【ポイント】
ご飯一杯分の米の値段は約30円。缶コーヒー、お菓子、カップ麺等と比べても非常に安いものとなっています。
先日、小農学会事務局の佐藤弘さんが興味深いポスターを送って下さいました。以前に元九州大学助教の佐藤剛史先生と一緒に作られたものだそうです。
https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2024/07/gohan_ippai-scaled.jpg
A4版の黒を基調としたポスターの中央には、湯気の出ている一杯のご飯の写真。右側には「ご飯一杯の値段」というロゴがあり、「5kg=2000円として1kg=400円、茶碗一杯約30円」との説明。上下には、缶コーヒー1/3本、チョコボール4個、カップ麺5分の1杯、コンビニおにぎり1/4かけら等の写真が並んでいます。これらはいずれもご飯一杯分の値段に相当する量です。
そして左側には、「あなたは何を食べますか」とのメッセージ。
いかにご飯(お米)の値段が安いかを、消費者に分かりやすく直感的に訴えるスグレモノのポスターです。なお、この計算によると、現在の「高騰」も一杯当たり2〜3円の値上がりに過ぎなくなります。
ちなみに食品以外と比較しても、例えば家計における米に対する支出額はインターネット接続料の1/7程度というデータもあります。
米の消費量が減少を続ける一方、インフレ下で消費者の食品に対する価格志向が高まるなか、このポスターをみて米の消費を増やそうと思う消費者が出てくることを期待したいところです。
しかし問題は、「豆知識」欄でみたように、消費者の「米離れ」は基本的に価格とは無関係であるということです。その一方で、生産者にとってはコスト割れとなっており、国内で自給可能な米の生産に深刻な影響が出てくる恐れがあります。
消費者には選択してもらえやすい価格で供給しつつ、米生産農家には経営を継続できる所得を確保していくという相反する困難な課題に、取り組んでいかなければなりません。
[参考]小農学会
https://shounou-gakkai.com/
出典:
F.M.Letter-フード・マイレージ資料室 通信-pray for peace.
No.296、2024年7月20日(土)[和暦 水無月十五日]
https://www.mag2.com/m/0001579997.html
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