【ほんのさわり】宮内泰介、上田昌文『実践 自分で調べる技術』

−宮内泰介、上田昌文『実践 自分で調べる技術』(岩波新書、2020.10)−
 https://www.iwanami.co.jp/book/b530022.html

ベストセラーの前著『自分で調べる技術』(2004)が、全体に新たに書き下ろされました。
 宮内さんは北海道大学大学院文学研究院教授。専門は環境社会学で、環境保全やコミュニティの分野を中心に実践的な調査研究を続けておられる方。
 上田さんは、私も会員となっているNPO法人市民科学研究室の代表理事で、「生活者にとってよりよい科学技術」を追求し、やはり実践的な様々な活動をされています。

「あとがき」によると、本書の原点は1980年代の学生時代に2人が参画された反公害や反原発の市民運動にあるとのこと。宇井純や高木仁三郎(いずれも故人)と出会い、科学のあり方(住民自身による科学、市民の科学)についても薫陶を受けられたことが、本書の執筆を含め、現在までのお2人の活動の基底にあるようです。

本書では、世界の「いやになるほど」の複雑さに耐えながら、生きていく上で直面する様々な問題を、(国家や専門家に委ねるのではなく)自分たちが納得できるように解決することの必要性が主張されています。そして、それを可能とするのは自ら「調べる」ことであるとし、「ちゃんと調べる」ためのノウハウ(文献調査やフィールドワーク、データの整理方法等)が満載されているのです。

本書は「使う本」とのこと。
 取り上げきれなかった、あるいはアップデートされた情報等は、以下の特別のウェブサイトで公開されています。

「実践 自分で調べる技術」https://jibundeshiraberu.jimdofree.com/

出所:
 F. M. Letter -フード・マイレージ資料室 通信-
 No.206、2020年11月29日(日)[和暦 神無月十五日]
  https://www.mag2.com/m/0001579997.html
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