【ブログ】18000人の街だからできる「高田の暮らし」

2019年12月16日(月)の終業後は、東京・木場へ。
 イルミネーションを抜けたとこ ろにあるフジクラ東京R&Dセンター7階のイノベーションハブBRIDGEは、開放感のあるスペースです。

 ここで18時30分から開催されていたのは「岩手県陸前高田市 18000人の街だからできる『高田の暮らし』一復興の先にある新たな仕事と働き方」。
 1月に予定されている現地ツアーに向けての東京説明会(ワークショップ)です。

 主催は、被災地・東北における関係人口の増加を目指すRe:来人(リライト)。

遅れて19時過ぎに遅れて到着した時には、岡本翔馬さん(NPO 高田暮舎理事長)による「ポジティブな過疎地域をつくる。18000人の街だからできる高田の暮らし』と題する報告の半ばでした(以下、文責は中田)。

 「NPO 高田暮舎では、移住ポータル・高田暮らしの運営、空き屋バンク事業、移住者向け職業紹介、定住フォロー等の事業を受託」

 「陸高(陸前高田)は人口2万人弱の小さな町。普通に季節や旬を感じることができる。津波被害が大きかっただけにボランティア等の交流人口も多い。面白い人が多く、小さなことをしても注目される。
 まずは来て頂くのが一番」

続いて、長谷川優子さん((株)長谷川建設)による「“ラ イブ”持続可能な社会を創る。デザインの力で笑みの溢れる陸前高田を』。

 「野生児社長(弟)の代役で急きょ登壇することに。
 本業は創業60年になる建設業だが、近年はエネルギー事業(ペレットストーブ)、人と木をいかす宿泊業(箱根山テラス)、地域の居場所にもなるカフェ(ペチカ)の運営にも取り組み」

「食事は地産地消にこだわっている。
 カフェには思い入れの本を寄贈してもらったライブラリも併設し、中高生でも気楽に立ち寄れる場所になっている」

 「近く、統合され廃校になった中学校の建物に事務所を移転する予定。絵を描かれる地元の方のアトリエ等も設けたい。
 明日の笑顔がまたひとつ増えるような、まちづくりに取り組んでいきたい」

 「最後に社長から言付かってきた言葉を。忘れるところでした(笑)。『副業はない、すべて理念に基づいた本業』とのことです」

最後のスピーカーは太田祐樹さん((株)リアスターファーム代表)。
 タイトルは「イチゴで新規産業地域の活性化の起爆剤に!~住民みんなが幸せに~」。

 「新潟・小千谷生まれで岩手県農業センターに就職、夏季イチゴ周年栽培技術を開発した。
 ところが研究成果を活用しようという人が現れなかったので、自ら陸高に移住して起業した」

「夏季のイチゴはほとんどが輸入品だが、岩手県沿岸部は夏でもイチゴの栽培適温内。冬春どり、夏秋どりのどちらも栽培できるのはこの地域のみ」

 「始めたばかりだが、自社としては栽培面積 5ha(250t)、売上げ5億円、70人の雇用が目標。さらに気仙地域全体に広げて売上げ50億円を目指したい」

 大田さんは、「なつあかり」「信大BS-89」という2種類のイチゴを試食用に持参して下さいました(甘い!)。

その後は、各テーブルにスピーカーの方が1人ずつ加わって質疑。

 私たちのテーブルには、まず太田さんが、2種類の試食用のイチゴ(なつあかり、信大BS-89)」を携えて来て下さいました。
 質問に対して、ケーキ屋等に直接販売していること、特殊な栽培方法であること から研修のための施設を整備中であること、農地の取得には困難な面もあること等を教えて下さいました。

長谷川さんに交代。
 1人暮らしの高齢者の方の家は将来空き家となる可能性が高いこと、空き家や廃校を活用することは建設業としての責任であること、カフェでのアルバイトを希望する高校生は絶対に断らないこと等の話を聞かせて下さいました。

 最後は、社員の松田さんとともに岡本さんがきて下さいました。
 松田さんは岩手・遠野出身、首都圏の鉄道会社に勤務していましたが故郷に帰りたいと陸前高田に移住されたそうです。地域おこし協力隊員で移住を担当されているとのこと。

 岡本さんからは、住宅は比較的見つけやすいこと、復興関連を含めて色んな仕事があること、外部(都市部)の人の感覚が分かる人も必要であること等について話して下さいました。
 さらには「通えば地元の人とは勝手に仲良くなれる」とも。

続いて、「自分はどのように陸前高田と関われるか」というテーマで参加者の間でダイアローグ。
 都市部での販路開拓、ECサイトの開設、小中学生向けのワークショップ開催など。
 「きっかけ食堂」という取組 をされている女子大学生の方は「まずは遊びに行く」。
 太田さんからは「入り口は楽しい ことから。楽しくてナンボ」とのコメント。

その後は明年1月のツアーの紹介。
 11日(土)~12日(日)にかけ、報告のあった高田暮舎、長谷川建設、リアスターファーム等を訪ね、箱根山テラスに宿泊するとのこと。
 集合場所の岩手・一ノ関駅前までの交通費等は自費ですが、バス代や宿泊費は無料とのことです。

 行ったことのない陸前高田。
 訪ねてみたい気持ちが、にわかに高まってきました。