【ブログ】霞ヶ関ばたけ(LURAの会)、東久留米市「エコキッズ」報告会など

猛暑が続く2024年も、8月に入りました。
 昨年の新潟県では8月に入ってからの極端な高温と渇水で、米の品質が大きく低下。今年もこれからの天候が注視されます。
 夜、誰かガラスに当たるので窓を開けると、お客さまが飛び込んでくることも。クワカミキリ、コフキコガネなど。

 8月は鎮魂の月でもあります。
 寮 美千子さん(文)のご新著『ぼくが子どものころ戦争があった』は、原作者の実体験に基づく絵本。平和や食べものの大切さを改めて教えてくれます。

8月4日(日)朝は、拙メルマガNo.297(節目の300号が近くなってきました。)の原稿を何とか整え、配信をセットしてから外出。この日はトリプルヘッダーです。

9時半からは、東京・虎ノ門の会議室て開催された「第205回 霞ヶ関ばたけ」。猛暑の中でも30名近くが会場参加。初めての方も5名ほどおられます。

 この日のテーマは『食べものを商品にしない、みんなで自給するLURAの会とは?』。
 ゲストは、長野・伊那市高遠で「自分ごとと感じる、新しい農のカタチ」を追求・実践しているLURAの会の代表・宇野俊輔さんです(文責はすべて中田にあります)。
 なお、LURAの会は昨年11月、「ディスカバー農山漁村(むら)の宝」(農林水産省、内閣官房)にも選定されています。

元々、工学(建築)系が専門だった宇野さんの現在の活動の原点は、支援活動で滞在したフィリピン・ネグロス島での体験だったそうです。武力紛争が続く中、現地の女性の「暮らしを守るのは戦いではなく農業」との言葉に、衝撃を受けたとのこと。
 帰国して農家になろうと準備していた2001年、BSEや食品偽装問題が起こりました。宇野さんは、問題の根本は、生きるために大切な食べものに値段をつけて商品として扱っていることにあるのではないかと考えました。そこで、食べものを商品として捉えない新しい仕組みを模索し、2011年にLURA(Linkage of Urban and Rural lives by Agriculture)の会を立ち上げらたのです。

LURAの会の仕組みは、食べる人(消費者)と育てる人(生産者)が共に作物を育て、自給し、自分ごととして支え合うというもの。
 申し込み(ひと口)の単位は、収穫量ではなく面積。会費は前払いで、不作時のリスクは会員もシェアするという、いわゆるCSA(地域支援型農業)の典型、理想形と言えます。

 なるべく農作業にも来てもらいたいとも。
 何のための活動か(why)を繰り返し伝え、みんなで交流・議論し、自分たちの食べものを作っていることを実感してもらいたいそうです。そのために、援農(労働)等ではなく「すルーラ」と呼んでいるとのこと。

会員は地元や首都圏などの約50世帯で、6割が40歳代以下とのこと。
 会員集めは、最初は地元の商店にお願いして人を集めてもらい、対面で説明することから始めたそうです。また、ホームページや、この日頂いたパンフレットも、洗練されたデザインで素晴らしいもので、相当の情報発信力もあるように伺えました。
 しかし、会員数は伸びてはいない(リピーターを中心に横ばい)とのこと。取組みを継続していくためには、さらに会員を増やしていくことが課題とも話されました。

 この日はサポート役の岸本華果さん(大学の修士論文でも宇野さんの取組みを取材・分析されたそうです)の補足もあり、また、会場との熱心な質疑応答もあって、宇野さんの献身的な思いと取組みの内容が鮮やかに伝わってきました。
 「みんなで農産物をつくり自給する取組みが、多くの地域で広がっていけばいい」と語っておられたのが印象的でした。

終了後の懇親会はパスして(残念!)東久留米に移動。
 13時30分から市庁舎7階の会議室で開催されたのは、市民環境会議主催「エコキッズプラン2024」関連のイベント。

 来賓の市長による挨拶に続いて、活動報告。
 前回の講演会にも参加し、鋭い質問もしてくれたRさんからは「地産地消/フード・マイレージ」について報告。
 「フード・マイレージを計算して、地産地消でどのくらいCO2排出量を少なくできるか具体的に知ることができた。一人ひとりが実践していくことが地球温暖化防止の第一歩」等のまとまった報告でした。しっかり学んでくれて、有難うございます。

 フード・マイレージがマスコミ等で取り上げられる機会は少なくなっていますが、このように地道に活動が続いていることは、私にとっても何よりの励みになります。嬉しいことです。

環境家計簿についての報告があり、休憩を挟んだ後半は中山由美さん(朝日新聞社、元南極・北極探検隊員)による「南極・北極からみた地球温暖化」と題する講演。
 中山さんの活動については、朝日新聞社の特設ページ(南極プロジェクト)等でも詳しく紹介されています。

グリーンランドの氷河が溶けて、深いクリークになって水が激しく流れている様子など、ご自身が取材・撮影された映像には迫力があります。
 南極条約も紹介しつつ、「地球は人類だけではなく、生きもの全ての共有財産」と強く訴えられました。

ちなみにこの日、東久留米駅前の野崎書林さんで念願の「柳久保かりんとう」をゲット!。
 うどんについてお店の方に聞いてみると、「リクエストは多いんですが品切れです」との答え。私からも強く復活の期待を伝えさせて頂きました。
 実は数日前、環境市民会議の石川部会長と一緒に「柳久保小麦の会」の会長さん達(生産者)を訪ねたばかり。一時に比べれば生産量は減少しているものの、現在も生産は続いているとのこと。
 それにしても、駅前の一等地で地場産野菜や地域特産品を売っている本屋さんって・・・。恐るべし、東久留米。

トリプルヘッダーの最後は、埼玉・所沢市のベルーナドームでの対ライオンズ18回戦。気が付けば今シーズンの試合数も残り3分の1です。
 初回に津留崎が3失点するものの踏ん張り、追いついて逆転。7回には黒川の走者一掃タイムリーで、何とか借金生活への転落は免れました。

それにしても4時間近くの長い試合(6回までは息詰まる接戦でしたが)。しかも帰りの電車は西武池袋線が一部不通の影響で大混雑。

とまれ、この日のトリプルヘッダーは無事に終了。移動中に買っておいた札幌のエルムステークス(GⅢ)的中というオマケも。

翌日からも全国的に暑い日が続くとの予報。農作物への影響が懸念されます。
 信州・伊那にも行ってみたくなりました(9月になると涼しいかな)。

(ご参考)
 ウェブサイト「フード・マイレージ資料室」
 https://food-mileage.jp/
 メルマガ「F.M.Letter-フード・マイレージ資料室通信」(月2回、登録無料)
 https://www.mag2.com/m/0001579997