【ブログ】読書はマジメに。

2021年5月8日 (土) の夕刻は、地域づくりのヒューマンネットワークマガジン 『かがり火』 の支局長会議にオンライン参加。
 全国各地から支局長の方たちが集まりました。オンラインの強みです。

『かがり火』は、本年夏以降に発行される200号を区切りに休刊が決まっており、その後についての意見交換でした。
 発行人・編集者の菅原歓一さんの「今までとは違う新しいチャレンジをしたい」との言葉に期待が膨らみます。

5月10日 (月) の 19時からは 第 67回目の奥沢ブッククラブ に参加。こちらもオンラインです。

前半は 10名ほどの参加者から、それぞれオススメ本の紹介。
 ランサム『希望の図書館』、矢樹純『夫の骨』、大江 健三郎『飼育』、宮田 律『武器ではなく命の水をおくりたい-中村哲医師の生き方』、金子文子『何が私をこうさせたか(獄中手記)、茨木 のり子『詩のこころを読む』、ゼイハン『地政学で読む世界覇権2030』、上橋菜穂子『鹿の王』、斉藤道雄『治りませんように-べてるの家のいま』、ガッティ『ぼくたちは幽霊じゃない』、東豊『リフレーミングの秘訣』など。
 今回も多彩な本が紹介されました。実際に読んだ方の紹介ですからいっそう興味がわき、ぜひ何冊かは読んでみようと思います。

ちなみに私からは (学術書なので、ややそぐわなかったのですが)平賀 緑先生の 『植物油 の政治経済学』 をオススメさせて頂きました。

後半は、今回の課題本である芥川龍之介 『藪の中』 についての感想のシェア、意見交換。
 私からは、ちょっと不真面目とためらいつつも、以下のような話題を紹介させて頂きました(貴重な時間を使ってスミマセン)。

実は前日は中央競馬のNHKマイルカップの日。
 成長途上の3歳馬、しかもフルゲートの難解なレースです。何を軸に選ぶか頭を悩ませつつ、当日朝に『藪の中』を読み始めてみると、何と勝ち馬を予言していることに気づいたのです!

 放免の証言の中に「はい。馬も仰有るとおり、法師髪の月毛でございます」と。

 月毛とは聞いたことがなかったのですが、JRA のホームページによるとクリーム色~淡い黄色で、「栗毛」に分類されるとのこと。

そこで改めてマイルCの出馬表を見ると、18 頭のうち栗毛は2頭のみ。
 あっという間に2頭に絞られました。

その2頭を見比べてみると、「法師髪」は「ホウオウ」とつながっている!
 しかも小 「笹」 オーナー、「矢」作調教師、「竹」 (武) 騎手といった、「藪」に関連するワードが満載!
 そもそも「アマゾン」自体、でかい藪ではないですか!

このように、近年まれにみる完ぺきな予想ができたことにブッククラブの皆様に感謝しつつ、わくわくしながらレースをTV観戦。

 ところがスタート直後に人気の逃げ馬が落馬、乱ペースを追いかけ過ぎたホウオウアマゾン号は直線半ばで失速し 7 着惨敗という結果に。もう1頭の栗毛は14着と大敗(涙)。

貴重な教訓を頂きました。
 そもそも、本を読んで馬券を当てようなどという安直な助平心が間違っていたのです。読書も競馬予想も、マジメに取り組まなければダメなのです(当たり前ですね)。

 傷心を抱えつつ読み返してみると、犯人(?)の盗賊は馬から落ちて捕まったのだから、月毛の馬に乗ってはいけなかったのですね。読みが浅かったです。

さて、その後のブッククラブの方では、マジメな意見交換などが続きました。
 それにしても、真相は全くの「藪の中」。短編ながら重厚なミステリーを読んだような気がしたとの意見も。

 皆さんの楽しい対話を聞きながらページをめくっていて、「あっ!」と気づきました。
 犯人(?)の盗賊は馬から落ちて捕まったのだから、月毛の馬に乗ってはいけなかったのですね。ああ、読みが浅かったです。芥川に罪はありません(当たり前!)。

最後、恒例のUさんによる絵本の朗読は谷川俊太郎 (著),、江頭路子 (絵)『せんそうしない』
 「ちょうちょと ちょうちょは せんそうしない」。
 この日のブッククラブも、しっかりと余韻を残して終了です。

ちなみに次回のブッククラブは6月14日(月)、課題本はおススメ本にも出た大江健三郎の短編『飼育』です。
 ちなみにその前には、春のG1 シリーズ最終戦・安田記念が予定されています。