地やインドのスラム街を訪ねておられるという女性。
 大手飲料メーカーを途中退職し、リーダー育成など社会課題と大企業をつなぐプロジェクトをされている男性。
 地域の生産者と消費者をつなぐ活動をされている「旅する料理人」。

 私からは、アダム・スミスも共感の重要性を強調していたこと等の話題提供。

 祖師ヶ谷大蔵でハンバーガー店を営む男性が、産地や生産者にこだわるとコストアップにならざるを得ないと窮状を訴えられると、新井さんからは、
 「大事なことは、あきらめないことを決めること。ベンチャーの経営者が先にあきらめてしまうことが多い。定価表示をやめて、原価表示プラスギフトを表示するような、まっとうな社会にできないか」等のコメント。

山口・祝島に移住する予定という大学生。
 西麻布で割烹を経営する男性は、常連のお客さんやスタッフと食材の生産者を訪 ねるツアーを開催しておられるとのこと。
 千葉県の農家を手伝いに行くうち、何とか生産者の良さを消費者に伝えられないかと模索しているIT コンサルタントの男性。
 「撮り鉄」の傍ら、地方の食材の情報をツイッター等で発信し続けているという鉄道会社勤務の男性。

 高橋さんからは
 「大多数の人は生産者の顔の見える野菜なんか欲しがっていないのが現実。 どんな伝え方、工夫ができるか、みんなで考えていきましょう」等の発言。

 気がつくと10時近く。
 1時間の休暇をもらって参加していたのですが、ここで中座させて頂きました。

 高橋さんの「生産者と消費者との顔の見える関係造り」「都市と地方をかきまぜる」という考えに賛同するだけではなく、それぞれの立場で実践している方が大勢おられるようです。
 また、新井さんの「毎回、同じようなメンバーかと思ったら、前回とは全く参加者が違うので驚いた」とのコメントが印象的でした。