【ポイント】
歴史人口学者の速水 融氏は「大都市は周辺の地域から人を引き付けておいて高い死亡率で人を殺してしまう」という「都市アリ地獄説」を唱えています。
以前にも紹介しましたが、歴史人口学者の速水 融(あきら)氏が唱えているのが「都市アリ地獄説」です。
速水氏は江戸時代の日本の地域別人口の動向を分析し、飢饉のあった年を除くとほとんどの地域で人口が増加しているなか、例外的に江戸、京、大阪という大都市を含む関東、近畿地方でのみ地域で人口が減っていることを明らかにしました。
このことについて、速水氏は「大都市は周辺の地域から人を引き付けておいて高い死亡率で人を殺してしまう」「江戸は住民にとって健康な地ではなく、周辺の農村地域から健康な人を吸い込まないと人口が維持できない」と分析し、「都市アリ地獄説」と命名しました。ヨーロッパにおいても同様の現象がみられるそうです。
江戸時代の日本では、江戸への人口流出により、特に北関東(現在の群馬、栃木、茨城)における人口減少が顕著だったのですが、その傾向は現在は全国に拡大しているかのようです。
[参考]速水 融『歴史人口学で見た日本』(ほんのさわり)
https://food-mileage.jp/2024/05/14/hon-291/
出典:
F.M.Letter-フード・マイレージ資料室 通信-pray for peace.
No.294、2024年6月20日(木)[和暦 皐月十五日]
https://www.mag2.com/m/0001579997.html
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