【ブログ】『いただきます ここは、発酵の楽園』上映会(東京・八王子)

2021年の春は早いようです。
 地元の東京・東村山市でも3月のうちに桜が満開に。
 心浮き立つ季節のはずですが、新型コロナウイルス感染が拡大傾向にあるのが気掛かりです。

年度が明けたばかりの4月3日(土)の午後は、東京・八王子へ。久しぶりのイベントでの外出です。

 駅の北口にそびえる再開発ビル・八王子オクトーレの12階(見下ろすと目がくらむよう)にある八王子市学園都市センターは、学園都市づくりの拠点・交流施設。八王子市には25の大学・短大・高専があるそうです。
 ここのイベントホールで13時過ぎから開催されたのは、『いただきます ここは、発酵の楽園』の上映会です。

 主催は、映画製作会社であるまほろばスタジオと、八王子や日野を中心とした市民グループ(まほろば応援団@多摩、ごえんシネマ)という手作りの上映会です。

ドキュメンタリー映画『いただきます ここは、発酵の楽園』は、食育に取り組む保育園を描いた『いただきます-みそをつくる子どもたち」の続編。

 出演されている吉田俊道さん(大地といのちの会、長崎・佐世保市)には、かつて熊本在勤・在住中に大変お世話になったこともあり、かねてぜひ観たいと思っていた映画です。
 ところがコロナ禍による上映会の減少もあって観そびれていたのですが、ようやく念願が叶いました。

『いただきます ここは、発酵の楽園』公式ウエブサイトより。

映画の内容は、「菌ちゃん先生」(吉田さん)の子どもたちとのワークショップの模様をはじめ、「畑保育」を実践する保育園(山梨・甲府市)、山形・高畠町の有機米生産者と食農教育を続ける小学校など。
 笑顔が魅力的な「奇跡のりんご」の木村秋則さんもお嬢さんとともに登場されます。発酵デザイナーの小倉ヒラクさんも。

 様々な地域で「発酵」をキーワードとした取組みが行われている様子が、次々と描かれます。自分たちで育てた野菜で作った料理の皿を、言葉通り舐める園児たちの笑顔が印象的です。
 素晴らしい映画でした。ぜひ多くの方に観て頂きたいと思います。

『いただきます ここは、発酵の楽園』公式ウエブサイト内の予告編より。

後半は、まず、オオタヴィン監督による「おいしいコロナ対策」と題する講演。
 自己紹介によると、監督、撮影、編集、デザインから雑用(!)まで、映像制作のすべてを一人で担っておられるとのこと。ちなみに愛知県出身、現在は東京・高尾在住の日本人です。

 食生活の見直し等を通じて免疫力を高めることの重要性を強調されました。
 給食を見直したことで児童の病欠日数が大きく減少したという吉田さんの研究事例は、映画の中でも紹介されました。

続いて、オオタ監督とノンフィクション作家・島村菜津さんとの対談。
 20年ほど前に島村さんの『スローフードな人生!』を読んで、スローフードという言葉と内容も初めて知った時の感動は今もしっかりと覚えています。ようやく世の中が追いついてきたようです。

 リアルな上映会は、オオタ監督にとっても久しぶりだったそうです。
 一度この映画を観られていた島村さんも、ホールで他の観客と一緒に大きな画面で観られたことを喜んでおられました。
 また、会場の小さな子どもたちが熱心に画面に見入っていた様子が、島村さんには印象的だったようです。
 映画に登場した生産者の方の多くにも実際に会われている島村さんは、日本の有機農業実践者は種や情報を出し惜しみしないことにも、感じ入っておられる様子でした。

続いて、2本目のドキュメンタリー『UTAUTA 歌う田-縄文田んぼの四季』の上映。
 ミュージシャンの真砂秀朗さんが、神奈川・葉山で自然農法による稲作をされている四季の様子が、オオタ監督のみすみずしい映像と真砂さんのインディアンフルート演奏で描かれます。
 心の底から癒されるような、素晴らしいドキュメンタリーです。

まほろばスタジオウエブサイト内の予告編より。

休憩時間に『いただきます ここは、発酵の楽園』のパンフレットを求めさせて頂きました。
 ところで、オオタ監督の次作は『夢みる小学校』。子どもたちの幸せを第一に考える自由教育学校の模様が描かれるそうです。現在、クラウドファンディングを募集中とのこと。

 また、オオタ監督主宰のまほろばスタジオでは「なつかしいミライからの映像」を発信されているそうです。
 4月11日(日)の配信(『いただきます2』特別版、オオタ監督と吉田俊道さん、菊地良一さんとの生トークショー)に、早速、申し込ませて頂きました。

17時過ぎに終了。盛りだくさんの充実したイベントでした。スタッフの方々に感謝です。

 主催者のIさんにお声がけ頂き、オオタ監督、島村さんも交えた少人数での交流会にお邪魔させて頂きました。
 会場のけいの家さんは、江戸東京野菜など地元の食材にもこだわった料理屋さんです。スローフードを実践されている心あるお店。
 久しぶりに伺いましたが、元気に経営を続けておられる様子に安心した次第。